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13話 アレックスside

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あの令嬢を探し始めて2週間が経った。

いまだに手がかりは銀髪と俺が持っている靴だけだ。

最近はカツラを被っている可能性も考えて靴のサイズがピッタリ合う令嬢と、片っ端から会っているがどれも違う人だった。

この国の令嬢じゃないのか?と最近は思って隣国にも捜索に行ってもらおうと考えていた時、父上から呼び出しがかかった。

正直、今はあの令嬢を見つけることに集中したかったがそんなことを言ったら王太子じゃなくなるかもしれないからな。



仕方なく父上のいる執務室に向かうと、珍しく母上も一緒だった。

2人が揃っているということは多分、重要な話だろうと気を引き締めていると、

「貴様の婚約者はユーフェミア嬢ではなくなった」

と父上がため息をつきながらそう言った。

隣に座っている母上は、なんだか泣きそうな顔をしている。

まぁ、父上も母上もユーフェミアのことを可愛がっていたからな。

俺にはアイツのどこが良かったのか全くわからないが。

でも俺はあの銀髪の令嬢と婚約して幸せになるから心配しないでくれ。

そう言おうとしたけど、それは出来なかった。

「新しい婚約者はリリアーナ嬢だ」

と父上に言われたからだ。

これには流石に言葉が出なかった。

だって、あの見た目以外取り柄のない女が次の王妃ということだろう?

なぜリリアーナなんだ、と聞こうと思ったが、どう聞けばいいかわからず言葉が出てこない。

この国のことを考えているのなら、リリアーナではなく侯爵令嬢の方が絶対良いだろう。

それくらい、俺でもわかる事だ。

戸惑っている俺に父上はまた衝撃的なことを告げた。

「もしリリアーナ嬢が王妃教育をサボるようなことがあったら、貴様ら2人とも平民に落ちてもらう」

それを聞いた母上は泣き崩れてしまった。

...どういうことだ?

ユーフェミアとの婚約破棄は別に何も思わない。

元からこっちからしようと思っていたからな。

「父上!なぜ王妃教育をサボっただけで平民落ちなんて...っ!」

そう、これが意味わからない。

しかもあのリリアーナだ。サボるに決まっている。

それを父上もわかっているはずだ。

こんなの俺とリリアーナの2人を平民に落とすって言っているのと変わらないじゃないか!

「元からユーフェミア嬢と勝手に婚約破棄をして、リリアーナ嬢と婚約する予定だったのだろう?良かったではないか」

そう話す父上は俺を蔑むように見ている。

母上に説明を求めようとしても、俺と目を合わせようとしない。

なぜ、こんなことになっているんだ...っ!

確かにユーフェミアとは婚約破棄しようと思っていた。

でも次の相手にリリアーナを、なんてそんなことは考えていない!

大体、父上達があの令嬢を俺の婚約者にしてくれなかったからこんなことになっているんじゃないか!


そう思って睨みつけていると、母上から衝撃的なことを聞かされた。
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