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第1章 異世界転生と魔の森
1-6 団体様入ります!
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「おはようございます。ご主人様」
『おはよーー!』
朝、漆葉とルクスの声によって目を覚ます。出会った当初は俺が抱き着いてモフモフを楽しんでいたが、ヒト型になってからは逆転し、俺にしがみつきながら寝ている。
あと、漆葉の服はなぜかメイド服。魔力で作ったらしいが、ルクスは一体彼女にどんな知識を共有したんだか。まったくけしからん。いいぞもっとやれ。
俺たちが寝泊まりしている環境だが、元々は魔法を覚えたての時に、土魔法によって適当に作った拠点だ。しかし、その後様々な知識をフル活用して、ちょっとお洒落な一戸建てに仕上げている。
露天風呂も完備。壮大な世界樹と幻想的な聖域の空間を楽しみながら、果実でつくったジュースを飲むのが一日の楽しみになっている。
風呂のお湯は俺の水魔法。湯を張る技術が高まりすぎて、3日ほどは冷めない、魔力たっぷり風呂を沸かせることができる。もうその道のプロになってしまおうかとも思ったくらいだ。
「さて……、さっそく訓練始めますか!」
『行くよ!【人形生成】』
特訓の要ともいえる土属性魔法【人形生成】だが、ずっと使ってきたことで練度もかなり上がってきている。それぞれのゴーレムが使ってくる技や魔法も様々、地球の知識の解析によって集団戦術なども学んでいたため、依然とは比較にならないほどに強い。
今回は森の中に2~300体のゴーレムを放った。それを俺と漆葉で対処する、ゲリラ戦方式である。
「来たれ。【黒曜ノ鎌】」
漆葉が俺たちの仲間に加わってもう1年がたった。
漆葉の戦闘能力も格段に上がったうえに、彼女が固有能力持ちであることも発覚した。
漆葉が出した【黒曜ノ鎌】は、その能力の一つであり、漆黒の大鎌を召喚し敵を薙ぎ払い続ける。この力は固有能力【闇魔法】と名付けた。
漆葉がそれを発動した当初、おそらく魔法の一種であると予想したが、俺もルクスも再現することができなかったために、漆葉の固有能力であることがわかったのだ。
メイド服を着用した、華麗な黒髪を携えた美女が大鎌をふるう様子を見るのはもう慣れたが、結構良いと思う。語彙力が無くてすまないね。心の中でサムズアップさせてもらおうか。
「2時方向に5体。漆葉迎撃準備。俺が先手をとる」
「了解しました」
森の奥から、5体のゴーレムがやってくる。前より動きが速くなってるな……。
俺は魔法の発動速度に少し自信があるから間に合うのだが、漆葉には気持ち早めに準備してもらわなくてはいけない。
「【氷鎖縛】、【雷撃弾】」
まずは手前の3体に対して【氷鎖縛】で足止め、これらは漆葉に刈ってもらおう。そして奥の2体に対しては、ルクス十八番の雷属性魔法の一つ、【雷撃弾】を放つ。雷属性魔法は、スピードもあるし、相手の脚を止めるにも役立つ。対人戦でも使えるから汎用性が高い。
まあ、手札を多く持つの重要っていうのが俺の方針だから、全属性満遍なく使おうと心掛けている。
「はああっっ!!」
漆葉の大鎌によって残りのゴーレムが倒される。
「残りはあと何体でしょうか?」
『もう全部倒されちゃったよ。セレーネの遠距離射撃でね』
そう。漆葉に俺が捕縛したゴーレムの処理を任せた直後に、あらかじめ【索敵】によって位置を把握していた全部のゴーレムに対して、風と火の合成魔法【徹甲榴弾】を放っておいた。
これはその名の通り、徹甲榴弾がモチーフとなっており、対象に着弾直後に爆発、そして風の刃が周辺に飛び掛かるという、2段構えの魔法である。
