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28話
しおりを挟む「まず、私が王妃に対して直接言ったのではありませんのでそこは訂正させてもらいます。そして、内容ですが、私は陛下にあることを言いました」
伯父様がそう言ってから陛下に言ったことを説明した。
お母様...ハーレミアは彼女の夫に毒殺されたということ。
それに王妃様が関わっていること。
自分が王妃の座に収まるためにハーレミアを隣国に送ったこと。
これらを全て言い終えると、傍聴に来ている全ての貴族達がざわつき始めました。
それもそうですよね。
まさか、王妃様が人殺しをして王妃の座を手に入れていたなんて。
王妃様は周りが敵しかいなくなったことを察したのか顔を真っ青にしながら隣にいる弁護士に何かを伝えています。
まぁ、自分で裁判を起こしたんですからこれらも全て伝わると思わないとダメですよね。
なんでそんなに焦っているんでしょう?
王妃様の弁護人に関してはそんな話聞いていなかったのか、やる気を失っていますわ。
「これに対して何か反論があるから裁判を開いたんでしょう?そうじゃなきゃ、名誉毀損だ!なんて騒げませんよね?」
慌てている王妃に向かってそう言う王弟陛下はなんだか楽しそうですね。
もしかして、知っていたんじゃないでしょうか?
「あ...それは......う、嘘よ!この男は嘘をついているわ!」
そう叫んだ王妃を周りの貴族は冷めた目をして見ています。
見るからに王妃は黒ですからね。
誰も味方をする人はいません。
「ほぉ?なら嘘だと言うのを証明する場だからな。さっさと証明してくれ」
王弟陛下が面倒くさそうにそう言うと
「くっ...そ、そうよ!私がどうやって隣国の公爵家と知り合ったのよ!私とは何も関係のない家よ!?」
王妃はまだ足掻くみたいですね。
伯父様は調査済みで言っているのに。
「これに対して何かあるか?」
「はい。王妃と隣国の公爵家は遠い親戚関係にあたります。ハーレミアとアージュ公爵が出会ったきっかけも王妃主催のお茶会でした」
「では、なぜ王妃様はそのハーレミア様を隣国に送る、という行動をとったんだ?」
「それは.........」
伯父様は言ってもいいものか、と陛下に視線で伺うと、ゆっくりと頷きました。
陛下はもう王妃に対してなんの感情も持っていないみたいですね。
「陛下はハーレミアのことを幼い時から慕っていました。当時を知っている者だったら陛下の婚約者にハーレミアが有力候補だったのを覚えていると思います」
伯父様がそう言うと、周りから、確かに...という声が聞こえてきました。
皆が知っているのは本当だったんですね。
「王妃は元々ハーレミアのことを敵対していました。私の妻が冤罪を着せられた時も黒幕は王妃だったと調べたらわかりましたし、何かと我が家に攻撃をしてきています」
「う、嘘よ!」
ここまで言われても尚、反論してくる王妃は神経が図太いんでしょうね。
私だったら素直に頷いちゃいますわ。
すると、伯父様は持っていた書類と同じ物を懐から取り出して
「いえ、証拠もあります。あぁ、ここに全ての証拠がまとめられている書類があります。目を通していただけたら真実であることがわかると思います」
そう言って王弟殿下に渡した。
これで終わりでしょうか?
裁判を起こしたくせに呆気なさすぎて拍子抜けですわ。
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