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15話
しおりを挟む手紙を出して1週間くらい経っただろうか?
無事に婚約破棄が出来たとの知らせがあった。
そして、アレックス様の次の婚約者がリリアーナになったという報告も。
「良かったですね。ユーフェミアさん」
そう言って私の正面に座っているのはマリウス様の婚約者『マリアンヌ・ガルブレイ』侯爵令嬢だ。
マリアンヌ様のお話はユリウス様から沢山聞いていましたが、想像以上に綺麗な人で同じ女の私でも見惚れてしまいます。
真っ黒な髪の毛はサラサラで赤色の瞳が相まって神秘的な雰囲気を出しています。
多分、この雰囲気はマリアンヌ様にしか出せないんじゃないでしょうか?
このせっかく綺麗で美しい髪の毛が我が家の血が入ることで銀髪になってしまうのが少し残念ですわ。
あ、もちろん銀髪が嫌いなわけではないですよ?
ただ少し勿体ないなぁって思っただけです。
「これでユーフェミアも重荷が取れたな」
そう言ってニッコリと微笑むのはユリウス様。
確かになんだか体が軽くなったような気分です。
今ならどこかに飛んでいけそうな............あ、比喩表現ですよ?
...それにしても、マリウス様とマリアンヌ様は本当に仲が良いです。
この場に私がいるのが申し訳ないくらい視線だけでイチャイチャしています。
逃げてもいいでしょうか...?
「...あの、私はそろそろ.........」
と席を立とうとしたら、待て、と止められた。
私を止めたのはマリウス様です。
何かあったんでしょうか?
首を傾げてマリウス様の言葉を待っていると、少し言いずらそうに
「いつ言うか悩んでいたんだけど、次の婚約者の話なんだ」
と言われた。
婚約者ですか......正直、アレックス様の時に良い思いはしなかったので少し間を空けたいと思っていたんですが......。
「前に噂を教えてくれた俺の友達の話をしただろ?アイツ、良い奴なんだが婚約者がいないんだ。どうかなーって思って.........いや、まだ早いよな」
あら...マリアンヌ様がマリウス様を睨みつけています。
マリアンヌ様が怒ったのは初めて見ました。
とはいえ、出会ってからまだ4日くらいしか経っていませんが......。
「このタイミングでそんなことを言うなんて、女性のことを何も分かっていませんわね...有り得ませんわ」
ゴゴゴゴゴ、という効果音が聞こえてくるんじゃないかというほど怒っているマリアンヌ様に、私は手をブンブン降って
「いえ、いいんですよ。マリウス様のお友達なら私も信用できますし、婚約者に、というのは私の勝手では決められませんが会ってみたいです」
と必死に伝えた。
今言ったのはちゃんと本心です。
マリウス様のお友達ですもの。
それに、マリウス様が変な人を私に勧めてくるとは思いませんし、その人のおかげで叔父様たちに噂が伝わったんですもの。
お礼もしたいですわ。
そう思うと会いたいという思いが強くなってきます。
私がニコニコしてマリウス様とマリアンヌ様を見ると2人も微笑んでくれた。
早く会いたいですわ。
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