巻き込まれ召喚された私は、ペットと共に穏やかに過ごしたい

あかる

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スキル検証

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 私に用意されたのは、その東塔の一階部分にある部屋で、メイドのアンさん、騎士のグレンさんが護衛としてつけられた。グレンさんは年配の方だから、愛理に余計なちょっかいをかけられずに済むだろう。
 そう大きくはない部屋に、急遽ベッドとテーブルセット等が運び込まれた感じだ。
 ゆかり達は城の客室らしいから、少し離れられただけでも嬉しい。

 放すと早速マシロは探検を始める。アンさんがお茶を淹れてくれる。ストレートティーだ。ミルクとかレモンとか欲しいな…午後のやつとか飲みたい。

 折角なので、アイテムボックスを試してみる。
 焼き菓子を出し入れしてみたり、紅茶も溢れずに出し入れ出来る。出そうと思うと、いい感じで手に持てる事に驚く。
「凄い…これってそういう仕様なんですか?」
「ええと…普通の事ですね。特に今まで不思議に思った事はなかったですけど」
 出そうとしたら、指がカップの中に入っていたら嫌だよね。
「私からすると凄く不思議ですね。わ…重くて持てない物も、触れば入るんだ…凄い!」
 ベッドも簡単に入ってしまい、出す時も、思った位置に出せる。

「ベッドが入ってしまう大きさが凄いと思いますね。私はDサイズなので、この枕を入れたらもう何も入らないですね。それと、時間が停止するかどうかによっても価値は違いますよ?」
 そうなんだ…時間が停止するって、自分のスキルだから分かる。それをここで言うつもりはないけどね。

 スキルは個人情報。あまり口にしない方がいいな。

 スキルにはなくても、生活魔法は大体の人が使えるらしい。
 その中にはただ水を出すだけの物もあって、なら、私のスキルの水って何だろう?って事になるけど、生活魔法は沢山種類があって、全ての人が全部の種類を使える事はないらしい。
 詳しくは魔法を教える先生が詳しく教えてくれるはずだから、その方に習って欲しいと言われた。

 魔法が使えるのは凄く嬉しい。さすがファンタジー世界だ。
 この国にはあまりいないけど、獣人等もいるらしい…ただ、この国は人族至上主義なので多種族はあまりいない…特に獣人は獣混じりと言われ、差別の対象なので、いても奴隷だろうと。

 もふもふな獣人さんをそんな風に差別するなんて信じられない!もふもふは正義なのに!

 それに、どうやら猫もいないらしい…似た所でキャット系の魔物がいるからそれだと思ったと。
 私達の世界に魔物はいなくて、マシロは本当に猫だから危険も何もないって、なかなか信じて貰えなかった。

 あとは寝るだけなので、というとアンさんは部屋を出て行った。ドアの外にはグレンさんがいるけど、夜は交替して休むみたいだし、おまけで召喚されてしまった私を狙う人はいないと思う。

 誰もいなくなってから、亜空間と呟いてみる。
 目の前に現れたのは、家と同じ開き戸だ。傷の付いている所も一緒で、まさか、と思いながら開いてみたが、中は懐かしの我が家ではなく、ほの暗い空間だ…何もない。いや、自分には感じられるそれなりに広い空間には、ポツンと買って貰ったばかりの私のスマホがあった。

「嘘…家に置いてきたと思ったのに?…あ。電波がないや」

 それに、見覚えのないアイコンが幾つか並んでいた。

 状態アイコン

 サヤカ    ミナカミ
 レベル1

 亜空間    水    アイテムボックスS(時間停止)テイム

 創世神の加護(経験値5倍、スキル習得難易度低下)

 あのむかつく称号が表示されないのは嬉しいけど、加護はいつの間に?もしかしたらあのボードには表示されないのかもしれない?

 亜空間

 レベル1

 パッシブスキル
 消音    気配消去    換気

 アクティブスキル
 食材通販    雑貨通販    食事

 えっ…と思ってアイコンを押してみたけど、入金して下さいと表示され、現在一文無しな私には何も出来なかった。

 取り敢えず、スマホはアイテムボックスに入れておこう。

 けど、この謎スキルがあればどこででも生活していけそうだ。
 勿論、先立つ物は必要だから、後はどうやって収入を得ていくかだよね。

 亜空間の外に出ると、外に散歩に行っていたマシロがすり寄ってくる。
「うにゃ!にゃうー」
 自分を置いてどこに行ってたのか不平不満を述べられた気がしたけど、マシロこそ外を探検していたくせに。

「マシロにも後で見せてあげるね!さ、もう今日は寝ようね」
 大きめなベッドはこっちの人基準なんだろうな…広々と寝られるから嬉しいけど。

 翌日も朝から絨毯を持ち込んだりと、バタバタと忙しい。余計な仕事を持ち込んでしまったみたいで、申し訳なく思う。でも、ゆかり達の側にはいたくないし、お城に住むなんてのも嫌だ。

「ワンピース、ですか?」
「子供用ではありますが、あまり派手な物は嫌だと言っておられたので」
「あの…庶民が着る物で良いので、ズボンじゃだめですか?洗濯変えは必要ですけど、このままの格好でも…」
 パーカーにジーンズで充分なんだけどな…それともこういう格好は逆に目立つのかな?
「ええと…チャックは高価ですがありますので問題ないのですが…その上着の柄は刺繍…ではないですよね?」

 ああ。プリントが駄目なのか。技術的になさそうだし。
「汚れを気にされるのでしたら、揃いでエプロンを着られます」
 凄く子供扱いされてる気がする…日本人だから若く見られるのかな?
「普段スカートは履かないので、何か落ち着かなくて。こんな高級そうな生地でなくて良いので」
 柔らかくて滑らかな生地のワンピースは、きっと高いんだろうな…だけど、ずっとお城にいるつもりはないので、目立ちたくない。
「分かりました」
 籠に盛られたパンは多めに持ってきてあるのか、食べきれそうにないし、アイテムボックスに入れておく。
 マシロ用には、昨日頼んでおいた肉の細切れが用意されている。

 キャットフードなんて当然ないから、お肉か魚。夕べは私のお肉のなるべく味の付いてない所をあげた。
 満足そうに食べて、私を見上げる。もっと?…いや。食べ過ぎるとお腹壊すよ?

 お城を出るとしたら、少しはマシロ用にお肉とか用意しておきたいな。まだ先になりそうだし、焦りはしないけど。


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