オケ!うまずたゆまずちんたらと

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2章

出生の秘密   裏

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「それは、誠か」
野太いしわがれた声で、新兵は ヒッ、と飛び上がりながら後ろを振り返る。
顔がどんどん青ざめる。
後ろから急に王の声を聞かせられれば誰だってびっくりするよ。
しかも、今父王は青筋立ててご立腹状態だ。
「ソナタに指導した上官は?名を申せ」
「は、はい。シールズ様です」
あぁ、そうなんだねぇ。
この国の外務長官だ。新人研修なんてするんだなぁと感心していると、
「バカ息子が、感心している場合ではない」
と怒られてしまった。ハハハハ
「して、お前はここで何をしておる」
「はい。父上。お久しぶりにごさいます。
お元気そうで何よりです。
俺さ、エルフの国にいたのにルーベンに拉致られて強制送還だ」
「お気楽になにを‥‥
お前は幾つになっても、変わらぬな」
半分悲しそうに、半分嬉しそうにそう呟いた。
父王は、「さ、母上に顔を見せてやれ、父とは夜にでもゆっくり話そう」
と新兵を連れ執務室の方へ歩いて行く。
父王を見送ってから、いざ、母上の元へ

コンコンと、ドアをノックしてから母上の返事さを待つ。
しばしの時が静かに流れる。
「よろしくってよ、こんな時間にどなたかしら!?」
と、ドアを開けて入ってくる俺を見て
驚いた顔をして、次の瞬間泣き出してしまった。俺って親不孝者か!
ヤバい。胸が痛いよ。母上。
なんか、ごめんなさい。

ひとしきり泣いた母上は、俺を抱きしめ
「おかえりなさい」
なんか俺までジーンと涙が出そうなのを我慢して「ただいま」と返した。
「さ、座ってお茶でも飲みながらお話し聞かせてちょうだいな。
どんな冒険をしてきたの!?」
「俺のことよりも、この国の現状をお聞きしたいのですが」
「さっきのこと!?」
「いえ、それもあるのですが、今回私が帰ったのにはワケがありまして‥‥」

そう俺がいうと母上は、少し考えてからゆっくり口を開いた。
「そうね、今この国は変わろうとしているのよ。父王様も色々な事情を抱えて生きていらっしゃるわ。
あなたと同じように」
なんだかとても、意味深な発言だ。
?しか、浮かばんが。
「アシェルとエイデンの派閥争いが加速してきていてね、死人まで出ている状況なの。
父王様もピリピリしてらっしゃるわ。
それにもう、2人とも成人を控えて王太子を定める時期が近づいてきたということね。
内戦にまで発展しなければ良いのだけれど。
国を出る準備も進んでいないし、そんな古い風習は変えて行かなければってね」
そこには、俺も同意したいが、先人が定めたことは、何かしらの意味があることが多いんだよなぁ~。困った事に‥

それに、城の中にいても番いが見つかるとは到底思えない。少なくとも、国中を旅するとかしないと。
俺もアンを見つけたように、アシェルとエイデンにもこの幸せを見つけてほしいと思う。










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