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ミルク
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外に出ると、人工的なオレンジに白い道が染まっていた。
ガードレール越しに光り走る車と反対方向に歩いて、駅に向かう。
道路に見飽きて顔をそむける。
遠くの道には明るい家々があった。
すぐ側には賑やかな文句の居酒屋があった。
道を渡ったら大きかったはずのカフェがあった。
小さな手で持つお金では入れなかったカフェ。
鞄の財布はレシートで膨らんでいる。
まだ、やっているのか。
入ると、そこもまたオレンジだった。
暗く茶色いオレンジ。
蛍光灯に照らされて軽食が悪目立ちをしている。
掲げられたメニューはあまりにも見づらくて読めない。
笑顔の店員は歓迎の言葉で注文を急かしてくる。
あぁ、何を頼めばいいのか分からなくなってきた。
詰まった声で頼んだロイヤルミルクティー。
結局、冒険は上手くいかない。
出される優しいオレンジを見てそう思う。
いつも通り窓際の端っこに座り、せめてもの抵抗に砂糖を入れないで飲む。
苦い。
ミルクが入ってるはずなのに、苦い。
恥ずかしさを感じながらカウンターへ砂糖を取りに行く。
無駄な意地を張ってノンカロリーの包を1つ取る。
意識して更に恥ずかしくなった。
気を取り直して一口。
甘くない。
苦い。
こんなはずじゃなかった。
やけくそになって、今度はスティックを2本一気に入れた。
甘い。
自販機と変わらないくらい甘い。
5倍も出して手に入れた約100円の味。
一気に飲み干して、周囲の軽快なタップ音や疲れ気味のキーボードに配慮してトレーを片付ける。
外は相変わらずオレンジだった。
もう帰ろうと降ろされたシャッターやブラインドに目を向けることなく駅に着く。
階段を上がる人の数に自然と足が駆け下りる。
降りた先に自販機を、その中の、安っぽいピンクを見つけた。
何故か急にそれを買わなきゃいけない気がして、発車ベルに急かされながらボタンを押す。
急いで飛び乗った車内。
行儀が悪いと心で呟いて、さしたストローを咥える。
やっぱりぼうけんは上手くいかない。
知らないいちごミルクは不味かった。
ガードレール越しに光り走る車と反対方向に歩いて、駅に向かう。
道路に見飽きて顔をそむける。
遠くの道には明るい家々があった。
すぐ側には賑やかな文句の居酒屋があった。
道を渡ったら大きかったはずのカフェがあった。
小さな手で持つお金では入れなかったカフェ。
鞄の財布はレシートで膨らんでいる。
まだ、やっているのか。
入ると、そこもまたオレンジだった。
暗く茶色いオレンジ。
蛍光灯に照らされて軽食が悪目立ちをしている。
掲げられたメニューはあまりにも見づらくて読めない。
笑顔の店員は歓迎の言葉で注文を急かしてくる。
あぁ、何を頼めばいいのか分からなくなってきた。
詰まった声で頼んだロイヤルミルクティー。
結局、冒険は上手くいかない。
出される優しいオレンジを見てそう思う。
いつも通り窓際の端っこに座り、せめてもの抵抗に砂糖を入れないで飲む。
苦い。
ミルクが入ってるはずなのに、苦い。
恥ずかしさを感じながらカウンターへ砂糖を取りに行く。
無駄な意地を張ってノンカロリーの包を1つ取る。
意識して更に恥ずかしくなった。
気を取り直して一口。
甘くない。
苦い。
こんなはずじゃなかった。
やけくそになって、今度はスティックを2本一気に入れた。
甘い。
自販機と変わらないくらい甘い。
5倍も出して手に入れた約100円の味。
一気に飲み干して、周囲の軽快なタップ音や疲れ気味のキーボードに配慮してトレーを片付ける。
外は相変わらずオレンジだった。
もう帰ろうと降ろされたシャッターやブラインドに目を向けることなく駅に着く。
階段を上がる人の数に自然と足が駆け下りる。
降りた先に自販機を、その中の、安っぽいピンクを見つけた。
何故か急にそれを買わなきゃいけない気がして、発車ベルに急かされながらボタンを押す。
急いで飛び乗った車内。
行儀が悪いと心で呟いて、さしたストローを咥える。
やっぱりぼうけんは上手くいかない。
知らないいちごミルクは不味かった。
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