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第二章 淫らで美味しい同居生活
2-3.クラスは早くもクリスマスムード
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ハロウィンパーティが終わってから数日。リズは仕事で忙しい日々を過ごしていた。
リズが受け持っているのは高校の地学の授業である。化学や生物や物理も教えることは可能だが、新しい学校にはそれぞれすでに担当教員がいた。休職者が出ればリズもそれらの科目を受け持つ可能性があれば、とりあえずは専門分野に専念できるようだ。
教員間の話によると、副校長はずっと地学が専門の教員を探していたらしい。それを前任校の教務主任も知っていて、裏で話を付けてくれていたようだ。
リズは大学在学中に、いくつかの論文が学会誌に掲載され、教育者向けの論文コンクールでも入賞している。主に地質調査のフィールドワークをもとに書いたものだ。大学院生の論文が多い中、学部生のリズの論文は目立っていた。それで副校長も、名前を覚えていてくれたらしい。フィールドワークによる研究が好きで、子どもたちに教えるのも好きなリズには、教師は天職だった。
(とはいえ、授業だけが教師の仕事ではないから難しいわ)
リズは教員用の机に腰掛け、クラスの面々を見つめた。ホームルームの時間、二十五人の生徒たちが、クリスマスパーティの役割分担について話し合っている。――そう、ハロウィンが終わったら、早くもクリスマスへの準備を始めるのである。
ちなみにのハロウィンパーティは、主に下の学年の生徒たちが主体となって進行していた。もともとハロウィンは、子どもたちが仮装して近所の家を〝Trick or Treat!〟の合い言葉とともに訪問する催しである。だからこの学校でも、より子どもに近い下の学年が主体となって企画を進めるのだ。仮装をして演劇をしたり、音楽の演奏をしたり――その様子を、たくさんの来賓や保護者たちも〝仮装して〟見に来るのだ。当日はたいそう華やかに盛り上がった。
(ハロウィンパーティでの私の不祥事は、バレなかったようだけれど)
完璧とはいえないものの、魔女の仮装をしてパーティを抜け出したリズのことは、誰も気付いていないようだった。当たり前である。着任したばかりの教師の行動なんかより、生徒にとって楽しいことはたくさんあるのだから。
「今年のクリスマスのテーマは〝自然との調和〟です。思いっきり参加したいところですが、あいにく我がクラスは受験生も多い。みんな勉強で忙しいです。そこで……何か良いアイデアはありませんか?」
クラス委員のサムが、生徒たちに問う。彼自身も大学進学を目指しているから忙しいはずだ。
「テーマに合わせて、校内で採れた木の実を使ったお菓子はどう? ちょうど私たち、部活で栗の実の砂糖漬けを作っているから。クラスの出し物向けくらいの量だったらお裾分けできると思うわ」
手を挙げて妙案を口にしたのはマーガレットだ。彼女は料理研究部の部長であり、校内の菜園なども仕切っている。
「いいね、やりたい。栗のお菓子って最近流行っているのよ。その場で絞るモンブランとか」
「それ、食べてみたかったやつだ! パーティ関係なく食べたいな」
マーガレットが打診すると、他の生徒も次々に口を開いた。クラス全体が、栗菓子作りの案に賛成のようだ。
「リズ先生は、どう思いますか?」
サムはクラスの代表として、リズに意見を求めた。
「この学校では栗の実も採れるのね。知らなかったわ。みなさんがそれが良いと思うなら、私も大賛成よ」
生徒たちを見渡しながら、リズは微笑みを返したのだった。
リズが受け持っているのは高校の地学の授業である。化学や生物や物理も教えることは可能だが、新しい学校にはそれぞれすでに担当教員がいた。休職者が出ればリズもそれらの科目を受け持つ可能性があれば、とりあえずは専門分野に専念できるようだ。
教員間の話によると、副校長はずっと地学が専門の教員を探していたらしい。それを前任校の教務主任も知っていて、裏で話を付けてくれていたようだ。
リズは大学在学中に、いくつかの論文が学会誌に掲載され、教育者向けの論文コンクールでも入賞している。主に地質調査のフィールドワークをもとに書いたものだ。大学院生の論文が多い中、学部生のリズの論文は目立っていた。それで副校長も、名前を覚えていてくれたらしい。フィールドワークによる研究が好きで、子どもたちに教えるのも好きなリズには、教師は天職だった。
(とはいえ、授業だけが教師の仕事ではないから難しいわ)
リズは教員用の机に腰掛け、クラスの面々を見つめた。ホームルームの時間、二十五人の生徒たちが、クリスマスパーティの役割分担について話し合っている。――そう、ハロウィンが終わったら、早くもクリスマスへの準備を始めるのである。
ちなみにのハロウィンパーティは、主に下の学年の生徒たちが主体となって進行していた。もともとハロウィンは、子どもたちが仮装して近所の家を〝Trick or Treat!〟の合い言葉とともに訪問する催しである。だからこの学校でも、より子どもに近い下の学年が主体となって企画を進めるのだ。仮装をして演劇をしたり、音楽の演奏をしたり――その様子を、たくさんの来賓や保護者たちも〝仮装して〟見に来るのだ。当日はたいそう華やかに盛り上がった。
(ハロウィンパーティでの私の不祥事は、バレなかったようだけれど)
完璧とはいえないものの、魔女の仮装をしてパーティを抜け出したリズのことは、誰も気付いていないようだった。当たり前である。着任したばかりの教師の行動なんかより、生徒にとって楽しいことはたくさんあるのだから。
「今年のクリスマスのテーマは〝自然との調和〟です。思いっきり参加したいところですが、あいにく我がクラスは受験生も多い。みんな勉強で忙しいです。そこで……何か良いアイデアはありませんか?」
クラス委員のサムが、生徒たちに問う。彼自身も大学進学を目指しているから忙しいはずだ。
「テーマに合わせて、校内で採れた木の実を使ったお菓子はどう? ちょうど私たち、部活で栗の実の砂糖漬けを作っているから。クラスの出し物向けくらいの量だったらお裾分けできると思うわ」
手を挙げて妙案を口にしたのはマーガレットだ。彼女は料理研究部の部長であり、校内の菜園なども仕切っている。
「いいね、やりたい。栗のお菓子って最近流行っているのよ。その場で絞るモンブランとか」
「それ、食べてみたかったやつだ! パーティ関係なく食べたいな」
マーガレットが打診すると、他の生徒も次々に口を開いた。クラス全体が、栗菓子作りの案に賛成のようだ。
「リズ先生は、どう思いますか?」
サムはクラスの代表として、リズに意見を求めた。
「この学校では栗の実も採れるのね。知らなかったわ。みなさんがそれが良いと思うなら、私も大賛成よ」
生徒たちを見渡しながら、リズは微笑みを返したのだった。
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