BL団地妻-いけない人妻、隣人夫と秘蜜の遊び-

おととななな

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いけない人妻、隣人夫と秘蜜の遊び

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眼鏡の男はすぐに視線を落とすと、その下着をゆっくりと拾い上げた。


両手で広げると、それが何であるか気づいたのか男の表情が僅かに歪む。


なんだかとてつもなく居たたまれなくなり、慌てて家の中に逃げ込もうとすると、突然背後から声をかけられた。



「あの、もしかしてこれ、お宅のです?」



ピタリと動きを止めた秋乃の額から冷や汗が落ちていく。


言い訳も浮かばず、かといって無視する事もできず、秋乃はロボットのように不自然な動きで振り向くと、観念したように「はい」と返事をした。



顔が真っ赤になっているのが自分でもよくわかる。



だって女性物の下着を穿いているのが他人にバレてしまったのだ。



「こちらから届けましょうか?」


男の申し出に秋乃は慌てて手を振った。



「いえ!と、と、取りに行きますので大丈夫です!あの、今から伺っても、いいですか?」



恐る恐る訊ねると、柵の向こうの男をちらりと見る。



男はクイと眼鏡をあげると、口元に笑みを浮かべた。



「えぇ、構いませんよ」



「すみません、すぐ伺います」




秋乃はそう言うと、逃げるように家に滑り込みドアを閉めた。


途端に膝から下の力が抜けて座り込んでしまう。


バレた、バレた、バレた!!


頭の中はおもちゃ箱をひっくり返したかのようにパニックを起こしている。



しかし、ここで取りに行かなければもっと広い範囲で噂が広まるかもしれない。


秋乃一人の趣味だと思われる分にはかまわない。



問題は士郎だ。


もしも噂が噂を呼び、その性癖のせいで医者としての士郎の立場が悪くなってしまったりしたら、と思うと居ても立っても居られなくなる。




取りに行くついでに、誰にも口外しないでほしいと言ったら、あの眼鏡の男は応じてくれるだろうか。


秋乃は急いでキッチンを漁ると、士郎の実家から送られてきた焼き菓子の詰め合わせを持って隣人宅へと向かったのだった。





廣瀬という苗字の書かれた表札の横にあるインターホンを鳴らすと、すぐに施錠が解かれる音がした。



そういえば、こうして隣人とまともに話すのは引っ越しの挨拶をした時ぶりかもしれない。


その時も簡単な挨拶だったため会話という会話はしてないのだが。


扉が開くと、先ほどベランダにいた眼鏡の男が出迎えた。



「すみません、あの、これつまらないものですが良かったらどうぞ」



菓子折りを差し出すと、男はそれを快く受け取った。



「気を遣っていただいてすみません。今少し仕事が立て込んでいて…。良かったら上がって待っていてくれませんか?」


すぐに下着を返して貰えると思っていた秋乃は廣瀬の言葉に動揺する。



「あの、洗濯物だけ受け取ったらすぐに帰りますんで大丈夫です。お邪魔でしたら外で待ってますんで、お仕事終わったら声かけてください」



慌てて出て行こうとすると、背後から伸びてきた手にドアノブを掴まれ阻止される。


ハッとして振り向くと、廣瀬が満面の笑みで秋乃を見下ろしていた。




「少しくらいいいじゃないですか。大丈夫、うちの嫁今実家に帰省していて留守なんですよ。奥さんがあんなパンティーを穿くのが趣味だなんて私にしかバレてないんで、どうぞ安心して上がっていってください、ね?」



脅しとも親切とも感じるその言葉に、何となく背筋が粟立つ。



しかし、ここで変に断って噂を広められたら厄介だ。



ここは素直に好意を受け取っておくべきかもしれない。




「わかりました。じゃあ、少しだけ」




通されたリビングは狭いながらもモダンなしっとりとしたインテリアで纏められていた。


秋乃の家と内装は変わらないのだが、住む人間が違うだけで別世界になるもんだなぁと感心してしまう。



ソファで待つように言われた秋乃が物珍しげにキョロキョロとあたりを見ていると、廣瀬がコーヒーを持って現れた。



「汚い部屋でお恥ずかしいです」


「そんな事ないです。とってもステキなお部屋じゃないですか。奥様の趣味ですか?」



廣瀬からコーヒーを受け取りながら見上げると、男はふっと目を細めた。




「実は私、インテリア関係の仕事をさせていただいてるんですよ。これも全部私の趣味で」




「そうなんですね!さすがです、やっぱりセンスが僕らなんかと全然違いますもん」

 

秋乃が感心しながら驚嘆の声をあげると、廣瀬は嬉しそうに笑った。



「ありがとうございます。わりと昔からこう、なんていうんでしょう?なんでも自分好みに変えるのが好きなんですよね。空間も人も」



眼鏡の奥の双眸が妖しげな光を孕んで秋乃を見下ろしてくる。



突然わからない恐怖を感じて秋乃は笑顔を貼り付けたまますぐに目を逸らした。



「そ、そうなんですねー」



コーヒーを口にするが味が全くわからない。


早く帰った方がいいかもしれない。



今更そんな気になってきた。





「ところで、奥さんはいつからそういう趣味があるんですか?」



唐突に訊ねられて秋乃は思わず顔を上げた。



「え?」



「いつから女性物の下着を穿いてるんですか?」



単刀直入な質問に秋乃の頭は真っ白になった。





















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