オケ!うまずたゆまずちんたらと

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3章

竜王国

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神域につくと、ヴィとゴードンは周りをキョロキョロと顔に笑顔を貼り付けて!
お爺様は、東屋の方へ歩いて行っている。俺もお爺様の後を追う。
クレアは、ヴィに一目散。手に抱きついてお腹をヨシヨシ撫でている。
ヴィも嬉しそうにしている
アランは自分がどこにいるのかこの状況をとにかく把握しようとアワアワしている。
「ヴィは、目に見えて元気になりましたね。ここに来ただけなのに」
「そうだなぁ、お前らにとって神域とは大事な場所なのだなぁ」
お爺様は少し寂しそうに言った。
俺とヴィは、半神半竜人。
あれ、それ考えたらアンはソフィーがお腹にいる時も全然元気だったよなぁ~!?
不思議だなぁ。
女の人の体とはどれだけ神秘的なのか。
一人一人全然違うものなのだなぁ‥
と考えていると、
「そうねぇ、でも、アンは神域に近い環境のエルバの森にいたからよ」
声の方に、振り向くと…
ティア様!!
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。ここは私の神域なのにぃ~」
そりゃそうだが、急に現れるとびっくりしますよねぇ~、お爺様~と、隣を見るとクレアとヴィを見てオンオン泣いている。
はぁ~とクレアとヴィに目をやるとティア様まで混じってきゃっきゃと女子トークが始まった模様。
ゴードンは行き場をなくしてこちらへ歩いてくる。
その様子を見ていた、アランは自分の中で解決できたのか覚悟を決めた顔でこちらを見てゆっくりと歩いてきていた。
東屋の脇までやって来て、片膝をつき一度頭を下げて俺の方に顔を上げる。
「ハロルド皇子様」
と、大きな声で呼ばれる。
みんな、ぎょッとした顔でこちらを注視している。クレアに関してはヤバいくらいの怒り顔でこちらを見ている。
「は、はい!」
ど、どもった‥‥
「申し訳ございません」
また、頭を下げる。
「何に対してだ」
俺だって冷静に対処できるぞ!!うん。
「あなた様に対してのわたくしの態度です」
「それだけじゃないでしょ。ヴィに対しても配慮が足りない!!」
と、後ろからクレアが言う。
アランは、一度立ち上がりクレアの方に向き直る。
右手を胸に当てて騎士の礼をしている。
ヴィが俺の方を見て助けてと、訴えている。
「私はあなたが嫌い!」
フンッと、そっぽを向いてしまった。
はぁ~、ヴィのために間に立つか。
「クレア、アランは態度を改めた。
お前も譲歩しないと、ヴィに嫌われるぞ」
俺がそう言うと、泣きそうな顔でヴィに向き直る。
「安心してください。クレア様。わたくし、生まれた時の記憶がごさいますの」
衝撃を受ける。俺だけじゃない。
ティア様も、クレアも、お爺様も、アランも…
俺の隣で、嬉しそうにに笑っているのは、ゴードン。
「どうしても、ダイアナ様を母上と呼べず兄上にも、父上にもよく怒られていました」
そう言えばそんな事があった。
よく父上と、ヴィは口論していたな‥
と思っているとヴィが話始める。
「あの頃の私は、実年齢に呼応して自分の感情のコントロールができていなかったのです。私は、前世の記憶を失わずにこの世に生を受けました。この世界とは次元の違う世界から転生したのです。今は、私の生まれた場所に帰って来れて本当に嬉しいです」
と、本当に嬉しそうに笑った。


ヴィの衝撃の告白から一夜明け、訓練場にいた。
俺は、アランに訓練をつけている。
まだまだだ。コイツは、この程度の腕で俺に楯突いたのか!?
「アラン、カンに相手してもらえ」
と冷たくなってしまった。
すんごく不満気だが、カンに頭を下げている。
木陰で汗を拭いながら2人の対戦を見ていたが‥‥‥
ダメだ。全然、相手になってない。
なぜ、ヴィはこんな弱いヤツを騎士に選んだんだ!?
俺にはわからん。
いつか、聞いてみよう。































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