8 / 19
8.残された皇帝➁
「お前の価値など、皇帝の子を儲けない限り無いに等しいんだからな!」
暴言が、聞こえた。
(くっ、酷い言い草だ)
実家でもこうして、エリザを罵っていたのか。
「ずいぶんな言葉が聞こえたようだが」
声に静かな圧を乗せ、皇妃の部屋に入った。
ベルントは俺の義兄にあたるが、公爵子息。
身分では、圧倒的に皇帝である俺が上だ。
俺の登場に、慌ててベルントがソファから腰を上げる。
"皇妃"としての妹を立て、一応は下座に座していたようだが、態度が皇妃に接するそれではなさすぎる。
(夫である皇帝も侮辱したことになるとわかって……ないだろうな、こいつは)
俺の視線に、ベルントは頭を下げた。
「これは、陛下。"ずいぶん"など……。"妻としての務めを果たせ"と説いていたところです」
「要らぬ気遣いだ。夫婦のことに口を出すな」
エリザが傷ついてないかと彼女の表情を探ると、完璧な笑みを見せている。
だが、これは。
俺が彼女に論破されまくる時の空気と、とても良く似ている。
(確実に怒ってるな。ベルントは気づかないのか。ヤツが鈍いのか、それともエリザが怒ったところで歯牙にもかけないということか?)
おそらく両方だろう。
エリザは家族に対して自分を見せない。
自分を見せることを諦めているのは、長年抑圧されて過ごしたためだろう。
エリザを軽く扱ったリーネル家が腹立たしい。
「俺にも茶を貰おうか」
エリザの横に腰掛けると、「はい」と頷いた彼女が軽く手をあげ、控える侍女に指示を出す。
エリザは人前では皇妃としての威厳を保ち、自ら茶を淹れることはしない。
つまりエリザが淹れた茶を飲めるのは、俺だけだ。
優越感に浸りながら、侍女の出したカップを口に運ぶと、ベルントが話を振って来た。
「そうだ、陛下。反逆を企てたメクレン領を解体されたそうですね! メクレン領の兵たちがあぶれているようですが、リーネル家で預かりましょうか?」
(またこいつは、唐突に何を言い出すんだ)
皇家への報告なしに、規定以上の私兵と傭兵を雇い入れた辺境領。
そのメクレン領が隣国シルムと繋がり、叛意を見せたことから、解体したのは最近のこと。現地には新しい領主が就任したが、余剰兵力をそのまま野に放つわけにもいかず、皇家預かりとしている。持て余していたその兵を寄越せと、ベルントが言い出したところで。
「──メクレン家が保有していた兵は数が多い。雇うにしても、食費や給金が大変だろう。皇家でも悩ましい予算を、リーネル家が賄うと?」
「いえいえ、そこは国の予算でみてください。こちらで人員管理を引き受けるのですから」
(馬鹿なのか?)
どうして人件費こちら持ちで、兵力だけ預ける皇帝がいる。
しかもメクレン領で、どんな思想を吹き込まれたかわからない兵たちだ。危険極まりない一団を、まとめて譲り渡すはずがないだろう。
「そうか。だが、リーネル家だけに背負わせるのはしのびないからな。──他に何か案は?」
「あ、その、と、特には……。わ、我が家はいつでも受け入れますので、良ければご検討ください」
冷ややかな俺の空気をようやく感じとったベルントは、口ごもるように何かモニョモニョと言っていたが。やがて。「それでは、これで失礼します」
そそくさと退室していった。
なんだか無駄に疲れた気がする。
「ベルント殿はいつもああなのか」
エリザの青い目を見る。
「……俺が子を作らないと言ったから、あなたに辛い思いをさせているようだ」
最近彼女は、しっかりとした食事に身体が出来てきたように思う。
もとより艶やかだった髪は一層煌めき、肌も健康的に光って、瞳は生き生きと力強い。
(この調子で栄養を行きわたらせていけば、もしかして子を産める未来もあるか……?)
