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10.ギルドでお店を開きました。
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ギルドでの一件から、私は平和な日常を過ごしていた。
パン屋さんで働き、おかみさんの美味しい料理をいただき、休みの日にはクラフトに精を出す。
試してみたら、『効果無し』のイメージでただの棚を作ることができた。鑑定士のヘルハルトさんに見てもらったから間違いない。
そうそう、SPってスキルポイントじゃなくてセイントポイントだったみたい。スキル使用は普通回数制だからスキルポイントというのはないってヘルハルトさんが教えてくれた。じゃあなんだろうと思って、ステータスを見てもらったら、彼の鑑定眼では『聖力』って表示されたらしい。3万もあるのは、聖女だからだろうって。
その後、セイントポイントを使わないよう棚やテーブル、椅子、ソファに小物入れなんかも作って、ギルドの貸しスペースに見栄え良く並べられる程度品物が充実したので、ついにお店を開くことになった。
「開店おめでとう!」
「ありがとうございます。リャラスさんっ」
いったんギルドの奥の部屋に通してもらって、そこでアイテムボックスから家具を取り出す。そしてそれを、ギルドの入口脇にあるスペースへ運んでセッティングしていく。
「すごいっ! すてきな家具ばかりね!」
「へへ、ありがとうございます。力作です!」
前に作ったカラーボックスも組み合わせられるよう何種類かあるし、小物を置くテーブルやダイニングテーブル、木の椅子、革張りの椅子、回転スツール、収納ソファにふかふかソファ、宝石箱や鏡台もある。
「ちょっと張り切りすぎました。」
「どれもとてもすてきよ。お客さんの反応、楽しみね!」
「はいっ」
準備ができたので、開店の合図を出す。
事前に、パン屋さんのお客さんには宣伝していたので、みんな見にきてくれた。主婦の皆さんは細工箱とかの小物を買ってくれた。サラヤおばあちゃんは、座り心地が気に入ったっていってロッキングチェアを買ってくれたので、あとで配達する約束をした。
「楽しみねえ。ありがとう。」
「こちらこそありがとうございます!」
サイラスさんは、街の警備課の人たちを誘って来てくれた。紹介された警備隊長(警備課長)さんは、とっても優しそうなにこにこしたおじさまで、気さくに話しかけてくれる。
「君がヨリコさんか。サイラスによく話を聞くよ。」
「あはは。失敗談ばかりじゃないといいんですけど。」
「そんなことないよ。よく働く笑顔のかわ――」
「隊長っ!」
「へ?」
急にフレームINしてきたサイラスさんに遮られて、警備隊長さんの言葉はかき消された。
「ヨリコ。」
「ジークさん!」
「開店おめでとう。」
「ありがとうございます!」
サイラスさんが警備隊長さんの口を押さえてもごもごやっているところに、ジークさんが来た。実はジークさんは、休日にちょくちょく部屋に来てクラフトの様子を見学していた。
「これ、お祝い。」
「わあ、きれいな花籠! ありがとうございます!」
「うん。」
とてもきれいで立派な花籠をくれたので、家具の展示とあわせて見えるように置かせてもらった。
「ああいうところだぞ、サイラス。モテる男ってのは。」
「うっ……、花、か。」
モテる男、ジークさんのことだよね? 確かに。
開店祝いに花持参。モテるポイントだわ。
「改めて見てもどれもすできだね。私の部屋はあまり物がないから、たくさん買わせてもらうよ。」
「えっ、ほんとうですか?」
公爵邸なんて絢爛豪華なドドーン! デデーン!!なイメージなのに。
「(小声)冒険者のほうの部屋はね。」
「(小声)ああなるほど。」
仮住まいみたいなもの、なんだよね。納得です。
するとジークさんは、2人がけのふかふかソファと、小さめのテーブルとそれにあわせた椅子二脚、黒カラーにしたカラーボックスをセットでお買い上げ。なんて太客!有難いです。
「ありがとうございます! あとでお届けしますね!」
「うん。よろしくね。」
品物は、ギルドで依頼出して配送をしてもらうこともできるし、ほかの人はそうしようと思って住所等記入してもらっているけど、ジークさんにはお世話になっていることもあって、アイテムボックスに入れて自ら配達することになった。
「ほら、ああいうところだぞ。」
「ううっ、大人買い……!」
「大人買い、確かに。」
「ヨリコちゃん、俺も! このカウンターテーブルと椅子を、ください!」
「わあ、ありがとうございます! これはテーブルも椅子も高さを変えられるようになっていて、一番工夫したやつなんです!」
「そうなんだね、すごくカッコいいよ。」
「ふふっ、いい人に買われて幸せだね~♪」
私はカウンターテーブルたちを撫でて言った。
その後も、顔見知りの人だけじゃなく、ギルドを訪れた職人さんや、街頭掲示板を見て来てくれたお客さんがいて大盛況だった。
「たくさん売れた……なんと、売り上げ、83万ギュル!」
「わー、おめでとうヨリコちゃん!」
「ありがとうリャラスさん!」
夕方、営業を終了して売り上げを数えてみたら結構な額になっていて驚いた。これで、おかみさんに恩返しできる。家賃も払おう。
「定期的に開店できるといいわね。」
「そうですね! 今日の売り上げで、街の人にウケる商品や購買層がわかったので、また作り溜めておきます!」
「ええ。楽しみにしてるわね。」
リャラスさんと店じまいのお片付けをしていると、ギルドの正面扉を開けて入ってこちらに来る男がいることに気づいた。男は貸しスペースの前で足を止めると、残っている商品にひと通り目をやってからこちらを向いて言った。
