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3.年越しパーティ開始!
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――それから数時間後。
いよいよ、魔王城での年越しパーティ開始の時間だ。
魔王城のダンスホールを開放して行われる今回のパーティは、立食形式で行われる。
中央にある大きなテーブルには色とりどりの豪華な食事が並んでいた。そしてそれを囲むように、大勢の人々が集う。
私は入り口で受付係をすることになった。新人だからと半強制的に与えられた役割である。
(ちゃんと仕事をこなさなきゃね)
パーティで知らない人たちと話すよりは、何か仕事をしていた方が楽だ。
(魔王様、やっぱりまだお仕事が終わらないのかしら?)
私はきょろきょろと辺りを見回す。彼の姿はどこにも見当たらない。
(どうしたんだろう? やっぱり、まだ仕事してるのかな……?)
その時だ。後ろからポンっと肩を叩かれたのは。
「ひゃっ! ……魔王様?」
振り向くとそこには、そびえるような長身の男性が立っていた。
「待たせたな。僕のハニー」
くさい台詞を口にすると、魔王は私の手を取った。太い眉が、笑顔で下がる。こういう三枚目っぽいところが、私は好きだった。
「まぁ、魔王様!」
私は嬉しさから、手を叩いて小躍りした。明らかにオーバーリアクションだが、それくらい感激していたのだ。
魔王はいつもの黒ずくめの服装とは違い、深紅のマントを身に着けていた。
そして、艶々の黒髪は専属のヘアメイク(人間界からの転移者)によってセットされている。
どこからどう見ても、魔王様は立派だ。見とれてしまうほどに美しい。
「どうだ? 似合ってるか?」
そう言いながら、魔王は前髪を掻き上げた。
「ええ、とってもお似合いです」
私はうっとりと答える。
(ああ、やっぱり魔王様、かっこいいなぁ……!)
結婚を申し込まれたときは「なんで私が!?」なんて反発していたが、どう考えても魔王の方が格上だ。
職業に貴賎無し、とはいえ、現代日本の経理職と魔界の魔王なら、魔王の方が近寄りがたい印象だし。
「そうか、よかった! さ、みんな待ってるぞ! 行こう」
そう言うと、魔王様は私の手を取った。そのまま広間の中央へとエスコートしてくれる。
私たちは二人並んで来客の前に立った。途端に拍手が巻き起こる。
「えー、みなさん! 本日はお集まりいただきありがとうございます!」
魔王が声を張り上げると、周りの人々も一斉にそちらを見た。
「今年も残りわずかとなりましたが――」
の後、魔王のスピーチが続いた。
「――それでは皆さん、乾杯!!」
そうしてパーティは始まったのである。
いよいよ、魔王城での年越しパーティ開始の時間だ。
魔王城のダンスホールを開放して行われる今回のパーティは、立食形式で行われる。
中央にある大きなテーブルには色とりどりの豪華な食事が並んでいた。そしてそれを囲むように、大勢の人々が集う。
私は入り口で受付係をすることになった。新人だからと半強制的に与えられた役割である。
(ちゃんと仕事をこなさなきゃね)
パーティで知らない人たちと話すよりは、何か仕事をしていた方が楽だ。
(魔王様、やっぱりまだお仕事が終わらないのかしら?)
私はきょろきょろと辺りを見回す。彼の姿はどこにも見当たらない。
(どうしたんだろう? やっぱり、まだ仕事してるのかな……?)
その時だ。後ろからポンっと肩を叩かれたのは。
「ひゃっ! ……魔王様?」
振り向くとそこには、そびえるような長身の男性が立っていた。
「待たせたな。僕のハニー」
くさい台詞を口にすると、魔王は私の手を取った。太い眉が、笑顔で下がる。こういう三枚目っぽいところが、私は好きだった。
「まぁ、魔王様!」
私は嬉しさから、手を叩いて小躍りした。明らかにオーバーリアクションだが、それくらい感激していたのだ。
魔王はいつもの黒ずくめの服装とは違い、深紅のマントを身に着けていた。
そして、艶々の黒髪は専属のヘアメイク(人間界からの転移者)によってセットされている。
どこからどう見ても、魔王様は立派だ。見とれてしまうほどに美しい。
「どうだ? 似合ってるか?」
そう言いながら、魔王は前髪を掻き上げた。
「ええ、とってもお似合いです」
私はうっとりと答える。
(ああ、やっぱり魔王様、かっこいいなぁ……!)
結婚を申し込まれたときは「なんで私が!?」なんて反発していたが、どう考えても魔王の方が格上だ。
職業に貴賎無し、とはいえ、現代日本の経理職と魔界の魔王なら、魔王の方が近寄りがたい印象だし。
「そうか、よかった! さ、みんな待ってるぞ! 行こう」
そう言うと、魔王様は私の手を取った。そのまま広間の中央へとエスコートしてくれる。
私たちは二人並んで来客の前に立った。途端に拍手が巻き起こる。
「えー、みなさん! 本日はお集まりいただきありがとうございます!」
魔王が声を張り上げると、周りの人々も一斉にそちらを見た。
「今年も残りわずかとなりましたが――」
の後、魔王のスピーチが続いた。
「――それでは皆さん、乾杯!!」
そうしてパーティは始まったのである。
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