最強者のVRMMO活動記 ~トラブルに愛されるとあるプレイヤーのトラブルシューティング記~

火の無い灰

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8章「心の在り処」

目覚めない彼と闇の街の美術館【深海の地】

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―――――――――――
一時、暴走したヒビキの発した深淵属性の魔力は非常に広範囲に及び、外にいた吸血鬼軍団のほとんども深淵に呑まれて消え去った。僅かな生き残りはどこかに飛び去ったようだ。
目的を果たしたレイヴンとヴィントとフレンド登録を済ませてから、神殿の外で別れる。

あの後ヒビキは数分で意識を取り戻し、今はすっかり元通りだ。
カイとヒビキ、スコールは他愛もない話を交わしながら基地へ戻る最中である。その途中で一通のメッセージが届いた。差出人はユリィ。

《依頼はあらかた完遂されたわ。報酬はこっちで渡しておいていいかしら》という内容である。
「OKと返しておきますね」

カイが手短に返信し終わる。
その隣ではヒビキが水筒に入ったスープをごくごく飲んでいるところだった。カイが先ほど余った分を入れた水筒をスコールに渡そうとしたのだが、彼は硬い表情で断った。
そういえば昨日も、スコールは頑なに水や紅茶などお茶系以外の「飲み物」を頼もうとしなかった。あの時はスープを頼んでいたが、浅皿によそわれた形式だったからなのか。
…どうやら彼は「グラスなどから何かを飲むこと」に対して相当強いトラウマを持っている様だ、という結論に達し、カイもそれ以上は何も言わなかった。


―ルキとあの青年・少女がいる宿に戻る。

「……まだ目を覚ましてねぇのか?」
「そうみたいですね」
「そうなんだよなあ」

青年が眠る素朴なベッドの隣で心底心配そうな様子の少女をルキはちらと一瞥し、こちらに向き直る。

「てかさ、そいつの持ってる神器って」
「もろ、銃ですよね」
『……だな』

傍らの小さな机には灰色の革で作られたホルスターと、冷たく無機質な黒と銀、そして飾りとして嵌め込まれた紅と蒼の四角錐形の宝石が煌きを主張する2丁の短銃が置かれている。

「さてと」

ヒビキが壁際の椅子にどかりと座り込む。

「どうやったら目ぇ覚ますのかね」

解析アナリシス】で見たところ状態異常は見受けられない。
暫く悶々と考えていると、唐突にポーンという音が鳴り一枚のウィンドウが自動で開いた。


《イベントハイライト》

平素より、ザ・ファイナルリコード・オンラインをプレイしてくださり、誠にありがとうございます。
キャンペーンイベント第2章となりますイベントの発生条件《???》を満たすためのキークエストがクリアされ、及びキーNPCが発見されました。
これより、5主街区の内「カヴン」に『魔女の奇妙なる怪画集』他魔法使いが創作した作品を展示する美術館がオープンいたします。
また、それに従い新クエスト・新モンスターを追加いたしました。
是非お楽しみください。

