48 / 77
義母には従うべきかしら?
後編
しおりを挟む
記憶を探って、バルバラが零した呟きを、ヴォルフラムは即座に拾う。自身が王弟本人であると肯定した。
「ええ、そうです。カルシュ伯爵夫人は、フィーネ嬢の元婚約者のお母上、でしたか」
現婚約者だの、元婚約者だの、耳慣れない言葉にバルバラは面食らった。
その戸惑いの矛先を、フィーネに向ける。
「どういうことなの、フィーネさん! あなた、うちのパウルと婚約していながら、浮気をしているの? 二重婚約なんて、許されざる大罪よ」
ようやくフィーネが口を開いた。疲れたように、溜め息をつく。
二重婚約などするはずもない。発想が貧困すぎる。
「はぁ……、カルシュ夫人。何もご存じないのですか? 私とパウル様の婚約は、すでに取り消されていますわ」
「は?! どういうこと?」
「過日、パウル様から婚約破棄されまして、婚約はなかったことになりました」
バルバラにとっては初耳だったのだろう。驚きに目を見開いたまま止まっていたが、すぐに唾をのみ下し、口の端を吊り上げて、言葉を続けた。
「そ、そうね、あなたのように劣ったお嬢さんでは、息子だって愛想を尽かして当然ね。王女様こそがあの子に相応しい──」
「パウル様の新しいお相手は、アガーテという町娘らしいです。パン屋の次女だとか」
「な、っ?! パン、屋?」
「街歩きで偶然出会い、以来交際を重ね、めでたく恋人同士になったそうです。詳しくは存じませんが」
パウルは男友達と市井へ繰り出すのが好きだった。彼が遊ぶ居酒屋に、パンを納品しに来たアガーテと出会ったのは"偶然"という名の"運命"。
──を演出した、フィーネの"計略"。
あえてフラれる形を取ったのは、そのほうが"父が報復に燃えるだろう"と判断したから。
フィーネからパウルを切ると、「貴族娘の勝手は許さん」と叱られかねない。自分が多少恥をかいても、パウルを動かした方が話が進む。
パウルは、小柄でミルクティーブラウンの髪色の少女が好きだ。
自身が母親譲りの茶髪なので、豪奢な金髪を持つフィーネには気後れするらしい。引け目を虚勢で誤魔化す点は、母親とよく似ていた。
「まさか平民の娘と恋仲に? そんな馬鹿な。到底身分が釣り合わないわ」
バルバラが戦慄く。かつて自分が言われ続けたことを、彼女は平然と口にした。
フィーネが淡々と補足する。
「パウル様は、"父のように自分も真実の愛の相手と結ばれるんだ"と主張されてましたよ。彼は婚約破棄を叫びましたが、わたくしの瑕疵になるので、我が家の力で表向きを"婚約解消"としました。ですが、父はこの裏切りに大層激怒しておりまして、莫大な違約金と慰謝料を伯爵家に請求しております。……カルシュ家の女主人であられるのに、知らされていなかったのですか?」
「な……、な……」
知らない、そんなことは一言も聞いていない。
屋敷に戻る前、休憩に立ち寄った店で、まさかそんな重要な話を聞くことになるなんて。
震えるバルバラに、ヴォルフラムが駄目押した。
「理解されたならお引きなさい、カルシュ伯爵夫人。あなたが話しているフィーネ嬢は、侯爵家のご令嬢。分をわきまえるべき相手ですよ」
店内のひそひそ声に見送られ、従者に支えられるようにして、バルバラは蹌踉けながら店を出た。帰宅した後には、嵐の渦中にある伯爵家で、また叫び倒すことになるだろう。
正直、かの家は存続の危機ともいうべき状況にあるのだ。今回のことで、財産の大半を失う。
平民との婚姻を望むパウルは除籍確定。しかし後継ぎは他にいない。
他家から養子をとるにしても、二代続けて評判ガタ落ちの伯爵家に、我が子を提供する貴族がいるかどうか。カルシュ家と関わるだけで、社交界から弾かれるのは目に見えているのに。
末はおそらく、爵位と領地を国に返納する結果になることだろう。
フィーネとヴォルフラムが目を合わせる。
「ふぅ──っ。こう申し上げては何ですけど、カルシュ夫人とは良好な関係を築けそうになかったので、ご縁がなくなりホッとしました」