殺傷能力も高いし、俺が撃てる狙撃系の魔法の中でもスピードがかなり速い部類に位置する。個人的には使用頻度の高いお気に入り魔法だ。
もう少し改良して、第四次被害くらいまで出せたら強そうなんだよな……。集団相手の場合は相手を倒すことよりも傷をつけることが重要だと考えているから。まあこれからに期待ってことで。
「相変わらず魔法の速度が尋常ではありませんね、ご主人様……」
「いやいやいや、このレベルならいくらでもいると思うよ。俺もまだまだだ。
魔法を練り上げるときにイメージの生成が遅れたりすることが未だにあるからね。外じゃきっと命取りのラグになる」
そう。この程度で満足してはいけない。おそらく、聖域の外の森に住む魔物はもっと強力だ。たまに中から魔物を見かけることがあるが、そのすべてが強者としての風格を形成していた。油断は禁物だと本当に思う。
俺たちは今の所、ここ周辺でカースト最下位であるのは間違いない。森を抜けて色々なところに旅をするのが俺たちの目的なのだから、こんなところで止まっている暇はない。
『「「ん!?」」』
「ルクス、漆葉。聖域の中に何かが大量に侵入してきてないか……?」
「私もそう感じます、ご主人様」
『数としては……、100はいるな…。
でも魔物って感じじゃないね……』
「何となく、漆葉が初めて聖域に来た時のような……」
間違いなく何者かが侵入してきた。しかも団体さんで。
俺が転生してから3年、聖域に居続けているが、外部からの侵入は漆葉ただ一人である。
この先に侵入者がいるはずだ。
ん?あれは……?
「あれ、もしかしてみんな精霊?」
「だと思います。私がご主人様と契約を交わす前の状態のようです」
『あの子たちも間違いなく同類だね!』
赤、緑、黄色…と様々な色の光の玉がふわふわと浮かんでいる。そして俺を視界にいれたそばから、全員が一気に流れ込んできたっ。
「うわっぷ!!モフモフ地獄だッッ!!」
「大丈夫ですかご主人様!!私が今から全部を焼き払いますので!!」
「ステイ!ステイ!それはやめてあげて!!」
「来たれ…【黒曜ノ鎌】……」
「待って!本当に待って漆葉!何でもするから待って!」
「え、今何でもするって……」
『あはは!!本当に精霊ホイホイじゃん!!』
危なかった。漆葉が暴走するところだった。彼女たまに俺に関して暴走するときがあるから。忠誠心が高いのはいいことだけど俺はヒヤヒヤするよ。
あとルクスははよ俺を助けろ。
とりあえずこの子たちのために、俺の魔力で作ったお風呂を作ろうと思う。漆葉が俺の水魔法の水が大好きだったからね。しかも、元々構想にはあった大浴場の作成である。
入り口から脱衣所、休憩室まで様々楽しめる旅館のようなものを。日本人ならどうしても建てたいよな、とルクスと話していたんだ。あいつにとっても日本の常識が当たり前になっているからな。本当に染まってしまったよ。
風呂はちゃんと男女別である。漆葉からは大不評であったが、俺の家にも露天があるので我慢しておくれ。構成通りの建物を土属性魔法などなどを使って一気に作成。結構な規模だし緻密な魔力操作が必要だ。
俺もだいぶ魔法が上手くなったとしみじみ思う。まあ調子には絶対乗らないけどね。
「とりあえず風呂を作ったぞ!みんな自由に楽しんでくれ!!」
すると、いくつものカラフルな光の玉たちが、一斉に大浴場に駆け込んでいくではないか。しかもちゃんと男女わかれている。一応性別の自覚があるのね。
何体かは俺の身体に一度突撃してから浴場に向かっているが…。
あれは絶対にわざとである。
『なにこのシュールな光景』
「面白いよな。浴場もきっと精霊パラダイスだぞ」
こうして俺たちの仲間が、一気に増えるのであった。
……え、これみんな擬人化するの?