残る発生条件はあと1つとなります。
皆様の活躍をお祈りいたしております。

Re:ザ・ファイナルリコード・オンライン運営チーム


「は?美術館だと?」
「別におかしくはありませんが……まあ発生条件とやらに脈絡がないのはいつものことですし」

そして後でまとめてフラグ回収されるのがお決まりなのだが。

「これは行くべきだな」
「…別に構いませんけど。恐らく美術館の形を借りたダンジョンでしょうし」
「そしてキークエとやらをクリアしたのは恐らくあいつらだろうし」

エヴァンと彼の友人たちを思い浮かべていたのは明らかである。

「まあそれはいいとして」
「…オレはちょっとこいつと一緒にそいつを目覚めさせるにゃどうすればいいか情報集めでもしてくる」
「了解」

そういってルキは少女を連れて出ていった。

「さてと俺らはどうするか」
「この人放っておくわけにもいきませんし…」

本当に何か異常があるわけではないのかと改めて【解析】で見たところ、異常はない代わりに普通の人間の外見をしている割には幾つか不自然な点が垣間見えた。

例えば、種族表示。
通常なら人族ヒューマンなり森妖精族エルフなり、何かしらちゃんと文字が表示されるはずなのだが彼の表示は【***族】となっている。

多少の疑念を抱きながらも、やはり放置していくのはいけないと思ったか今度はカイが言い出す。

「じゃあルキに許可とってアステリスクに一旦移動しますね。またそっちに行きますので」
「わかった、頼む」

短く答え、ヒビキはスコールと一緒にカヴンへ転移した。それを追ってカイも転移する。

*****

――昔々、ある村に不思議な力を持った一人の心優しく病弱な少女がおりました。

彼女は絵を描くのが好きで、幼いころから何枚も絵を描いていました。

ある日、彼女は自身の血に宿る魔法の力を使って一枚の絵を描きました。それは近所の重い病気にかかったおじいさんのために描かれた、魔法の絵でした。

おじいさんが貰った絵を家に飾っていると、日が経つにつれ病気はどんどん治っていきました。

噂は村中に広まり、少女の元に魔法の絵を描いてほしいと頼んでくる人が次々に訪れました。

彼女の描いた魔法の絵は、たちどころに効果を表しました。

生活に苦しむ正直者の一家には生きるに事足りる分の金が湧き、

片腕をなくした農夫には腕が生え、

生まれつき視覚の無い花嫁は光を得。

やがて魔法の絵の噂は国中に広まりました。
少女は人のために、魔法の絵を描き続けました。

しかしやがて、魔法の絵の力を独占しようとする者や絵の力を悪事に使う者が現れ始めます。

とある絵の所有者は絵を狙った賊に殺され、

絵から出てきたいきものに人殺しをさせる強盗が現れ、

絵の力にとりつかれ、正気を失った者まで出る始末。

心優しい少女はやがて、「魔女」と呼ばれ恐れられ、忌まれるようになり。
彼女の描いた優に500枚を超える魔法の絵画たちのほとんどは、人間の醜い欲や悪意に穢れてしまって絵画ではなく不気味な怪画となり果ててしまったとさ。

だから彼女は、最後に自らの手元に残った一番最初の作品――誰の為でもなく、彼女自身が孤独を癒すため描いた彼女の友達ー――No.000と後に番号を、「ロキ」と名前を付けられるその作品だけは穢れてしまわないように誰の目にも触れない、誰も訪れる事の無い場所に隠しておいたのです。

他にも、彼女が特定の目的のために描いた絵の内数枚は穢されることなく保存された。

…その場所の、地面の更に下。
人の身で扱える中では最高位の神器、それを振るった王が起こした戦争はそのまま『神々の黄昏ラグナロク』まで続くという終焉をもたらす破滅の剣、ダインスレイフがあるとは少女は知りようもなかった。

少女の絵の力と、破滅の剣の力とが混じり合い生まれた化身が古書に残る『黄昏の眼の旅人』だと言われています。
―――


――カヴンに到着。
当の美術館とやらはすぐわかった。かなり目立つ大きさ且つデザイン、それにイベントハイライトを読んだ多数のプレイヤーたちとNPCが入場まちの列を作っていたからだ。ちなみに入場券販売所の列はあまり長くなく、差が凄い。

「んーと?こっちが入場券販売所?」
「そのようですね」
『珍しいほどの人の多さだな…』

丁度空いた受付口に向かう。

「こんにちはー」
「こんにちは。ニーア・パルチア展入場券をご購入ですか?」
「あ、はい」
「一日入場券になさいますか?」
「それでお願いします」
「何名様でしょう?」
「三名で」
「承りました」

3枚のカード型入場券を800Lルー×3で計2400Lを支払い入手。

「買ってきたぞー」
「じゃ、列に並びましょうか」
『だな』

…で、入れたのは実に数十分後のことだった。
白い壁に規則正しく並ぶ、幾つもの絵画。何かを明確に描いたものもあれば、一見ワケの分からない抽象的な絵もある。勿論様々なオブジェもあった。
それらは傍目に見れば普通の美術品にしか見えないが…。

『これ、は…………魔力、気持ち悪いな………』
「ん?…………うぉ、これは…」

少し周りに集中してみると、大部分の作品から気味の悪い魔力が漏れ出しているのがわかった。悪意や欲、善意が一緒くたに混じり合ったスカスカな…確かに気持ち悪い感じだ。
取りあえずその気味悪い魔力は努めてスルーすることにして、一通り見て回ることにする。

