無表情な奴と結婚したくない?大丈夫ですよ、貴方の前だけですから

榎夜

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2話

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帰ってきてから1時間くらい経ったでしょうか?

お父様達が帰ってくるまで休んでいようと思っていたらだいぶ時間が経っていました。

多分、婚約破棄の話が長引いているんでしょう。

そう思っていると

「スカーレット!」

バンッと大きな音をたてて私の部屋扉が開きました。

部屋に入ってきたのはお兄様、『ハロルド・バルドトール』でした。

「お兄様、おかえりなさいませ!」

そう言って微笑むとお兄様は

「ただいま!スカーレット!今日のドレスも似合ってたよ!」

と言いながら抱きしめてきた。

この様子を見てわかるように、お兄様は私のことをとてつもなく溺愛しています。

婚約者もいるんだから、もう少し抑えてもらわないとお義姉様も私も大変なんですけどね。

あ、でもお義姉様の方も私をとてつもなく可愛がってくれますよ。

そりゃあもう、お兄様に負けないくらいに。

と言っても、お兄様が私を可愛がってくれる人とじゃないと結婚しない、なんて言ったからなんですけどね。

でも、最近家に来る理由が、スカーレットちゃんに会いたくて...とか言うようになってきてますので困ったものですわ。

お兄様はやっと抱きしめていた腕を緩めたと思ったら

「いやー、スカーレットは今日も可愛いね!.........あんの、クソ王太子!うちの天使に婚約破棄するなんて100万年早いんだよ!」

そう言って怒りだしてしまった。

今までの上機嫌だったのはどこに行きましたの?

といいますか、ついさっきまで王宮で殿下達相手にブチ切れできたはずなのに、まだ怒っているんですか。

え!?殿下相手にブチ切れなんて出来るの!?

なんて思いましたよね。

出来るんですよ。我が家だけですけども。

我が家は、私が言うのもなんですが、この国を支えていると言ってもいいくらいの資産と能力があります。

最終的決定権があるのは陛下ですが、その決定には大体の確率でお父様が関わっていますのよ?

この国は我が家が居なくなったら即傾く、ということは貴族だったら誰もが知っていることです。

もちろん、それを面白く思っていない方々も居ますが、我が家がどれだけ重要なのかも知っているので何も言ってきません。

だから、少しくらいあのバカ殿下に対して粗相をしても何も言われないんです。

いなくなる方が困りますからね。

まぁ、あの殿下がここまでバカじゃなければ話は違いますけどね。

いや、それ以前にバカじゃなければ誰も怒らないですよね。

そんなことを考えながら、お兄様の怒りを収めていると

「スカーレット!ついに我々の願いが叶うぞー!」

そう言って満面の笑みのお父様が部屋に入ってきた。

その後ろには上機嫌のお母様も一緒です。

家族だから何も言いませんが、皆で私の部屋に入ってくるとは何事ですか。

話をするなら他にも沢山場所があるというのに......。

まぁ、皆それだけ私と話をしたかったんでしょう、とでも考えておきましょう。

細かいことを気にしすぎたらキリがありませんからね。

私は1つ深呼吸をしてから、

「お父様、お母様、おかえりなさいませ!本当ですか!?」

と満面の笑みを返した。

やっと願いが叶うのですね!

長かったですわ!

でも、よく陛下が許可してくれましたね?あぁ、でも今回の件で脅したか何かしたんでしょうか?
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