まだまだ油断は出来ないが、しかし。
「あなたが望むなら──」
「大丈夫ですわ、契約は守ります」
俺の言葉に被せるように、エリザはきっぱりと言った。
「子どもは授かりものですので、いくら実家が言ってきたとしても、突っぱねることは出来ます。陛下のお気を揉ませるようなことは致しませんので、ご安心ください」
「…………」
(まだ、誤解させたままだ)
当然だ。弁明もしていないのだから。
意気地のない自分を叱りたくなる。
が、どうにも彼女の前では、自分が自分でなくなってしまうようだ。
彼女の反応が怖い。これ以上嫌われたらと、怖気づいてしまう。
戦場では一度も湧き出ることのなかった不思議な恐怖に戸惑いながらも、彼女と一緒にいられる時間をとても心地よく、愛しく感じる。
この相反した気持ちが何なのか。
「お茶が冷めたな」
「淹れ直しましょう」
エリザは侍女を下がらせると、当然のように自ら席を立って茶を淹れ始める。
少し伏せられた瞳にかかる長いまつげ。流れる銀の髪が白い胸元を飾り、清らかな手元では流麗な指が優雅に動く。
(ずっと見ていたくなる……)
「先ほどの話、あなたならどうする? メクレン兵の話だ。皇妃としての考えを聞いてみたい」
ふと、ベルントとの話題をエリザに向ける。
皇家が持て余す、反乱のために集められた兵士たち。
少し思案する素振りを見せてから、エリザが口を開いた。
「まだ反抗心がある兵力は、分けておくべきです。各領に分散し、領主たちに管理を委ねてはいかがでしょうか? 給金もその地の領主持ちで」
「ほう? 給金を自腹で負担してまで、領主たちが引き受けるか?」
「メリットがございますれば。管理を持ち掛けるのは、大街道に沿った領主たちです」
各領を跨いだ大街道は、帝国の流通を発展させるために先々代が作った道だったが、整備も甘く野盗が出現して、いまいち機能していなかった。
エリザは兵たちに、その街道を利用する商隊の護衛をさせてはと言う。
安全に交易できると保証されれば、往来が盛んになり、各地の人の出入りが活性化する。大街道本来の効果が発揮されれば、国も人もにぎわう。
自領の発展に繋がるため領主も納得するだろうし、兵たちがいずれ家庭を持ち、各地で馴染む頃には、危険な思想も薄れているのではないかと、彼女は言った。
舌を巻くようなアイディアだった。
(──リーネル公爵は、後継者選びを間違えたな)
空気も読めない公子を家に残して、才気溢れる公女を俺に差し出した。
「あなたの案、検討してみよう」
「光栄です」
(初夜の件はいつか謝ろう──)
俺は茶の香気の中、頷いた。
しかし。頭の痛い問題が解決していないまま。
媚薬を飲んでしまった俺は、エリザの部屋に押し掛けるという更なる失態を犯してしまった。
身体からどうにも抜けない媚薬に心を刺激され、気がついたらエリザのもとに向かってしまったのだ。
こんなはずじゃなかった。
寝所の許しは、いかに彼女を大切に思っているかを伝えた後、得るつもりだったのに。
完全に順序を間違えた俺を、エリザは咎めなかった。
俺が夫で皇帝だから?
いや、彼女には契約を主張する権利がある。
だけど契約に触れなかったということは、俺と彼女の未来に望みがあるという解釈をしても大丈夫、なのだろうか?
