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第1話(3)
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「こう見えて私は、公務員でしてねー。中央管理局というのは機関の名前で、『キャッツビレッジ』は国の名前ですよー」
「く、国……? そんなの、どこにあるの……?」
「はい。それは今から、詳しくご説明いたします」
どうやらこの問いかけを待っていたらしく、彼女は満足げに頷く。そしてリリさんは一度座り直し、ゆっくりと口を開いた。
「実はですね、私はこことは別の世界からやってきました。所謂、異世界人という生き物なんですよ」
「い、異世界……」
「はい。こことは違う次元には『人』と『もう一つの姿』を持つ人間が暮らしておりまして、私たちのように猫の姿を持つ者が暮らす国が猫国。他には犬の姿を持つ『犬国』やハイムスターの姿を持つ『ハムスター国』、ペンギンの姿を持つ『ペンギン国』という国もあります」
「そ、そんな……。そんなことが……」
「本当に、あるんですよ。その証拠に、ほらこの通り。猫国所属の私は、猫になれますよ」
リリさんの身体がパッと白く光ると、そこにはカードに映っていたあのニャンコ――V字型の顔と長く細く美しい尾、ピンと張った肉の薄い耳が特徴の、シャムが座っていた。
シャムの周りにはリリさんが身につけていた服があるし、何より人語を操れないはずのシャムが人語を喋っている。この上なく荒唐無稽な内容だけど、全て事実らしい……。
「無事真実と認識していただけたようなので、次のお話に移りますね。今度は、こちらに来た理由などをお伝えしますね」
僕の顔を見たリリさんは一旦ドアの影に隠れ、人の姿に戻って服を着る。それから彼女は再び定位置に戻り、こちらの目を見つめた。
「さっき私は、修助さんが猫側の演説者に選ばれた、と言いましたよね。これは私達猫国と、隣国である犬国の間で、大きな争いが起きたことが原因となっています」
「争い……? どうしてそんなことが……」
「元々猫国と犬国は、『犬猫の仲』という諺があるほど不仲だったのですよ。犬の国の方はどうにも高慢ちきでして、私も苦手です」
リリさんは苦虫を噛み潰したような顔で、呟いた。
犬猫の仲は、日本でいう犬猿の仲。かなり関係が悪いようだ。
「ですがそんな二国は経済状況などの悪化により、国を合併しなければならなくなりました。そうなれば必然的に国のトップは2から1となり、片方の国のトップはトップを退かなくてはならない。けれど譲る相手は大嫌いな相手なので、どちらの国が合併国の長を務めるから大荒れになっているんですよ」
「…………あー……。確かにそれは、荒れますね……」
自分が嫌いな者に主導権を握られるのは、誰だって嫌だ。傍から見れば『合併するんだから我慢しろよ』と感じることだけれど、当人から見れば看過できない問題なんだろうなぁ。
「選挙をしようにも全員が自分の国が有利になりたいですから、自国に票を入れるので決着はつかず。そこで両国の上層部が相談を重ねった結果、もう一つ存在している世界の人間――日本に住む人間からお互い代表者を一人選んで、もう一つの姿である猫と犬の素晴らしさをそれぞれに語ってもらい、より地球の人間に親しまれている方を両国と友好関係がある『兎国』が決める。そうして選ばれた側がトップを取れる、ということになったなのですよ」
「まあ、それが妥当…………と思うけど、ちょっと待って。どうして代表者が日本人で、その中から僕が選ばれたんです?」
地球に住む大勢の民族の中から日本人で、更にその中から自分。日本だけでも何億人もいるのに、一体どうなってるんだ?
「く、国……? そんなの、どこにあるの……?」
「はい。それは今から、詳しくご説明いたします」
どうやらこの問いかけを待っていたらしく、彼女は満足げに頷く。そしてリリさんは一度座り直し、ゆっくりと口を開いた。
「実はですね、私はこことは別の世界からやってきました。所謂、異世界人という生き物なんですよ」
「い、異世界……」
「はい。こことは違う次元には『人』と『もう一つの姿』を持つ人間が暮らしておりまして、私たちのように猫の姿を持つ者が暮らす国が猫国。他には犬の姿を持つ『犬国』やハイムスターの姿を持つ『ハムスター国』、ペンギンの姿を持つ『ペンギン国』という国もあります」
「そ、そんな……。そんなことが……」
「本当に、あるんですよ。その証拠に、ほらこの通り。猫国所属の私は、猫になれますよ」
リリさんの身体がパッと白く光ると、そこにはカードに映っていたあのニャンコ――V字型の顔と長く細く美しい尾、ピンと張った肉の薄い耳が特徴の、シャムが座っていた。
シャムの周りにはリリさんが身につけていた服があるし、何より人語を操れないはずのシャムが人語を喋っている。この上なく荒唐無稽な内容だけど、全て事実らしい……。
「無事真実と認識していただけたようなので、次のお話に移りますね。今度は、こちらに来た理由などをお伝えしますね」
僕の顔を見たリリさんは一旦ドアの影に隠れ、人の姿に戻って服を着る。それから彼女は再び定位置に戻り、こちらの目を見つめた。
「さっき私は、修助さんが猫側の演説者に選ばれた、と言いましたよね。これは私達猫国と、隣国である犬国の間で、大きな争いが起きたことが原因となっています」
「争い……? どうしてそんなことが……」
「元々猫国と犬国は、『犬猫の仲』という諺があるほど不仲だったのですよ。犬の国の方はどうにも高慢ちきでして、私も苦手です」
リリさんは苦虫を噛み潰したような顔で、呟いた。
犬猫の仲は、日本でいう犬猿の仲。かなり関係が悪いようだ。
「ですがそんな二国は経済状況などの悪化により、国を合併しなければならなくなりました。そうなれば必然的に国のトップは2から1となり、片方の国のトップはトップを退かなくてはならない。けれど譲る相手は大嫌いな相手なので、どちらの国が合併国の長を務めるから大荒れになっているんですよ」
「…………あー……。確かにそれは、荒れますね……」
自分が嫌いな者に主導権を握られるのは、誰だって嫌だ。傍から見れば『合併するんだから我慢しろよ』と感じることだけれど、当人から見れば看過できない問題なんだろうなぁ。
「選挙をしようにも全員が自分の国が有利になりたいですから、自国に票を入れるので決着はつかず。そこで両国の上層部が相談を重ねった結果、もう一つ存在している世界の人間――日本に住む人間からお互い代表者を一人選んで、もう一つの姿である猫と犬の素晴らしさをそれぞれに語ってもらい、より地球の人間に親しまれている方を両国と友好関係がある『兎国』が決める。そうして選ばれた側がトップを取れる、ということになったなのですよ」
「まあ、それが妥当…………と思うけど、ちょっと待って。どうして代表者が日本人で、その中から僕が選ばれたんです?」
地球に住む大勢の民族の中から日本人で、更にその中から自分。日本だけでも何億人もいるのに、一体どうなってるんだ?
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