「ヨリコというのはお前か?」
「えっ?」
偉そうなやつ来た。
パン屋さんで働き、おかみさんの美味しい料理をいただき、休みの日にはクラフトに精を出す。
試してみたら、『効果無し』のイメージでただの棚を作ることができた。鑑定士のヘルハルトさんに見てもらったから間違いない。
そうそう、SPってスキルポイントじゃなくてセイントポイントだったみたい。スキル使用は普通回数制だからスキルポイントというのはないってヘルハルトさんが教えてくれた。じゃあなんだろうと思って、ステータスを見てもらったら、彼の鑑定眼では『聖力』って表示されたらしい。3万もあるのは、聖女だからだろうって。
その後、セイントポイントを使わないよう棚やテーブル、椅子、ソファに小物入れなんかも作って、ギルドの貸しスペースに見栄え良く並べられる程度品物が充実したので、ついにお店を開くことになった。
「開店おめでとう!」
「ありがとうございます。リャラスさんっ」
いったんギルドの奥の部屋に通してもらって、そこでアイテムボックスから家具を取り出す。そしてそれを、ギルドの入口脇にあるスペースへ運んでセッティングしていく。
「すごいっ! すてきな家具ばかりね!」
「へへ、ありがとうございます。力作です!」
前に作ったカラーボックスも組み合わせられるよう何種類かあるし、小物を置くテーブルやダイニングテーブル、木の椅子、革張りの椅子、回転スツール、収納ソファにふかふかソファ、宝石箱や鏡台もある。
「ちょっと張り切りすぎました。」
「どれもとてもすてきよ。お客さんの反応、楽しみね!」
「はいっ」
準備ができたので、開店の合図を出す。
事前に、パン屋さんのお客さんには宣伝していたので、みんな見にきてくれた。主婦の皆さんは細工箱とかの小物を買ってくれた。サラヤおばあちゃんは、座り心地が気に入ったっていってロッキングチェアを買ってくれたので、あとで配達する約束をした。
「楽しみねえ。ありがとう。」
「こちらこそありがとうございます!」
サイラスさんは、街の警備課の人たちを誘って来てくれた。紹介された警備隊長(警備課長)さんは、とっても優しそうなにこにこしたおじさまで、気さくに話しかけてくれる。
「君がヨリコさんか。サイラスによく話を聞くよ。」
「あはは。失敗談ばかりじゃないといいんですけど。」
「そんなことないよ。よく働く笑顔のかわ――」
「隊長っ!」
「へ?」
急にフレームINしてきたサイラスさんに遮られて、警備隊長さんの言葉はかき消された。
「ヨリコ。」
「ジークさん!」
「開店おめでとう。」
「ありがとうございます!」
サイラスさんが警備隊長さんの口を押さえてもごもごやっているところに、ジークさんが来た。実はジークさんは、休日にちょくちょく部屋に来てクラフトの様子を見学していた。
「これ、お祝い。」
「わあ、きれいな花籠! ありがとうございます!」
「うん。」
とてもきれいで立派な花籠をくれたので、家具の展示とあわせて見えるように置かせてもらった。
「ああいうところだぞ、サイラス。モテる男ってのは。」
「うっ……、花、か。」
モテる男、ジークさんのことだよね? 確かに。
開店祝いに花持参。モテるポイントだわ。
「改めて見てもどれもすできだね。私の部屋はあまり物がないから、たくさん買わせてもらうよ。」
「えっ、ほんとうですか?」
公爵邸なんて絢爛豪華なドドーン! デデーン!!なイメージなのに。
「(小声)冒険者のほうの部屋はね。」
「(小声)ああなるほど。」
仮住まいみたいなもの、なんだよね。納得です。
するとジークさんは、2人がけのふかふかソファと、小さめのテーブルとそれにあわせた椅子二脚、黒カラーにしたカラーボックスをセットでお買い上げ。なんて太客!有難いです。
「ありがとうございます! あとでお届けしますね!」
「うん。よろしくね。」
品物は、ギルドで依頼出して配送をしてもらうこともできるし、ほかの人はそうしようと思って住所等記入してもらっているけど、ジークさんにはお世話になっていることもあって、アイテムボックスに入れて自ら配達することになった。
「ほら、ああいうところだぞ。」
「ううっ、大人買い……!」
「大人買い、確かに。」
「ヨリコちゃん、俺も! このカウンターテーブルと椅子を、ください!」
「わあ、ありがとうございます! これはテーブルも椅子も高さを変えられるようになっていて、一番工夫したやつなんです!」
「そうなんだね、すごくカッコいいよ。」
「ふふっ、いい人に買われて幸せだね~♪」
私はカウンターテーブルたちを撫でて言った。
その後も、顔見知りの人だけじゃなく、ギルドを訪れた職人さんや、街頭掲示板を見て来てくれたお客さんがいて大盛況だった。
「たくさん売れた……なんと、売り上げ、83万ギュル!」
「わー、おめでとうヨリコちゃん!」
「ありがとうリャラスさん!」
夕方、営業を終了して売り上げを数えてみたら結構な額になっていて驚いた。これで、おかみさんに恩返しできる。家賃も払おう。
「定期的に開店できるといいわね。」
「そうですね! 今日の売り上げで、街の人にウケる商品や購買層がわかったので、また作り溜めておきます!」
「ええ。楽しみにしてるわね。」
リャラスさんと店じまいのお片付けをしていると、ギルドの正面扉を開けて入ってこちらに来る男がいることに気づいた。男は貸しスペースの前で足を止めると、残っている商品にひと通り目をやってからこちらを向いて言った。
「ヨリコというのはお前か?」
「えっ?」
偉そうなやつ来た。
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