裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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ネズミーランド

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    バスの中では寝てたからいいけど、今日は怠すぎて動きたくないな。
    ちゃんと遊ぶけどね?折角のネズミーランドだし!

    勿論、バスから降りた時にこっそりゲートを開いたから、場所の記憶は出来た。
    でも、ここは目立つし、ダンジョンからもちょっと遠いから、後でゲートを開き直さないとだめだね。

    海人君から貰ったマジックポーションを飲んで遊んだけど、外には魔素がないから回復は凄く遅い。
    かなり残念だったけど、いつか絶対にリベンジする!

    歩いているキャラクターを見つけて、同じクラスの友達も喜んで飛びついていた。

    各所にキャラクターが描かれたアトラクションは、順番待ちをしていても、飽きさせない。
「知ってるか?あの大きな手袋の下は真っ黒くて長い爪が隠されているんだぜ?」
「……海人君…」
    前にも誰か言ってた気がするけど、今言う事じゃないじゃん…

    ダンジョンは、周囲の環境の影響を受けるという話だし、キャラクターそっくりの魔物とか出たりするのかな?

    まずは家の裏のダンジョンの攻略だよね。

    魔力が絶えず減っている状態で、全力で楽しむという訳には行かなかったけど、それなりに楽しかった。

    進化が終わったからか、楽になる頃にはもう帰りの時間だった。残念。

    でも、こんな風に魔力を使う事がスキルアップにも繋がる。
    魔力を消費するって事は、何かしらで回復する力が働くものだ。まだまだ、消費に回復が全く追い付いていないから、こんなにも辛いだけで。

    家に辿り着いて、ピヨちゃんを出す為にダンジョンに行く。止められたけど、恐らく姿が変わっているだろうから。

    ダンジョンに入って、人の気配のない階層へ。ピヨちゃんを出してびっくり。
「でかっ…!」
    タマもポチも大きくなってたけど、ピヨちゃんはそれ以上。ダチョウみたいな見かけに、驚いた。

    ピヨちゃん(1)
    藤林美優の従魔
    チョコっち

    スキル    跳び蹴り    ウィンドカッター    時空魔法    穴掘り
    高速移動    変化    念話    
    感知    回避

    いや…チョコっちって…小さな鶏冠は冠羽に変わって、3枚のアホ毛みたくなってる…色は白いままだけど、人を乗せて走る某有名キャラクターみたいだ。

(ピヨちゃん、自分ではどんな感じ?)
(強くなったよ!ママ!)
(いや…ママじゃないよ?)
    インプリンティング状態だったからか、思い違いをしているみたい?

(んー?まあ何でもいいや。ピヨちゃんは大きくなれて、もうタマにも負けないの!)
    それは…そんな事言ったら躾されちゃうよ?

    ピヨちゃんはタマにもあんまり絡んでないし、前からマイペースだったからかな。恐れ知らずな所がある。
(そういえばピヨちゃん、魔法は何か使えるの?)

(んーとね、広くても何があるか分かるようになった。それど、ママみたいに違う空間に物を仕舞えるようになったよ)

    魔法ではあるけど、それを使っている意識はないんだな…特性みたいなものかな?ますます魔物みたいだけど、こんな可愛い姿の魔物はいなかったし、タマとポチの種族もなかった。そこは地球独特のもの?いや、ダンジョン内にしか魔物はいないし、外に魔素はない。
    ポチやタマは姿を変えて外にずっといられるし、別の要素があるのかな?

    って、ここで何を考えても分からないんだけどね。そもそも、地球にダンジョンが現れた事自体が謎だし。

「これだけ大きいなら、私を乗せて走ったりできそう?」
(うん!乗せられるよ!乗って!)
    ピヨちゃんは、オークなどものともせずにたったか走る。嘴で、蹴りでオークは倒されてしまう。
    あ。階段まで来ちゃった。でもまだ下に降りる気はない。魔法石に魔力登録はしておくけど、みんなで来たいからね。

    それにどうせ、この下は食べられる素材は落とさない。気にはなるけど、まだオーク相手に戦っていてもいいかな。

    家に戻って焼き魚を食べて、お土産のチョコレートを食べた。ちょっとがりっとして美味しい。

「そういえば今日、ピヨちゃんを見かけなかったのよね。美優がいない時はわりと私の側にいるのに」
「そういえばこの前、ポチも行方不明になってたな。まあ、余所で迷惑かけてなければいいが」
    あー…言えない以上、説明もできないしな…タマはいなくなった事、気が付かれてなかったんだな…

「美優、誕生日プレゼント、何がいい?」
    そっか。もうそんな時期か。
「防具かな。転んでも膝が痛くないように、膝当て」
「はぁ…もう魔女っ子の杖なんて可愛い事は言わないのね」
「美優はよく転ぶし、それがいいんじゃないかな」

「それとケーキがあれば充分だよ」
    去年までの私とは違う。年齢的には子供だけど、頭脳は大人だもん。

    考え方は大人でも、知識はこの世界の物はない。漢字も厄介だし、その他の勉強の事を考えると不安しかない。
    恐らく小学校低学年までは躓く事はないだろうけど、その先は分からない。でも、冒険者になりたいから、農家の後継ぎがいたらいいな。

「お母さん、なら、弟か妹がいいな。私はお姉ちゃんになりたい」
    子供ならではのお願いはまだ許されるレベルだ。

「美優、それは…誕生日過ぎれば叶うわよ?」
「えっ…そうなの?」
「ふふっ。美優から切り出してくれて良かったわ。楽しみに待っていてね」

    おお…お父さんも痩せたし、頑張ったんだね!
「えへへ…私はお姉ちゃんになるんだね!嬉しい!」

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