『おはよーー!』
朝、漆葉とルクスの声によって目を覚ます。出会った当初は俺が抱き着いてモフモフを楽しんでいたが、ヒト型になってからは逆転し、俺にしがみつきながら寝ている。
あと、漆葉の服はなぜかメイド服。魔力で作ったらしいが、ルクスは一体彼女にどんな知識を共有したんだか。まったくけしからん。いいぞもっとやれ。
俺たちが寝泊まりしている環境だが、元々は魔法を覚えたての時に、土魔法によって適当に作った拠点だ。しかし、その後様々な知識をフル活用して、ちょっとお洒落な一戸建てに仕上げている。
露天風呂も完備。壮大な世界樹と幻想的な聖域の空間を楽しみながら、果実でつくったジュースを飲むのが一日の楽しみになっている。
風呂のお湯は俺の水魔法。湯を張る技術が高まりすぎて、3日ほどは冷めない、魔力たっぷり風呂を沸かせることができる。もうその道のプロになってしまおうかとも思ったくらいだ。
「さて……、さっそく訓練始めますか!」
『行くよ!【人形生成】』
特訓の要ともいえる土属性魔法【人形生成】だが、ずっと使ってきたことで練度もかなり上がってきている。それぞれのゴーレムが使ってくる技や魔法も様々、地球の知識の解析によって集団戦術なども学んでいたため、依然とは比較にならないほどに強い。
今回は森の中に2~300体のゴーレムを放った。それを俺と漆葉で対処する、ゲリラ戦方式である。
「来たれ。【黒曜ノ鎌】」
漆葉が俺たちの仲間に加わってもう1年がたった。
漆葉の戦闘能力も格段に上がったうえに、彼女が固有能力持ちであることも発覚した。
漆葉が出した【黒曜ノ鎌】は、その能力の一つであり、漆黒の大鎌を召喚し敵を薙ぎ払い続ける。この力は固有能力【闇魔法】と名付けた。
漆葉がそれを発動した当初、おそらく魔法の一種であると予想したが、俺もルクスも再現することができなかったために、漆葉の固有能力であることがわかったのだ。
メイド服を着用した、華麗な黒髪を携えた美女が大鎌をふるう様子を見るのはもう慣れたが、結構良いと思う。語彙力が無くてすまないね。心の中でサムズアップさせてもらおうか。
「2時方向に5体。漆葉迎撃準備。俺が先手をとる」
「了解しました」
森の奥から、5体のゴーレムがやってくる。前より動きが速くなってるな……。
俺は魔法の発動速度に少し自信があるから間に合うのだが、漆葉には気持ち早めに準備してもらわなくてはいけない。
「【氷鎖縛】、【雷撃弾】」
まずは手前の3体に対して【氷鎖縛】で足止め、これらは漆葉に刈ってもらおう。そして奥の2体に対しては、ルクス十八番の雷属性魔法の一つ、【雷撃弾】を放つ。雷属性魔法は、スピードもあるし、相手の脚を止めるにも役立つ。対人戦でも使えるから汎用性が高い。
まあ、手札を多く持つの重要っていうのが俺の方針だから、全属性満遍なく使おうと心掛けている。
「はああっっ!!」
漆葉の大鎌によって残りのゴーレムが倒される。
「残りはあと何体でしょうか?」
『もう全部倒されちゃったよ。セレーネの遠距離射撃でね』
そう。漆葉に俺が捕縛したゴーレムの処理を任せた直後に、あらかじめ【索敵】によって位置を把握していた全部のゴーレムに対して、風と火の合成魔法【徹甲榴弾】を放っておいた。
これはその名の通り、徹甲榴弾がモチーフとなっており、対象に着弾直後に爆発、そして風の刃が周辺に飛び掛かるという、2段構えの魔法である。
殺傷能力も高いし、俺が撃てる狙撃系の魔法の中でもスピードがかなり速い部類に位置する。個人的には使用頻度の高いお気に入り魔法だ。