ぎこちなく過ごしていた最中、同盟国からの援軍要請。
皇太子時代、戦場で助けられた相手国だけに、兵だけ派遣で済ませるわけにもいかず、皇帝親征で出陣して、帰還を果たすと。
エリザが、消えていた。
(やはり俺に愛想を尽かしていたのか──)
絶望を感じる。だが、それとは別に。
リーネル公爵家の娘である以上、リーネル派から命を狙われる心配はないが、対抗家門の思惑もある。
皇宮から出たら、どんな危険や事故に巻き込まれるか、予想もつかない。
「探すな」という手紙はあったが、彼女の行方を確かめ、まずは安全を確保しなければ。
その一方で。
エリザからの手紙に記されていた内容。
ーーーーーーーーー
せめてものお詫びとして、少しでも陛下の助けとなりますよう、下記のことをお伝えいたします
ーーーーーーーーー
彼女はリーネル家の黒い部分と、かの家を突き崩すための綻びを用意してくれていた。
「陛下。リーネル家の家令を、秘密裏に呼び出しました」
「会おう」
エリザの実家で、エリザにあてられるべき予算を横領していた家令。その家令の弱みをついて、持ち出させるべき資料まで、手紙に明記されてあった。
ーーーーーーーーー
どうぞリーネル公爵家を抑え、貴族派を制されますように
陛下の御代に、輝かしい栄光があらんことをお祈りしております
ーーーーーーーーー
手紙はそう結ばれていたが。
──エリザ、必ずあなたを探し出す。
あなたには迷惑かも知れないが、どうか初夜に傷つけてしまったことを謝らせて欲しい。
媚薬で無礼を働いてしまった件も。
そのうえで許して貰えるなら、少しでいい。俺の気持ちに、耳を傾けて欲しい。
ようやく気付いた。
あなたを前にすると勇気がなくなる、この気持ちが"愛する"という感情なのだと。
俺には、あなた以外の皇妃は考えられないんだ──。
暴言が、聞こえた。
(くっ、酷い言い草だ)
実家でもこうして、エリザを罵っていたのか。
「ずいぶんな言葉が聞こえたようだが」
声に静かな圧を乗せ、皇妃の部屋に入った。
ベルントは俺の義兄にあたるが、公爵子息。
身分では、圧倒的に皇帝である俺が上だ。
俺の登場に、慌ててベルントがソファから腰を上げる。
"皇妃"としての妹を立て、一応は下座に座していたようだが、態度が皇妃に接するそれではなさすぎる。
(夫である皇帝も侮辱したことになるとわかって……ないだろうな、こいつは)
俺の視線に、ベルントは頭を下げた。
「これは、陛下。"ずいぶん"など……。"妻としての務めを果たせ"と説いていたところです」
「要らぬ気遣いだ。夫婦のことに口を出すな」
エリザが傷ついてないかと彼女の表情を探ると、完璧な笑みを見せている。
だが、これは。
俺が彼女に論破されまくる時の空気と、とても良く似ている。
(確実に怒ってるな。ベルントは気づかないのか。ヤツが鈍いのか、それともエリザが怒ったところで歯牙にもかけないということか?)
おそらく両方だろう。
エリザは家族に対して自分を見せない。
自分を見せることを諦めているのは、長年抑圧されて過ごしたためだろう。
エリザを軽く扱ったリーネル家が腹立たしい。
「俺にも茶を貰おうか」
エリザの横に腰掛けると、「はい」と頷いた彼女が軽く手をあげ、控える侍女に指示を出す。
エリザは人前では皇妃としての威厳を保ち、自ら茶を淹れることはしない。
つまりエリザが淹れた茶を飲めるのは、俺だけだ。
優越感に浸りながら、侍女の出したカップを口に運ぶと、ベルントが話を振って来た。
「そうだ、陛下。反逆を企てたメクレン領を解体されたそうですね! メクレン領の兵たちがあぶれているようですが、リーネル家で預かりましょうか?」
(またこいつは、唐突に何を言い出すんだ)
皇家への報告なしに、規定以上の私兵と傭兵を雇い入れた辺境領。
そのメクレン領が隣国シルムと繋がり、叛意を見せたことから、解体したのは最近のこと。現地には新しい領主が就任したが、余剰兵力をそのまま野に放つわけにもいかず、皇家預かりとしている。持て余していたその兵を寄越せと、ベルントが言い出したところで。
「──メクレン家が保有していた兵は数が多い。雇うにしても、食費や給金が大変だろう。皇家でも悩ましい予算を、リーネル家が賄うと?」
「いえいえ、そこは国の予算でみてください。こちらで人員管理を引き受けるのですから」
(馬鹿なのか?)