【貴き果実】
ダイヤのような宝石が複雑にカットされた煌めくリンゴのオブジェだ。

【長鳴きの朝】
長鳴鳥が屋根の上で鳴いている姿を描いた絵だ。

【黒白色の君】
白黒のはちわれ猫がこちらを覗き込む様が大きく描かれている絵だ。かわいい。

【傷心】
濃いピンク色の球体に、沢山の刃物が突き立てられており傷口から血が流れている。

【十字路】
赤い十字路の絵。その先に何があるかは描かれていない。

【救済】
金色の十字架が掲げられた、白い祭壇の絵だ。

【白服の女】
真っ白な服を着た、気の強そうな女の絵だ。

【後悔】
暗い色がマーブルに入り混じった抽象的な絵だ。

【悟り】
灰色の背景に、木炭か何かで目が一つだけ描かれている。

【迷い】
片手に血に濡れたナイフを、もう片手に杖を持っている顔のない人の絵だ。

【選択】
ボロボロの銀の天秤の絵だ。

【朽ちる未来】
廃墟のようなものが、夕暮れの荒野の中にポツンとある絵だ。

【と或る人形の恋】
操り人形の少女と持ち主らしき男性が微笑みあっている絵だ。

【流動する音】
折れ線グラフのようなギザギザの黄色い線が緑地に引かれた絵だ。どこか、心電図グラフを彷彿とさせる。

【彼方の檻】
灰色の檻の向こう側に何かがいる絵だ。

【蛇蝎の精神】
極彩色が入り混じった、目に痛そうな抽象的な絵だ。

【甘みある樹】
パステルカラーの実がたわわに生った、おいしそうな樹のオブジェだ。

【複製された個性】
全く同じ、服の色だけ違うのっぺらぼうの人の像だ。

【心の顕現】
数枚花弁の散った大きな花のオブジェだ。オブジェの下は水槽で、黒い水で満たされている。

【夢の深層】
ミルフィーユのようにパステルカラーの層が積み重なった絵だ。

【寝坊助な男】
眠たそうな男が描かれた絵だ。

【延命措置】
中央に描かれた赤いハートに、カラフルなチューブが繋がれている絵だ。



大体見て回った処で、スコールが不意にふらついた。すぐ立ち直ったが、顔色が悪い。ただでさえ魔力に敏感な精霊族だ。恐らく耐性の無い魔力に当てられたからだろう。すぐ近くの壁際にあったベンチに3人並んで座る。

少し離れていたカイが、何かに気づいたようだ。

「ヒビキ、この先の部屋にある床一面の大きな絵が怪しいですよ。気味悪い魔力はそのから溢れているみたいです」
「奥ぅ?」

ヒビキが訝し気な表情になる。まさか絵の中に入っていけということか?

「ですかr……?」

カイが何か言う途中でいきなり、美術館内の灯りが消えた。辺りは闇に包まれる。

「灯りが消えたぞ?…って何か聞こえるな」

耳を澄ますと、微かに子供の笑い声のような高い声が聞こえてくる。しかしあまりに微かなため位置はつかめず、それより気になるのは床に青い絵の具と思しき足跡が点々とついていることだ。

「わー面倒事の匂いがしますー」
「…この足跡、あっちの方に続いてるな」

風と闇に親和性が高い故にこの暗がりでもこの中で一番目の利くヒビキが紅い視線を動かす。彼の感知力は絵画から零れていた気味悪い魔力がこの暗闇の中、更に濃くなったのを感じ取っていた。
まだ顔色の悪いーどころか更に具合が悪くなっているらしく苦し気な息遣いのままのスコールをいたわりながら足跡を追う。足跡は床に描かれた暗い青の大きな絵の前で途切れていた。

【深海の地】

光も届かぬ昏い青の海、その中を泳ぐ奇妙な一匹の大きな骨の魚。見る者にある種の不気味さ、雄大さ、恐怖を植え付けるようなその絵。にヒビキは手を伸ばす。

「入れんのか?」

呟きながら手を突っ込むと、手は。伝わってくるのは冷たい、氷のような水の感触…

「おいカイ、行けるみたいだぞ!」
「本当ですか」
「ああ」

と答えたが否や、ヒビキは躊躇いも無く身を躍らせた。スコールを連れたカイもそれに続く。
……ザブン、という音と短い潜水の後、3人は青い部屋の入り口に立っていた。

「ほら案の定」
「美術館裏世界に到着…ってか?」
「もしかしたらあの青年を目覚めさせる手掛かりとかあるかもしれませんよ」
「それもそうか。色々気になることもあるし」
『…………ッ』
「スコール、無理はすんなよな?」
『…ッ、大丈夫、だ…』

…あんまり大丈夫じゃなさそうだ。耐性の無い魔力に当てられたからってここまで具合が悪くなるとは考え難い。恐らくは他の要因があるのだろうか。でも置いていくわけにもいかない。

