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第25話 第三王子の婚約者
レオニスとエレノアの婚約が、ごく限られた範囲で内定した。
王家とヴァルディス侯爵家の間で、正式な調印が行われる。
だが――それは、堅苦しい儀式ではなく。
比較的、形式ばらない場だった。
「エレノア・ヴァルディス」
レオニス殿下が、私の名を呼ぶ。
「はい」
「君と、正式に婚約できることを――心から嬉しく思う」
殿下は、書類にサインをする。
私も、それに続く。
これで――正式に、婚約者だ。
「......エレノア」
「はい」
殿下が、私の手を取る。
「......え?」
そして――。
私の手の甲に、口づけた。
「っ!?」
私は、完全に動揺する。
「で、殿下......!? こ、これは――」
「もう殿下じゃないだろう?」
レオニスさま、は、優しく微笑む。
「君は、私の婚約者だ」
「......っ」
私は――顔が真っ赤になる。
恋愛経験ゼロの私には、この状況が理解できない。
論理的思考が、完全に停止している。
「あ、あの......」
「ん?」
「そ、その......」
レオニスは、悪戯っぽく笑う。
「可愛いね、エレノア」
「......っ!」
私は、もう何も言えなかった。
その夜。
私は、自室で一人になった。
「......何なの、あれは」
顔を覆う。
まだ、頬が熱い。
「手に、口づけなんて......」
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
「お嬢様」
マルティナが、ニヤニヤしながら入ってくる。
「......何?」
「殿下、積極的でしたね」
「......うるさい」
「ふふ」
マルティナは、楽しそうに笑う。
「これから、もっと積極的になりますよ」
「......え?」
「殿下、ずっとお嬢様のことを想っておられましたから」
マルティナは、意味深に言う。
「これからが、本番です」
「......本番?」
私は、嫌な予感がした。
その頃、王宮では――。
「殿下」
カイが、報告に来る。
「隣国シュタインベルクからの使者が、到着したとのことです」
「......シュタインベルク?」
レオニスは、眉をひそめる。
「何の用だ」
「それが――第二王女、アマーリエ様がお見えだそうです」
「アマーリエ王女が?」
レオニスの表情が、険しくなる。
「……いったい何をしに来たんだ」
王宮に、静かな緊張が走った。
王家とヴァルディス侯爵家の間で、正式な調印が行われる。
だが――それは、堅苦しい儀式ではなく。
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「はい」
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「はい」
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「......え?」
そして――。
私の手の甲に、口づけた。
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「ん?」
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「......っ!」
私は、もう何も言えなかった。
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「手に、口づけなんて......」
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
「お嬢様」
マルティナが、ニヤニヤしながら入ってくる。
「......何?」
「殿下、積極的でしたね」
「......うるさい」
「ふふ」
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「これから、もっと積極的になりますよ」
「......え?」
「殿下、ずっとお嬢様のことを想っておられましたから」
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「これからが、本番です」
「......本番?」
私は、嫌な予感がした。
その頃、王宮では――。
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「......シュタインベルク?」
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「……いったい何をしに来たんだ」
王宮に、静かな緊張が走った。
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