「聞きしに勝る態度でしたね。フィーネ嬢、さぞかし苦労されたことでしょう」
「過去のこととして、忘れますわ。これからはヴォルフラム様に相応しい女性となれるよう、一層励んでまいります。わたくしにとって、実りのある努力ですもの」
「では私もさらに頑張らなくては。こんなにも完璧で、魅力的なフィーネ嬢が妻となってくださるのですから」
ヴォルフラムが微笑むと、フィーネがポッと頬を染めた。
「でも驚きました。あなたから"業務提携して欲しい"と、ご提案を持ち込まれた時には」
「あっ、あれは……。厚かましく、はしたない振る舞いをしてしまったと反省しています」
パウルと破談すれば、年齢的に次の縁談が来ないことも覚悟した。「ひとりでも生きれるように」と事業を立ち上げたフィーネは、幼い頃に慕った"お兄さま"に話を持ち掛けた。
心ひそかにずっと憧れていた、初恋の男性。
母方の親戚にあたる相手だが、身分は王弟だったため、突然の面会に快く応じて貰えただけでも奇跡なのに。
まさか提案を受け入れて貰えるなんて。
そこからトントンと話が進み、フィーネがフリーになった途端、婚約を申し込まれるとは、予想もしてない展開だった。
夢のような申し出に、フィーネは感激した。
父、バルクホルン侯爵も良縁を歓迎し、新しい婚約はすぐに成立した。
「はしたないだなんて、とんでもない。あなたの勇気に、とても感謝しています。おかげで私は、"愛する人が隣にいる幸せ"を知ることが出来ました。それにご提案は、実に素晴らしかった。我が領の売り筋商品であるリヴァの実のオイル。その採油後の実を、家畜の飼料に回せば肉の臭みが消えるなど、思いもしませんでした。これまで廃棄していた絞りかすを、バルクホルン侯爵家で買い取って貰えるとは」
リヴァの実を絞って油になるのは、ほんの一割。九割は"かす"として廃棄するしかなかった。
そのかすを、フィーネは家畜の餌に転用したのである。出荷前の少しの期間、給与するだけで劇的に肉の旨みが変わる。
「こちらこそ安くお譲りいただけて、助かっております。バルクホルン領は今期の災害で、家畜の飼料も不足しましたから……。薫り高いリヴァを飼料に転用出来ればと思いついたのです。リヴァを食べた家畜の肉や加工品は高値で取引きされ、災害の損害を早く埋めることが出来そうです。殿下のお力添えを賜り、父も大喜びですわ」
フィーネが華やかな笑みを咲かせる。
バルクホルン侯爵領は、畜産で名を馳せた土地だった。
災害の影響は大きかったが、生産品に付加価値をつけたことで、新たなブランドを誕生させるに至った。
評判は上々。新しい主力商品として、注目されている。
「幸運の女神を自ら手放してしまったカルシュ伯爵家は、深く悔いていることでしょう」
ヴォルフラムが言うと、フィーネは首を傾げた。
「さあ、どうでしょうか。カルシュ夫人はじめ、あの家の方たちは、私が意見を述べることを良しとしませんでしたから」
(気づかないまま、突如訪れた不幸を嘆くだけではないかしら)
だがもう、フィーネには関係のない話だ。
視野の狭い、かりそめの姑との縁は切れた。ずっと婚約者に向き合わなかった、パウルとも。
大勢の人々に祝福され、フィーネは翌年、王弟ヴォルフラム・クヴァントのもとに嫁ぐ。
リヴァの実のかすは、後に堆肥としての利用も開始され……、クヴァント領とバルクホルン領は"豊穣の地"として、広く世間に知られることになったが。
カルシュ家の面々がフィーネの活躍を知ったのは、伯爵家没落後の話である。
「ええ、そうです。カルシュ伯爵夫人は、フィーネ嬢の元婚約者のお母上、でしたか」
現婚約者だの、元婚約者だの、耳慣れない言葉にバルバラは面食らった。
その戸惑いの矛先を、フィーネに向ける。
「どういうことなの、フィーネさん! あなた、うちのパウルと婚約していながら、浮気をしているの? 二重婚約なんて、許されざる大罪よ」
