オケ!うまずたゆまずちんたらと

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3章

ドワーフ国へ

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船旅が始まり、どれくらいたっただろう。
俺はすることもなく海をボーッと眺める。
クレアは相変わらず楽しそうに何やらやっている。
何がそんなに楽しいのかわからん。
「ハロルド~、いつ着くの」
「俺にはわからん」
「マチルダ~」
「私もわからないわ」
「カン~」
返事がない。
「あいつどこ行ったんだ!?」
「操舵室か、甲板じゃない!?」
カンだけはいつも何かしらいそいそ動いている。
クレアはカンを探しにでも行ったかな!?
階段の方へ向かっている。
俺もついていこう。暇だし‥
甲板につくとカンは何やら手紙を読んでいた。
「カン」
「ハロルド様、今伺おうかと」
「何かあったか」
「父より、ドワーフ国の王への謁見が整ったと」
「そうか。それでいつ着くんだ!?」
「いつ着くの!?」
「はい、船長によりますとそろそろドワーフの国が見えてくるとのことでしたよ」
「王都には!?」
「ま、港についてから王都まで3日ほどかかるそうです。港についたら、王城へ鳩便飛ばしましょうかね。竜王国の方にも飛ばしておかないと後から何言われるか‥」
「やっと陸におりれる」
「そこですか!」
仕方ないだろう。船の中では何もすることがない。毎日の鍛錬ぐらいしかすることがないのだ。
「クレア様、準備の方は」
「問題ないよ~」
ん!?クレアは何か!?
クレアを見てみると嬉しそうにカンにあそこをこうしてああしてと、何やら説明している。
「なんの話だ!?」
「あ、あぁ、魔国に入る前によういするものがありまして。クレア様にしか作れないのですよ。
まだ時間はありますので、無理をなさらず」
「はーい」
よくわからんが、何かしら準備が必要なのだろう。
それにしても、いい天気だ。
こんな日は、外でアンの作ったサンドイッチを可愛いソフィーと3人で食べたいものだ‥
そんなことを考えながら海を眺めていると、カンが、何か言いづらいことでもあるのか横でソワソワしている。
「なんだ!?」
「すみません。あの、エルフ国に動きがありまして」
エルフ国か、戦争でも仕掛けてきたか、と考えていると
「竜王国、獣人国、ドワーフ国との、国交に制限をかけてきました。今まで、船の補給などやむおえない場合には、交渉に応じていましたがそれも応じないとのことです」
「ということは、商船も港に逗留出来ないと」
「はい。人の行き来はもってのほかでしょうね。アン様との連絡をどのように取ろうかとてを考えてはおりましたが手詰まりです」
ヴィからの連絡は何もきていない。ということは、仕送りもいつも通り。
あの森から出なければとりあえずは安心か。
「最長老がどちらの味方なのかというところがでかいな」
「そうですね。その方がどのような考えをお持ちかで変わってはきますね。しかし、どうしたものか」
「私がいるじゃない」
声の方に振り返れば、マチルダが仁王立ちしている。
「私とお父様とはしっかり連絡取れてるわよ」
「それってどこまで話してるんだ!?」
語尾が強いですよ、カン。
ちょっと、不穏な空気の2人。
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