どうして人件費こちら持ちで、兵力だけ預ける皇帝がいる。
しかもメクレン領で、どんな思想を吹き込まれたかわからない兵たちだ。危険極まりない一団を、まとめて譲り渡すはずがないだろう。
「そうか。だが、リーネル家だけに背負わせるのはしのびないからな。──他に何か案は?」
「あ、その、と、特には……。わ、我が家はいつでも受け入れますので、良ければご検討ください」
冷ややかな俺の空気をようやく感じとったベルントは、口ごもるように何かモニョモニョと言っていたが。やがて。「それでは、これで失礼します」
そそくさと退室していった。
なんだか無駄に疲れた気がする。
「ベルント殿はいつもああなのか」
エリザの青い目を見る。
「……俺が子を作らないと言ったから、あなたに辛い思いをさせているようだ」
最近彼女は、しっかりとした食事に身体が出来てきたように思う。
もとより艶やかだった髪は一層煌めき、肌も健康的に光って、瞳は生き生きと力強い。
(この調子で栄養を行きわたらせていけば、もしかして子を産める未来もあるか……?)
まだまだ油断は出来ないが、しかし。
「あなたが望むなら──」
「大丈夫ですわ、契約は守ります」
俺の言葉に被せるように、エリザはきっぱりと言った。
「子どもは授かりものですので、いくら実家が言ってきたとしても、突っぱねることは出来ます。陛下のお気を揉ませるようなことは致しませんので、ご安心ください」
「…………」
(まだ、誤解させたままだ)
当然だ。弁明もしていないのだから。
意気地のない自分を叱りたくなる。
が、どうにも彼女の前では、自分が自分でなくなってしまうようだ。
彼女の反応が怖い。これ以上嫌われたらと、怖気づいてしまう。
戦場では一度も湧き出ることのなかった不思議な恐怖に戸惑いながらも、彼女と一緒にいられる時間をとても心地よく、愛しく感じる。
この相反した気持ちが何なのか。
「お茶が冷めたな」
「淹れ直しましょう」
エリザは侍女を下がらせると、当然のように自ら席を立って茶を淹れ始める。
少し伏せられた瞳にかかる長いまつげ。流れる銀の髪が白い胸元を飾り、清らかな手元では流麗な指が優雅に動く。
(ずっと見ていたくなる……)
「先ほどの話、あなたならどうする? メクレン兵の話だ。皇妃としての考えを聞いてみたい」
ふと、ベルントとの話題をエリザに向ける。
皇家が持て余す、反乱のために集められた兵士たち。
少し思案する素振りを見せてから、エリザが口を開いた。
「まだ反抗心がある兵力は、分けておくべきです。各領に分散し、領主たちに管理を委ねてはいかがでしょうか? 給金もその地の領主持ちで」
「ほう? 給金を自腹で負担してまで、領主たちが引き受けるか?」
「メリットがございますれば。管理を持ち掛けるのは、大街道に沿った領主たちです」
各領を跨いだ大街道は、帝国の流通を発展させるために先々代が作った道だったが、整備も甘く野盗が出現して、いまいち機能していなかった。
エリザは兵たちに、その街道を利用する商隊の護衛をさせてはと言う。
安全に交易できると保証されれば、往来が盛んになり、各地の人の出入りが活性化する。大街道本来の効果が発揮されれば、国も人もにぎわう。
自領の発展に繋がるため領主も納得するだろうし、兵たちがいずれ家庭を持ち、各地で馴染む頃には、危険な思想も薄れているのではないかと、彼女は言った。
舌を巻くようなアイディアだった。
(──リーネル公爵は、後継者選びを間違えたな)
空気も読めない公子を家に残して、才気溢れる公女を俺に差し出した。
「あなたの案、検討してみよう」
「光栄です」
(初夜の件はいつか謝ろう──)
俺は茶の香気の中、頷いた。
しかし。頭の痛い問題が解決していないまま。
媚薬を飲んでしまった俺は、エリザの部屋に押し掛けるという更なる失態を犯してしまった。
身体からどうにも抜けない媚薬に心を刺激され、気がついたらエリザのもとに向かってしまったのだ。
こんなはずじゃなかった。
寝所の許しは、いかに彼女を大切に思っているかを伝えた後、得るつもりだったのに。
完全に順序を間違えた俺を、エリザは咎めなかった。
俺が夫で皇帝だから?
