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5.専務のお味は★(1800字)
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優美子さんは絶句し、口をパクパクさせる。
「な、なぜそんな物を……?」
「避妊したことと引き換えに、優美子さんに俺の精液を飲み干してもらいたいと思ってさ。このコンドームの精液を飲み干したら、結婚指輪を返してあげるよ」
「えっ……!?」
はぁ? 鬼畜! 専務、鬼畜すぎるだろ!
案の定、優美子さんの表情は絶望に支配されていた。
だが、彼女はまだ快楽の余韻から抜け出せていないようで、時折、脚をピクンと震わせている。
「さあ、早く飲まないと仕事に遅れてしまうよ?」
専務は優美子さんの唇に精液の入ったコンドームを押しつけた。
「んっ……ふぁっ」
「ほら、口を開けて」
専務に促され、優美子さんは恐る恐る口を開いた。
彼女の口内に専務の精液が流し込まれる。
白濁したそれの一部は泡立っており、側から見ているだけで虫唾が走る。
苦しそうな表情を浮かべる優美子さん。だが専務は容赦しない。
「ほら、ちゃんと飲み干さないと結婚指輪を返してあげないよ?」
優美子さんは涙目でコクンと頷く。そして喉を動かし始めた。
「んくっ……んっ」
ゴクリという音とともに喉が上下する。
専務の精液は量が多いらしく、優美子さんは途中でむせてしまう。
「げほっ、ごほっ」
「大丈夫かい? 無理しないでいいんだよ? ただし、リタイアしたら結婚指輪は俺が預かるからね」
専務は優美子さんの背中をさする。優美子さんは涙目で首を横に振った。
無理もない。女子社員に古臭い制服がある弊社では、アクセサリーも結婚指輪のみと定められている。だから既婚者のほぼ全員が結婚指輪を身につけているのだ。
突然、優美子さんが指輪を外したら、それはそれでおかしな噂を立てられかねない。
それを承知で専務は意地悪を言っているのだ。まさに鬼畜である。
優美子さんは少し休んでから、ふたたび喉を動かし始める。
「んっ……んんっ」
咳き込みそうになるたび休みつつも、優美子さんは堪え、精液は最後の一滴まで残らず嚥下された。
「よしよし、よく頑張ったね」
専務は優美子さんの頭を撫でた。
そして萎みきった使用済みコンドームの中から結婚指輪を取り出し、優美子さんに手渡す。彼女はホッとした表情を浮かべた。
「ふふっ、俺のザーメンの味はどうだった?」
「に……苦かったです」
優美子さんは黒目がちな瞳を伏せて、恥ずかしそうに答えた。
「そりゃあそうだろ」
専務は嘲笑したかのように笑った。そして使用済みコンドームを資料室のゴミ箱に投げ入れる。
「これからは、薬指の結婚指輪を見るたびに、俺との今日のセックスと、ほろ苦い精液の味を思い出してくれよ」
「……」
優美子さんは答えなかった。いや、答えられなかったのだろう。
彼女は頬を染めて俯いている。
えっ、この二人、こういうプレイが好きなラブラブ不倫カップルなの……?
「よく頑張ったね、偉いよ。それじゃあ、そろそろ行こうか」
専務は優美子さんの手を引き、資料室を出て行こうとする。
「あの、専務、私も帰ってよろしいでしょうか?」
パイプ椅子に座り二人の情事を観察していた私は、おずおずと二人に声をかけた。
「あぁ、もう帰ってくれて構わないよ」
「ではお先に失礼します」
私は立ち上がって二人に頭を下げると、資料室を後にした。
そして一目散に廊下を走り、自分のデスクに戻ったのである。
あ~びっくりした! 何あれ! すげぇ濃厚なセックス!
いや、もう生々しすぎて鼻血出るかと思ったわ!
それにしても、優美子さんってあんなに乱れるんだなぁ……普段は真面目だから想像つかないけど、ギャップ萌えってやつかしら? ちょっと興奮しちゃったかも……うふふ。私って意外とスケベなのかな?
いろんな思いが、私の頭をグルグルと巡っていく。
でもなんか……この会社生活、悪くないんじゃない?
散々悪態をついたけれど、なんだかんだで仕事や待遇や給与には満足している。
そしてぶっちゃけ、私は専務と優美子さんの関係に興味津々だ。
あの二人の秘密を暴きたい! もっと詳しく観察したい! そんな思いが胸の内からふつふつと湧き上がってきたのだ。
よし決めた! もっと仕事を頑張ってみよう! そうしたらきっと何かが変わるはず! よし、いっくぞ~頑張るぞ~!
そんなわけで私は仕事に戻った。
もちろん、優美子さんもいつも通り経理部で、優しく丁寧な仕事ぶりを発揮している。
一度書類を提出しに行ったとき、優美子さんは私に気づいたようだった。
結婚指輪をした左手を右手で包み込むようにして隠す彼女を見て、私はまたドキッとした記憶がある。
――かくして私は、働く気力を取り戻した。ああ、何年も続けていたら良いこともそれなりにあるね!