ようやくフィーネが口を開いた。疲れたように、溜め息をつく。
二重婚約などするはずもない。発想が貧困すぎる。
「はぁ……、カルシュ夫人。何もご存じないのですか? 私とパウル様の婚約は、すでに取り消されていますわ」
「は?! どういうこと?」
「過日、パウル様から婚約破棄されまして、婚約はなかったことになりました」
バルバラにとっては初耳だったのだろう。驚きに目を見開いたまま止まっていたが、すぐに唾をのみ下し、口の端を吊り上げて、言葉を続けた。
「そ、そうね、あなたのように劣ったお嬢さんでは、息子だって愛想を尽かして当然ね。王女様こそがあの子に相応しい──」
「パウル様の新しいお相手は、アガーテという町娘らしいです。パン屋の次女だとか」
「な、っ?! パン、屋?」
「街歩きで偶然出会い、以来交際を重ね、めでたく恋人同士になったそうです。詳しくは存じませんが」
パウルは男友達と市井へ繰り出すのが好きだった。彼が遊ぶ居酒屋に、パンを納品しに来たアガーテと出会ったのは"偶然"という名の"運命"。
──を演出した、フィーネの"計略"。
あえてフラれる形を取ったのは、そのほうが"父が報復に燃えるだろう"と判断したから。
フィーネからパウルを切ると、「貴族娘の勝手は許さん」と叱られかねない。自分が多少恥をかいても、パウルを動かした方が話が進む。
パウルは、小柄でミルクティーブラウンの髪色の少女が好きだ。
自身が母親譲りの茶髪なので、豪奢な金髪を持つフィーネには気後れするらしい。引け目を虚勢で誤魔化す点は、母親とよく似ていた。
「まさか平民の娘と恋仲に? そんな馬鹿な。到底身分が釣り合わないわ」
バルバラが戦慄く。かつて自分が言われ続けたことを、彼女は平然と口にした。
フィーネが淡々と補足する。
「パウル様は、"父のように自分も真実の愛の相手と結ばれるんだ"と主張されてましたよ。彼は婚約破棄を叫びましたが、わたくしの瑕疵になるので、我が家の力で表向きを"婚約解消"としました。ですが、父はこの裏切りに大層激怒しておりまして、莫大な違約金と慰謝料を伯爵家に請求しております。……カルシュ家の女主人であられるのに、知らされていなかったのですか?」
「な……、な……」
知らない、そんなことは一言も聞いていない。
屋敷に戻る前、休憩に立ち寄った店で、まさかそんな重要な話を聞くことになるなんて。
震えるバルバラに、ヴォルフラムが駄目押した。
「理解されたならお引きなさい、カルシュ伯爵夫人。あなたが話しているフィーネ嬢は、侯爵家のご令嬢。分をわきまえるべき相手ですよ」
店内のひそひそ声に見送られ、従者に支えられるようにして、バルバラは蹌踉けながら店を出た。帰宅した後には、嵐の渦中にある伯爵家で、また叫び倒すことになるだろう。
正直、かの家は存続の危機ともいうべき状況にあるのだ。今回のことで、財産の大半を失う。
平民との婚姻を望むパウルは除籍確定。しかし後継ぎは他にいない。
他家から養子をとるにしても、二代続けて評判ガタ落ちの伯爵家に、我が子を提供する貴族がいるかどうか。カルシュ家と関わるだけで、社交界から弾かれるのは目に見えているのに。
末はおそらく、爵位と領地を国に返納する結果になることだろう。
フィーネとヴォルフラムが目を合わせる。
「ふぅ──っ。こう申し上げては何ですけど、カルシュ夫人とは良好な関係を築けそうになかったので、ご縁がなくなりホッとしました」
「聞きしに勝る態度でしたね。フィーネ嬢、さぞかし苦労されたことでしょう」
「過去のこととして、忘れますわ。これからはヴォルフラム様に相応しい女性となれるよう、一層励んでまいります。わたくしにとって、実りのある努力ですもの」
「では私もさらに頑張らなくては。こんなにも完璧で、魅力的なフィーネ嬢が妻となってくださるのですから」
ヴォルフラムが微笑むと、フィーネがポッと頬を染めた。
