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第六章 あざとい男子の正体
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奨学金があっても学費の全額が支払われるわけではないし、安いアパートに住んでも東京での生活費は馬鹿にならない。上京一年目のキキは、バイト三昧の日々を過ごしていた。
そんな時、居酒屋のバイト仲間が、もっと楽に稼げるというレンタル彼氏のバイトに一緒に応募しようと誘ってきた。
「それって結局フーゾクだろ? 男版デリヘルじゃないの?」
パパ活や出会い系など、とっつきやすい名称にするのは若い子のガードを下げさせるためで、結局どれも同じ、客は性欲を満たしたいだけだとキキは知っていた。
自分も今までいろいろなことをしてきて、風俗業を下に見ているわけではないが、体を売るのはリスクが高いので、できるだけ避けたい。
「いや、やってる奴に聞いたけど、本当にお喋りするだけでいいらしい。な、やってみようぜ」
熱心に誘われ、キキはレンタル彼氏を派遣する会社に登録した。
実際にやってみると、たまに危ない性質の客もいたが、大抵の客はまともで、ただ暇つぶしに付き合うだけで良かった。都会ではどんなことでも仕事になるんだなと思った。
一緒に入った友達はすぐに辞めてしまったが、仮面をかぶるのが得意なキキにはこの仕事が性に合っていた。
寂しい女たちは何も求めてこない、側で話を聞いてあげるだけで満足してくれるのだからちょろいものだった。キキはあっという間に人気ナンバーワンに登りつめた。
バイト代以外にも女性たちがくれる高価なプレゼントを転売し、面白いほど儲けることができた。
これで他のバイトを辞めて、勉強に専念できる。キキは運が向いてきたと思った。
今思えば、そんな風に調子に乗っていたのがいけなかったのかもしれない。運命の神様は、与えた試練をズルして乗り越えようとする者を見逃さないのだろう。
そんな時、居酒屋のバイト仲間が、もっと楽に稼げるというレンタル彼氏のバイトに一緒に応募しようと誘ってきた。
「それって結局フーゾクだろ? 男版デリヘルじゃないの?」
パパ活や出会い系など、とっつきやすい名称にするのは若い子のガードを下げさせるためで、結局どれも同じ、客は性欲を満たしたいだけだとキキは知っていた。
自分も今までいろいろなことをしてきて、風俗業を下に見ているわけではないが、体を売るのはリスクが高いので、できるだけ避けたい。
「いや、やってる奴に聞いたけど、本当にお喋りするだけでいいらしい。な、やってみようぜ」
熱心に誘われ、キキはレンタル彼氏を派遣する会社に登録した。
実際にやってみると、たまに危ない性質の客もいたが、大抵の客はまともで、ただ暇つぶしに付き合うだけで良かった。都会ではどんなことでも仕事になるんだなと思った。
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これで他のバイトを辞めて、勉強に専念できる。キキは運が向いてきたと思った。
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