今日も張り切って、仕事を頑張るぜ! アディオス。
おわり
「な、なぜそんな物を……?」
「避妊したことと引き換えに、優美子さんに俺の精液を飲み干してもらいたいと思ってさ。このコンドームの精液を飲み干したら、結婚指輪を返してあげるよ」
「えっ……!?」
はぁ? 鬼畜! 専務、鬼畜すぎるだろ!
案の定、優美子さんの表情は絶望に支配されていた。
だが、彼女はまだ快楽の余韻から抜け出せていないようで、時折、脚をピクンと震わせている。
「さあ、早く飲まないと仕事に遅れてしまうよ?」
専務は優美子さんの唇に精液の入ったコンドームを押しつけた。
「んっ……ふぁっ」
「ほら、口を開けて」
専務に促され、優美子さんは恐る恐る口を開いた。
彼女の口内に専務の精液が流し込まれる。
白濁したそれの一部は泡立っており、側から見ているだけで虫唾が走る。
苦しそうな表情を浮かべる優美子さん。だが専務は容赦しない。
「ほら、ちゃんと飲み干さないと結婚指輪を返してあげないよ?」
優美子さんは涙目でコクンと頷く。そして喉を動かし始めた。
「んくっ……んっ」
ゴクリという音とともに喉が上下する。
専務の精液は量が多いらしく、優美子さんは途中でむせてしまう。
「げほっ、ごほっ」
「大丈夫かい? 無理しないでいいんだよ? ただし、リタイアしたら結婚指輪は俺が預かるからね」
専務は優美子さんの背中をさする。優美子さんは涙目で首を横に振った。
無理もない。女子社員に古臭い制服がある弊社では、アクセサリーも結婚指輪のみと定められている。だから既婚者のほぼ全員が結婚指輪を身につけているのだ。
突然、優美子さんが指輪を外したら、それはそれでおかしな噂を立てられかねない。
それを承知で専務は意地悪を言っているのだ。まさに鬼畜である。
優美子さんは少し休んでから、ふたたび喉を動かし始める。
「んっ……んんっ」
咳き込みそうになるたび休みつつも、優美子さんは堪え、精液は最後の一滴まで残らず嚥下された。
「よしよし、よく頑張ったね」
専務は優美子さんの頭を撫でた。
そして萎みきった使用済みコンドームの中から結婚指輪を取り出し、優美子さんに手渡す。彼女はホッとした表情を浮かべた。
「ふふっ、俺のザーメンの味はどうだった?」
「に……苦かったです」
優美子さんは黒目がちな瞳を伏せて、恥ずかしそうに答えた。
「そりゃあそうだろ」
専務は嘲笑したかのように笑った。そして使用済みコンドームを資料室のゴミ箱に投げ入れる。
「これからは、薬指の結婚指輪を見るたびに、俺との今日のセックスと、ほろ苦い精液の味を思い出してくれよ」
「……」
優美子さんは答えなかった。いや、答えられなかったのだろう。
彼女は頬を染めて俯いている。
えっ、この二人、こういうプレイが好きなラブラブ不倫カップルなの……?
「よく頑張ったね、偉いよ。それじゃあ、そろそろ行こうか」
専務は優美子さんの手を引き、資料室を出て行こうとする。
「あの、専務、私も帰ってよろしいでしょうか?」
パイプ椅子に座り二人の情事を観察していた私は、おずおずと二人に声をかけた。
「あぁ、もう帰ってくれて構わないよ」
「ではお先に失礼します」
私は立ち上がって二人に頭を下げると、資料室を後にした。
そして一目散に廊下を走り、自分のデスクに戻ったのである。
あ~びっくりした! 何あれ! すげぇ濃厚なセックス!
いや、もう生々しすぎて鼻血出るかと思ったわ!
それにしても、優美子さんってあんなに乱れるんだなぁ……普段は真面目だから想像つかないけど、ギャップ萌えってやつかしら? ちょっと興奮しちゃったかも……うふふ。私って意外とスケベなのかな?
いろんな思いが、私の頭をグルグルと巡っていく。
でもなんか……この会社生活、悪くないんじゃない?
散々悪態をついたけれど、なんだかんだで仕事や待遇や給与には満足している。
そしてぶっちゃけ、私は専務と優美子さんの関係に興味津々だ。
あの二人の秘密を暴きたい! もっと詳しく観察したい! そんな思いが胸の内からふつふつと湧き上がってきたのだ。
よし決めた! もっと仕事を頑張ってみよう! そうしたらきっと何かが変わるはず! よし、いっくぞ~頑張るぞ~!
そんなわけで私は仕事に戻った。
もちろん、優美子さんもいつも通り経理部で、優しく丁寧な仕事ぶりを発揮している。
一度書類を提出しに行ったとき、優美子さんは私に気づいたようだった。
結婚指輪をした左手を右手で包み込むようにして隠す彼女を見て、私はまたドキッとした記憶がある。
――かくして私は、働く気力を取り戻した。ああ、何年も続けていたら良いこともそれなりにあるね!
今日も張り切って、仕事を頑張るぜ! アディオス。
おわり
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