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38話
しおりを挟むマーランナ国から手紙が届いた、という報告を受けて、私とレオンハルト様、伯父様、陛下が集められました。
「はぁ......リリアーナとアレックス様が、ですか......」
「あぁ。許可も取らず勝手に向かってきているらしい」
手紙の内容はアレックス様とリリアーナがナルジェンダ国に向かっている、ということでした。
「手紙が速達で今日届いたから、明後日くらいには到着すると思う」
と陛下に言われて思わず
「相変わらず、ですね」
そう呟いてしまいました。
相変わらず自分勝手で、何も考えていない人達です。
大体、隣国に王太子が向かうんですから、迎え入れる側は準備をする必要があるのは当然です。
それなのに、こちらの都合を聞くこともせず、自分達の都合だけで来るなんて、迷惑なも程がありますわ。
そう思っていると
「それで、奴らが到着する前に聞いておきたいんだが、ミアはどうしたい?会って話しをしたいか、会わずに追い出すか...」
そう伯父様に聞かれました。
「......出来れば会いたくない、というのが本音ですね」
もちろん会いたくないですよ。
顔を見るのすら嫌です。
あんなことをされて、リリアーナ達には嫌な思い出しかありませんもの。
だけど......
「でも、会って話をしなきゃ終わらない、という思いもあります」
何も言わずに出て行ったのは私ですからね。
急にアレックス様と婚約破棄をして、リリアーナ達との家族の縁も切って......。
まぁ...私としては話すことは何もないんですが会わないと、また同じことをするでしょう。
「そうか」
と伯父様が小さく頷きました。
伯父様はどう思っているんでしょう?
私の思いは伝えましたが、伯父様やレオンハルト様がどう思っているのか知りたいですわ。
そう思っていると、レオンハルト様が
「俺としては、どうしたいかはミアに任せたいけど、会う前に奴らがやらかしてきたら、流石に会わせるのを止めなきゃいけないと思っている」
そう言いました。
その言葉に伯父様も頷いているのを見ると、同じ意見ということですね。
リリアーナ達が大人しくしているとは思いませんが.......。
.........あれ?そういえば
「なぜ向かっているのか書いていなかったんですか?」
2人が向かっていることしか聞いていませんでしたわ。
なぜナルジェンダ国に来る必要があるんでしょう?
そう思って聞くと、陛下が
「それが......ユーフェミアを助けに行く、と書き置きだけ残していた......としか」
書き置き?たったそれだけですか?
多分、自分の仕事も放棄して向かっているんでしょうね。
どれだけの人に迷惑がかかるとか考えなかったんでしょうか?
はぁ......やっぱり自分勝手ですわ。
「何も起こらなければいいですが.........」
私がそう呟くと、皆苦笑していました。
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