いや、彼女には契約を主張する権利がある。
だけど契約に触れなかったということは、俺と彼女の未来に望みがあるという解釈をしても大丈夫、なのだろうか?
ぎこちなく過ごしていた最中、同盟国からの援軍要請。
皇太子時代、戦場で助けられた相手国だけに、兵だけ派遣で済ませるわけにもいかず、皇帝親征で出陣して、帰還を果たすと。
エリザが、消えていた。
(やはり俺に愛想を尽かしていたのか──)
絶望を感じる。だが、それとは別に。
リーネル公爵家の娘である以上、リーネル派から命を狙われる心配はないが、対抗家門の思惑もある。
皇宮から出たら、どんな危険や事故に巻き込まれるか、予想もつかない。
「探すな」という手紙はあったが、彼女の行方を確かめ、まずは安全を確保しなければ。
その一方で。
エリザからの手紙に記されていた内容。
ーーーーーーーーー
せめてものお詫びとして、少しでも陛下の助けとなりますよう、下記のことをお伝えいたします
ーーーーーーーーー
彼女はリーネル家の黒い部分と、かの家を突き崩すための綻びを用意してくれていた。
「陛下。リーネル家の家令を、秘密裏に呼び出しました」
「会おう」
エリザの実家で、エリザにあてられるべき予算を横領していた家令。その家令の弱みをついて、持ち出させるべき資料まで、手紙に明記されてあった。
ーーーーーーーーー
どうぞリーネル公爵家を抑え、貴族派を制されますように
陛下の御代に、輝かしい栄光があらんことをお祈りしております
ーーーーーーーーー
手紙はそう結ばれていたが。
──エリザ、必ずあなたを探し出す。
あなたには迷惑かも知れないが、どうか初夜に傷つけてしまったことを謝らせて欲しい。
媚薬で無礼を働いてしまった件も。
そのうえで許して貰えるなら、少しでいい。俺の気持ちに、耳を傾けて欲しい。
ようやく気付いた。
あなたを前にすると勇気がなくなる、この気持ちが"愛する"という感情なのだと。
俺には、あなた以外の皇妃は考えられないんだ──。
あなたにおすすめの小説
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
離宮に隠されるお妃様
agapē【アガペー】
恋愛
私の妃にならないか?
侯爵令嬢であるローゼリアには、婚約者がいた。第一王子のライモンド。ある日、呼び出しを受け向かった先には、女性を膝に乗せ、仲睦まじい様子のライモンドがいた。
「何故呼ばれたか・・・わかるな?」
「何故・・・理由は存じませんが」
「毎日勉強ばかりしているのに頭が悪いのだな」
ローゼリアはライモンドから婚約破棄を言い渡される。
『私の妃にならないか?妻としての役割は求めない。少しばかり政務を手伝ってくれると助かるが、後は離宮でゆっくり過ごしてくれればいい』
愛し愛される関係。そんな幸せは夢物語と諦め、ローゼリアは離宮に隠されるお妃様となった。
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
愛しているこの想いが届かない
ララ愛
恋愛
大好きな婚約者には愛する人がいるらしい
それを知っても諦められず自分がみじめでもどんなに悲しくても側にいたかった
でも笑いかけてもらえない自分が愛されない自分が限界になった時お別れすることを
決めました