オケ!うまずたゆまずちんたらと

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3章

ドワーフ国へ

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「風の魔力で飛ばせれば届くけど、ただの念話だけなら一方通行って事だよ」
そういうことか。
俺は、そこまで風は上手くないからなぁ‥
「エルフ国を出てからソフィーの声が聞こえる事があったんだ。あの子は飛ばせるということか!?」
「すごいね。ソフィーはいくつなの!?
神獣候補に選ばれるわけだ」
「ソフィーは、もうすぐ4歳だな」
「ふぅ~ん‥
もしかしたら、精霊もついてるかもね」
精霊か、あの森にならいてもおかしくないか。
毎日のように森で遊んでるしな。
「でもまだ、小さすぎるね。もう少し大きくなったら」
「大きくなったら!?」
「自分の意思で飛ばせるかも」
「多分、無意識にとばしてるんじゃないかなぁ。本人、ハロルドに届いてるかどうかはわかってないでしょ」
「そうだな。わかってないと思う。
こちらから送れないのか!?」
「ごもっともですが~、私はママみたいに器用じゃないから何重にも結界のかかってる森の中に飛ばすことは出来ません。もしかしたらママにも出来ないかも」
「ティア様でもか」
「うん。その結界の中から念話飛ばせるなんてすごいことだよ」
そうか、ソフィーはすごいのか。うん。そうだ。すごいんだ。さすが俺の子!
「ハロルド、まだつかない~!?」
「もう少しだよ、俺はマチルダと話してくる」
連絡できないとわかったんだ。とりあえずはマチルダと話しないとな。クレアはそのままヒラヒラと手を振りながら自分の部屋に入っていった。

マチルダの部屋の扉をノックする。
返事はない。
部屋にはいないのか‥
キッチンに行ってみようか。
キッチンに降りていくと、食糧庫の方からゴソゴソ音がする。
「マチルダ、そこにいるのか!?」
「うん。こっちにいるよ。ちょっと待って。今日使う分出しちゃうから」
 
マチルダは、肉をいっぱいもち普通に歩いてくる。
何キロあるんだそれ…
クレア様いっぱい食べるからなぁ~。はぁ~

「どうしたの!?
まだ言い足りなかった!?」
少し怒り気味に話しかけてくる。
「すまん。カンは少しばかり慎重になりすぎてるかな!?」
「アンとソフィーのことが心配だっていうのはわかってるから大丈夫。それに私だって心配してる。それぐらいわかってくれてると思ってた」
「すまん」
「謝って欲しいわけじゃない」

少しの沈黙の後、マチルダから切り出してくれた。
「私から鳩便は送ってないよ。最初の2回だけ。後は父上が定期的に送ってくるだけだから」
「うん。ありがとう」
「それでね、父上今、人間国との戦に向かってるらしいの」
「騎士団長が戦!?」
「そ、国王も何考えてんのかね。
ハロルドを国から追い出してアンから引き離せれば後は森から出てくるのを待つだけだから。それに、父上は私が無事なら国王に物申すこともないだろうし、叔父上も父上が近くにいると気が気じゃないのよ」
よくわからんがエルフ国王は余り頭の回る人ではないのか!?
「国王は大衆からしたらいい王なのかもね。けど、私は認識を改めないと。
やってることはかなり悪質だわ」
「ハイエルフの件か!?」
「そう。それよ。凄くショッキングな事だわ。アンの話がなければ噂だと気にもしてなかったんだから」
「そうか、そうだなぁ」
話すか話さまいか、ハイエルフかぁ~









 







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