「でも驚きました。あなたから"業務提携して欲しい"と、ご提案を持ち込まれた時には」
「あっ、あれは……。厚かましく、はしたない振る舞いをしてしまったと反省しています」
パウルと破談すれば、年齢的に次の縁談が来ないことも覚悟した。「ひとりでも生きれるように」と事業を立ち上げたフィーネは、幼い頃に慕った"お兄さま"に話を持ち掛けた。
心ひそかにずっと憧れていた、初恋の男性。
母方の親戚にあたる相手だが、身分は王弟だったため、突然の面会に快く応じて貰えただけでも奇跡なのに。
まさか提案を受け入れて貰えるなんて。
そこからトントンと話が進み、フィーネがフリーになった途端、婚約を申し込まれるとは、予想もしてない展開だった。
夢のような申し出に、フィーネは感激した。
父、バルクホルン侯爵も良縁を歓迎し、新しい婚約はすぐに成立した。
「はしたないだなんて、とんでもない。あなたの勇気に、とても感謝しています。おかげで私は、"愛する人が隣にいる幸せ"を知ることが出来ました。それにご提案は、実に素晴らしかった。我が領の売り筋商品であるリヴァの実のオイル。その採油後の実を、家畜の飼料に回せば肉の臭みが消えるなど、思いもしませんでした。これまで廃棄していた絞りかすを、バルクホルン侯爵家で買い取って貰えるとは」
リヴァの実を絞って油になるのは、ほんの一割。九割は"かす"として廃棄するしかなかった。
そのかすを、フィーネは家畜の餌に転用したのである。出荷前の少しの期間、給与するだけで劇的に肉の旨みが変わる。
「こちらこそ安くお譲りいただけて、助かっております。バルクホルン領は今期の災害で、家畜の飼料も不足しましたから……。薫り高いリヴァを飼料に転用出来ればと思いついたのです。リヴァを食べた家畜の肉や加工品は高値で取引きされ、災害の損害を早く埋めることが出来そうです。殿下のお力添えを賜り、父も大喜びですわ」
フィーネが華やかな笑みを咲かせる。
バルクホルン侯爵領は、畜産で名を馳せた土地だった。
災害の影響は大きかったが、生産品に付加価値をつけたことで、新たなブランドを誕生させるに至った。
評判は上々。新しい主力商品として、注目されている。
「幸運の女神を自ら手放してしまったカルシュ伯爵家は、深く悔いていることでしょう」
ヴォルフラムが言うと、フィーネは首を傾げた。
「さあ、どうでしょうか。カルシュ夫人はじめ、あの家の方たちは、私が意見を述べることを良しとしませんでしたから」
(気づかないまま、突如訪れた不幸を嘆くだけではないかしら)
だがもう、フィーネには関係のない話だ。
視野の狭い、かりそめの姑との縁は切れた。ずっと婚約者に向き合わなかった、パウルとも。
大勢の人々に祝福され、フィーネは翌年、王弟ヴォルフラム・クヴァントのもとに嫁ぐ。
リヴァの実のかすは、後に堆肥としての利用も開始され……、クヴァント領とバルクホルン領は"豊穣の地"として、広く世間に知られることになったが。
カルシュ家の面々がフィーネの活躍を知ったのは、伯爵家没落後の話である。
492
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
【完結】見返りは、当然求めますわ
楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。
この国では、王太子が10歳の時に婚約者が二人選ばれ、そのうちの一人が正妃に、もう一人が側妃に決められるという時代錯誤の古いしきたりがある。その伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかしーー
「私の正妃は、アンナに決めたんだ。だから、これからは君たちに側妃の座を争ってほしい」
微笑ながら見つめ合う王太子と子爵令嬢。
正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる