最低ランクの冒険者〜胃痛案件は何度目ですぞ!?〜

恋音

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ダクア編

第47話 この後胃痛で倒れ伏した

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「あ、朝日ぞ染みる……」
「きっもちわりぃ……」

 徹夜&魔力不足&体調不良で私とペインが死にかけでぐだっと体から力を抜いた。

 子爵邸の中庭をぐっちょりと濡らす水。
 割れた石畳。
 被害は少ないが無いとは言えない器物破損。

 目がとてもチカチカする。
 持ちうる全ての魔力使ってウォーターボール使いまくったから、魔力切れ待ったナシだ。

「お前魔力量中々にバケモノだよな……」
「ペインこそ、良くもまぁ難易度の高き魔法ぞ同時行使可能ですぞね……」

 あまりの気持ち悪さにしゃがみ込んだペイン。
 私は魔力とかで気持ち悪くないけど、徹夜がしんどすぎて気持ち悪い。今すぐ寝たい。魔力不足でダルいし。


 執事だったシュランゲはびしょ濡れの状態で意識を失っている。ソレを私兵団の団長さんと副団長さんが縛っていた。
 自害させないように何かを噛ませている。早いとこ奴隷契約結んだ方がこちら側の情報漏らさないしいいだろう。今度こそ、誰にも殺されないように。

「ラウトぉ……」
「はぁ……」

 ペインが名前を呼べばパーティーメンバーの男の人がため息を吐きながら片手で抱え上げた。

「視界がぐるぐるする……」

 緊張状態が解けたからか本当に気持ち悪そうに体を預けていた。

 ……いいなぁ。

「ライ」
「断る」
「返事が早きぃ!」

 怪我人に対してなんという!
 あっそうだ怪我していたんだった。額が、額がとても痛い。まだ血も止まらないし。
 人間、頭は血液沢山あるんだな。

 優しさの欠けらも無いコンビにぶすくれているとリーヴルさんが頬に手を当てポソッと呟いた。

「私、力持ちの殿方って好みなのよね……」
「おらリィン抱えるぞ」
「手のひらの返す方」

 左手を負傷しているおっさんは、私を片手でポンと軽く投げた後
普通に抱え上げた。
 うっわまじか。おっさん私を片手で転がせれるのか。

「お前軽いな」

 ライアーの肩に頭を凭れかけ、はぁ~と深いため息を吐く。
 とりあえず、依頼は達成した。と、思う。

 謎はまだあるけど、全てに首を突っ込むつもりは無い。

 眠くて眠くて仕方ないから、もうこのまま寝てしまおうか。子爵邸からダクアまで少し距離があるし。


「冒険者諸君」

 そう思っていたら子爵本人が口を開いた。団長さん達が後処理をしているせいからサーチさんが傍で控えている。

「今回はありがとう。正式な依頼に出来ないのが痛い所だが、本当に感謝しているよ」

 そうして、貴族当主が頭を下げた。

 この人……本当にプライドが高いな……。
 普通に考えたら簡単に頭を下げる人ってプライドに低く見えるけど、貴族当主であり私の身分を知っている者として考えれば『国民の功績を否定することなく感謝できる高貴な人』として、私の目に映る。

「執事さん、居なくなるすて、多分大変ですけど」

 アイテムボックスから止血の布を取り出して額に当てる。

「子爵が死なずすてよかった」

 本当に。
 ほんっっとーに。

 シュランゲの狙いが指揮形態や事件処理の混乱を招くことだと分かった今、1番狙われていたのは子爵本人の生命だ。
 頭が潰れれば組織は混乱を起こす。

 家長としてのし上がっていたシュランゲなら、グリーン領を支配することも可能にしただろう。
 恐らく、彼の長年に渡る行為の狙いはそれだ。

 ……スタンピードを起こした理由は分からないけど。

「良ければ子爵邸で泊まっていってくれないか。今回の功績者をその状態で帰すのは、流石に沽券に関わる」

 お言葉に甘えまーす!
 そりゃもう! めっちゃくちゃ甘えます!

 正直すぐ寝たいんだよね!

「ローバスト、彼女達の案内を」
「はっ」
「あ、子爵。全員同じ部屋で良きです。ペイン達もそれで構いませぬ?」

 多分子爵は個室を用意すると思う。私の身分を知ってるから。
 でもバラバラになるのはちょっと避けたいから先に言っておこう。

「いや……別にいいけど……。お前、庶民なのによく言えるよな」

 ペインが驚いた様子で言う。
 まぁ、辺境伯令嬢ですから。護衛も居ない中他領の屋敷に泊まるレディの意見は取り入れるでしょ。


「あ、リィン耳貸せ」

 ペインが眉間を抑えながら私を向いてそう言った。お互い抱えられている状態なので、案内してくれる団長さんを追いながらも運搬係が近寄ってくれる。

 充分内緒話が出来る距離にまで近付くとペインが身を乗り出して顔を近付けた。

「──あの白蛇。嘘ついてたぜ」
「まことに!?」

 一体どこでだ。

 というか、別に疑っていたわけじゃかないけどペインって本当私の視界で見てたんだな。

「お前、スタンピードも盗賊もあいつの仕業かって聞いただろ?」
「うん」

 めちゃくちゃ笑われたやつね。

 ……。
 …………ってまさか!

 私は嘘に気付いて目を見開くとペインが肯定するように頷いた。

「自分が裏工作したって認めてたけど、あいつ嘘ついてた」

 じゃあまさか……まだトリアングロの人間が関わっていた……?

