裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

文字の大きさ
21 / 75

ムカデの素材

しおりを挟む
    そろそろ12階層に降りてみようかな?
    万全の状態で進む為に、人の気配がないのをいい事にピヨちゃんに乗ってオークをなぎ倒しつつ進む。

    階段手前。
    しっかりと魔法石に触れて魔力登録をして、慎重に下る。
    下にも人の気配はなさそうだ。
    うわ…巨大ムカデじゃん!確か、触覚が弱点なんだっけ。

    ドロップアイテムは、嫌がらせレベルの甲殻の一部か魔石。
大人の鎧の一部に使う位だから、かなり大きい。運ぶなら、数枚持って1階層の階段を登り、車に積んで戻らなければならないだろう。

    私は収納庫があるから楽々持ち帰れるけど。
    魔石も結構質のいい物が出てきた。程度のいい魔道具が作れるレベルだけど、魔道具は宝箱で出てくる物以外はない。カイなら作れるだろうけど、特に欲しい物もない。

    この世界は便利過ぎる位だから、魔道具は発展しないだろう。魔道具を作る位なら、魔石をエネルギーに変える事を選ぶだろう。

    でも…嫌じゃないのかな?ムカデの甲殻が鎧なんて。

    ともかく、私もペット達もムカデに充分に対応出来ている。オークエリアで結構長い時間レベル上げしていたし、そのお陰もあるのだろう。
    先に進もうかな…食べられない魔物だし。
    スキル上げ位には多分役に立つ。動きが読めないから、予見のアップに繋がるだろう。

    ピヨちゃんの蹴りは凄い。オークの時も思ったけど、態々弱点を狙わなくても、相手は勝手に倒れる。
    タマの爪攻撃は、甲殻に逸らされて届かない。

(タマ、それには頭の天辺に焔を使った方がいいと思うよ)
(そうだけど…何か悔しいのよね!あの子は何も考えないで攻撃してるのに、倒しているし)

(ピヨちゃんはパワフルだからね…というか、考えた攻撃なんて無理かもね)
    本能のままに戦ってる感じかな。

(たのしー!)
    うん…虫だけど、ムカデは食べられないからね?
    私は収納庫があるから楽に持ち帰れるけど、そんなに買い取ってくれるかな?

    持ち帰ったら、喜んで買い取ってくれた。
    ムカデの甲殻は、中級冒険者が使う装備として割と一般的なのに、誰も持ち帰ってくれなくて、ショップの店員が集めてくるしかなかった。

「それにしても…魔術って、凄いのね」
「今までは火魔法使いとか、そんなスキル持ちしかいなかったからな。勿論、誰にも言わないから安心してくれ」

「いえ…でもこんな小さなお店で沢山在庫があったら大変じゃないですか?」
「いいえ!私達は加工は出来ないから、専門の職人がいる工場に持って行くのよ。定期便があるから、ここでの在庫なんてすぐになくなるわ」
「肉等の食料品も扱っているけど、傷みやすい魚の切り身は扱えなくて。9階層で狩りをする冒険者もあまりいないけどな」

「魚…美味しいのに」
「美優ちゃんは9階層でも狩りをしているのね」
「母さん達も毎朝確認に行ってるんだから、倒せばいいのに」
「網はすぐに駄目になっちゃうし、魔法を使う魚もいるから大変なのよ。酷い時は一回で網が駄目になるから」

    網の外側から剣使ってたら、確かに駄目になるか。攻撃的な魚ばかりだし。

    魔法がないと不便な階層だね。前世では、魔力量の差はあるけど、殆どの人が魔法を扱えたからな…というか、魔力を使うスキルも結構多いから、それなりに魔力を持ってる人はいると思う。

    剣圧を飛ばすスキルも、絶対魔力を飛ばしていると思うんだよね…魔力があれば、あとはイメージだと思うんだけど…

「とにかく、ムカデの甲殻ありがとう。無理ない範囲で拾えたらまた宜しくね」
    うん。かなりいい収入源になったな。魔石はあんまり売りたくないレベルになってきてるから、こういう所で稼げるのは嬉しい。

    喜んで貰えるなら、それなりに納品しようかな。今まで捨ててたけど、こんなに高く買い取ってくれるなんて。
    東京で遊びたいもんね。萌え萌えキュンなメイドさんにも会ってみたいし。

    お金かかるな…電車代は半額でも、食べたりするお金はかかるし、東京のアドベンチャーショップにも行ってみたい。

    そんな話を海人君にしたら、東京のどこ?って聞かれた。東京は思っているより広いらしい…ちょっとショックだ。
    海人君も行ければ道案内してくれるって言うけど、そんなに広いなら、道案内は必要かも。というか、1人で行ったら迷子になる未来しか浮かばない。

    ネズミーランドの近くの駅から行けばいいと思ってたけど、実は千葉県で、東京じゃないなんて…でもさすがに、家からバスと電車を使って行くよりは近いよね!

    駅のある隣の市に行くと、方向的には逆になるし、県の中心地まで行くバスは、隣の市に行くより本数が少ないし、凄く時間がかかる。

「時々思うんだよね。ダンジョンもこんな田舎に出来ても餌不足で枯れて終わりなんじゃ?…って。ショップもここじゃ採算取れないんじゃないかと思うよ。ただ父さん達もまだ最終階層には辿り着けてないから、思ってたよりも深さはあるかも」

「そのうち、私とペット達のパーティーが追い越すかもよ?」
「まさか。それよりも、追い付けたら美優ちゃん達のパーティーに入れて欲しい」
「手助けはするよ?でもスキルも積極的に取って、技術も磨いてね。ポーション系も期待してるから」

    今の美優ちゃんには僕は必要ないのかな…ペット達が凄すぎて、役に立てる気がしない。
    淋しいけど、隣に立てるように頑張るしかないんだよな。


    
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~

御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。 異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。 前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。 神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。 朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。 そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。 究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る

拓海のり
ファンタジー
 階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。  頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。  破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。  ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。  タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。 完結しました。ありがとうございました。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...