もう少し改良して、第四次被害くらいまで出せたら強そうなんだよな……。集団相手の場合は相手を倒すことよりも傷をつけることが重要だと考えているから。まあこれからに期待ってことで。
「相変わらず魔法の速度が尋常ではありませんね、ご主人様……」
「いやいやいや、このレベルならいくらでもいると思うよ。俺もまだまだだ。
魔法を練り上げるときにイメージの生成が遅れたりすることが未だにあるからね。外じゃきっと命取りのラグになる」
そう。この程度で満足してはいけない。おそらく、聖域の外の森に住む魔物はもっと強力だ。たまに中から魔物を見かけることがあるが、そのすべてが強者としての風格を形成していた。油断は禁物だと本当に思う。
俺たちは今の所、ここ周辺でカースト最下位であるのは間違いない。森を抜けて色々なところに旅をするのが俺たちの目的なのだから、こんなところで止まっている暇はない。
『「「ん!?」」』
「ルクス、漆葉。聖域の中に何かが大量に侵入してきてないか……?」
「私もそう感じます、ご主人様」
『数としては……、100はいるな…。
でも魔物って感じじゃないね……』
「何となく、漆葉が初めて聖域に来た時のような……」
間違いなく何者かが侵入してきた。しかも団体さんで。
俺が転生してから3年、聖域に居続けているが、外部からの侵入は漆葉ただ一人である。
この先に侵入者がいるはずだ。
ん?あれは……?
「あれ、もしかしてみんな精霊?」
「だと思います。私がご主人様と契約を交わす前の状態のようです」
『あの子たちも間違いなく同類だね!』
赤、緑、黄色…と様々な色の光の玉がふわふわと浮かんでいる。そして俺を視界にいれたそばから、全員が一気に流れ込んできたっ。
「うわっぷ!!モフモフ地獄だッッ!!」
「大丈夫ですかご主人様!!私が今から全部を焼き払いますので!!」
「ステイ!ステイ!それはやめてあげて!!」
「来たれ…【黒曜ノ鎌】……」
「待って!本当に待って漆葉!何でもするから待って!」
「え、今何でもするって……」
『あはは!!本当に精霊ホイホイじゃん!!』
危なかった。漆葉が暴走するところだった。彼女たまに俺に関して暴走するときがあるから。忠誠心が高いのはいいことだけど俺はヒヤヒヤするよ。
あとルクスははよ俺を助けろ。
とりあえずこの子たちのために、俺の魔力で作ったお風呂を作ろうと思う。漆葉が俺の水魔法の水が大好きだったからね。しかも、元々構想にはあった大浴場の作成である。
入り口から脱衣所、休憩室まで様々楽しめる旅館のようなものを。日本人ならどうしても建てたいよな、とルクスと話していたんだ。あいつにとっても日本の常識が当たり前になっているからな。本当に染まってしまったよ。
風呂はちゃんと男女別である。漆葉からは大不評であったが、俺の家にも露天があるので我慢しておくれ。構成通りの建物を土属性魔法などなどを使って一気に作成。結構な規模だし緻密な魔力操作が必要だ。
俺もだいぶ魔法が上手くなったとしみじみ思う。まあ調子には絶対乗らないけどね。
「とりあえず風呂を作ったぞ!みんな自由に楽しんでくれ!!」
すると、いくつものカラフルな光の玉たちが、一斉に大浴場に駆け込んでいくではないか。しかもちゃんと男女わかれている。一応性別の自覚があるのね。
何体かは俺の身体に一度突撃してから浴場に向かっているが…。
あれは絶対にわざとである。
『なにこのシュールな光景』
「面白いよな。浴場もきっと精霊パラダイスだぞ」
こうして俺たちの仲間が、一気に増えるのであった。
……え、これみんな擬人化するの?
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