 シュランゲは、もしかして『黒幕』を庇うために自分を売ったんじゃ。

「まぁ、子爵邸に敵がいねぇのは確かだろ」

 言葉を濁して伝えられた言葉。
 『子爵の私兵団の情報を操作したのは間違いなくシュランゲだった』という意味。

 うん、依頼は達成した。


 というか。

「既に起こるしたことぞ追うすても意味無きですか」
「それなんだよな」

 スタンピードを起こすこと、も。
 奴隷盗賊の口封じ、も。

 全て実行された後なんだよ。

 この実行した事柄が実害の前兆とかなら調べたりする気は起きたんだろうけど。全て先を許してしまった状態で、さらに言えば被害を最小限に抑え終わった後なんだよね。

 先手を許したのは腹立つけど。

「なぁリィン。もしかしてなんだが」

 運搬係同士の距離感を普通に戻せば、ライアーが私にだけ聞こえる音量で呟いた。

「今回の黒幕、死んでねェか?」
「え?」
「お前、盗賊の戦利品の中から仮面取り出しただろ」

 そう言われて思い返す。女狐としてスタンピードを止める時使った仮面は確かに盗賊の物だった。

「トリアングロ王国の軍人は全員動物の名前を貰ってるって聞くし。もしかしたらスタンピードを起こしたのが盗賊の中に居た狐で、シュランゲが口封じに殺した。……とか有り得るんじゃねェか?」

 一つだけしかない仮面。確かに可能性は高いかもしれない。

「否定は出来ませぬが肯定も不可能です」
「……そうか」

 少し落胆した様子のライアー。どうやら希望的観測で言ったらしい。
 仮にライアーの言う通りスタンピードを起こしたのがシュランゲではない誰かとして、口封じをしたとする。

 ならあの余裕の態度は少し気になる。
 『起こした後』であるということを考えればおかしくは無いけど。

 あくまでも予想でしか無いから黒幕が死んだと決めつけるのは早計だろう。

「あ゛~……気持ち悪ぃ……」

 ウソを見抜く魔法を使わなくても分かるほど本音がペインの口から零れた。大丈夫? 魂まで零れてない? 生きてる?

「随分疲労しているな?」
「魔法ってそんな疲れるのか……」

 魔法無知ぜんえいしょくが同時に首を傾げた。

「ッッたり前だろ。体力使って剣を振るうのと同じで自分の魔力使って行使してんだからよぉ。それにこちとら視覚と聴覚リンクしてリィンの疑似体験してたんだ。こいつがぐるぐるへっちょこ向くわ後衛にも関わらず速攻攻撃喰らうわで自分の意思で見るのとは違って気持ち悪くて堪んねぇっての」

 本当に死ぬほど気持ち悪くてムカムカしているのか普段被っている小生意気な少年の猫かぶりが剥がれている。

「しかも同時に魔法ぞ使うは死ぬほど魔力食う」
「それな」

 サイコキネシスを使いながら攻撃魔法を使うのって地味に大変だ。落下しながら魔法使ってサイコキネシスで浮かび上がる方が魔力消費は少ない。
 まぁ、怖すぎるからやりたくもないけど。

「でも魔法は大体同時行使も無詠唱も難易度高きという常識ぞあるですから対人戦だと意表を突くが可能なのですよね」
「そこがあるからなぁ。この国は大概の人間が一種類は魔法覚えるから余計に。俺の外見に騙されて舐めてかかる糞共とかさぁ……魔法でぶちのめすとそりゃもう面白くて」

 ケヒヒヒ、と悪魔の様な笑い声を上げながらペインが過去の経験らしきものを漏らしている。

 腕に抱えた悪魔の姿を見下ろしながら、ペインのパーティーメンバーの男……。ラウトさん? がため息を吐き出した。

「見ての通り、こいつは性格が悪い」
「奇遇だな。こっちも性格が悪い」

「否定はしねぇが失敬だなお前。俺、リーダーだぞ」
「ハイハイリーダー。大人しく死んでおけ」

 ペイン達のパーティーって不思議だ。
 リーダーとしてきちんとペインが動くけど、手網を握っているのが誰か分からない。
 対等のようで他よりペインが上に立つ。でもペインは1番立場が弱い、様に見える。

 あぁ、あれだ。
 愛されてるってこう言うことだ。

 全員がペインを愛していて、ペインは全員を信頼している。

 そういえば月組も、メンバー全員がリーダーであるリックさんを捕獲するという目的があって一丸となっていたな。


 チラリ、とライアーを見上げる。

「……ん?」

 私の視線に気付いたのかライアーが私を見て首を傾げた。

 コンビネーションは噛み合わないし性格も噛み合わない。怠惰であることが同じなだけの、どっちがリーダーとか無い完全対等のコンビ。

「ねえライアー」
「……なんだよ」
「これから、どうするです?」

 水でキラキラと輝く視界。戦闘の残骸は朝の光を受けて虹を見せていた。

「お前と組んでるのも悪くはねぇな」

 ライアーはそういった後、小さく呟いた。

「──利用価値があって」
「おいこらおっさん!」

 腕の中で抗議をするとおっさんは鼻を鳴らした。

「だけどお前の思考回路はどうかと思う。シュランゲには激しく同情するわ、俺」

 勝てば官軍です。
 ……今更だけど、勝手に中庭使ったりとか、あまりにも無礼だったな。
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