「…………じゃ、行くか」

青い部屋の奥へと歩を進ませる。

―――――――――
青い部屋もまた、表の美術館と似た造りになっていた。絵画やオブジェの題名から察せる限り、ここは「深海」に関わるテーマの作品が集められている。


【闇に沈んだ生命】
真っ暗な海に沈む、人影。深い海は断絶の象徴。沈めば永く眠る事となる。

【奥底に隠れた宝】No.249
海底には隠された巨万の宝があると言われる。それを求めた者たちは、二度と帰ってこなかった。

【未知なる真実】No.231
誰も知らない新たなる真実を求めて。……そんなもの、あるのだろうか。あればいいが…

【アドリア海の花嫁】No.241
水上に浮かぶ白亜の都市。その姿は美しいが同時に傲慢でもある。実際、街は要塞の役目も持っていた。

【未帰還者らの行先】No.235
未だに帰ってこない者たちは、どこに行ったのだろうか。

【海百合の導き】No.210
朧に光る海百合は導きの標。従うかどうかは己次第。

【冥界への旅路】
死者たちを乗せた幽霊船は、冥府へと消えていく。その姿を見た者は生きてはいられない。

【逆巻く怨念】
無念に散った者どもの未練が大渦を呼び、生ける者を飲み込む。

【深闇の灯台守】No.246
深海には標となる青白い灯りの灯台が建っている。灯台守については、知らない方がいい。

【深青の鎮守石】No.245
ある深海にある宝石は、昔から鎮守石と呼ばれている。何を鎮めるのか。あまり深入りしてはいけない。

【死後の再会】No.236
生きている間に会えぬなら、死して会おう。幸福に至ることはもうできないけれど。

【奇妙な生き物】
深海は奇妙な生命の溜まり場である。彼らは一線を画した、独自の進化を遂げた。

【航海船の墓場】



時々作品ナンバーのついたものが見受けられる。今も空間に満ちる「気味悪い魔力」はそのナンバー付きの作品から零れ出続けているようだ。

「こいつらが魔法絵か…?」
「みたい、ですね」
「あまり意味わかんねぇのもあるけどな」

等間隔に壁に掛けられていた絵の中にしれっと張り紙が混じっていた。一度その前を通り過ぎた後、違和感を感じたヒビキが戻ってきて気づいたためもしかしたらそのまま気づかなかった可能性もある。

――『かけらを あつめよ。かけらは、5つある』

―コトン

『…………これ…のこと…か?』

スコールが【未帰還者らの行き先】の絵の前に落ちている古びた手紙入りボトルを指差す。

「それもだろうが…5つあるって書いてあるぜ」
「探してみましょう」

暫く部屋の隅々まで探索してみる。その中で一つだけ離れた位置に展示されていた【アドリア海の花嫁】の絵の前に来たヒビキが呟く。

「何でこんなとこに本棚があんだか…」

花嫁、という割に描かれているのは美しい碧の海とその中に浮かぶ白亜の都市の絵だ。その絵の傍らに幾つかの本が収まった小さな本棚が設置されていた。何かないかと収められた本を順番に読んでみることにする。
その中の一冊。

【とある冒険家の日記】
XXXX年海の月XX日花の刻。
私たち冒険隊は前日、酷い時化に遭った。
危うく沈没しかけたが、すんでのところで私と隊員たちの命だけは助かった。
しかし食料の半ばまでが海水に侵されてもう使い物にならない。何とかならないか…と思っていたところある隊員が遠方に都市を発見した。
それはそれは、遠目からでも分かるほど美しい都市だった。
一点の穢れなく透き通った碧の海に寄りそう様に浮かぶ、白亜の水上都市。
その都市で私たちは足りなくなった食料を買い込むことができた。
この都市はまるで海の花嫁のようで、また女王とも形容できる美しさだ。孤島の様にポツンとアドリア海に浮かぶこの水上都市は、水害に悩まされることもあるのだそうだがそんなことは気にならないぐらい、栄えていた。
……

本、というか日記に挟み込まれていた題名のないこれまた古ぼけた茶表紙の手帳。アイテム名を調べてみれば案の定、【冒険家の手帳】とだけそっけなく表示されていた。
その手帳を持って【深闇の灯台守】の絵の前にいるスコールの方へ向かう。幾らか具合もよくなってきたらしく、様子は普段とほぼ変わりない。

「その鍵は?」
『絵を一回軽く叩いたら絵に描かれていた鍵が落ちてきたんだが』

簡素な紐で首から下げられるようになっている錆色の小さな鍵。ダイヤ型のキートップには小さく灯台の模様が刻まれている。

「ほぉ…あとひ、ふ、み…2つか」
「………こちらも一つ見つけましたよー」
「お、カイ」
「…大丈夫だと思いますが、絵を飾っていたフレームがちょっと欠けてしまいました」

言葉は平静を保てているが、表情は「壊してはいけないものの近くで遊んでいてふとしたはずみでそれを壊してしまった子供」の不安に溢れた表情そのものだった。

「げふっ…まあ大丈夫だと思うぜ。で、その問題の欠片は?」
「これです」

カイが差し出した右手には、小さな角ばった深青の石の破片がのっていた。ラピスラズリと思しきその石は、深青の煌きを滑らかに反射させている。

「ならいい」
「あとは…」

その後暫くまたあちこち青い部屋の中を探し回ったが、なかなか最後の一つはみつからない。

「どこにあんだ…?」
『……………』

不意にスコールが目を閉じる。と周りの魔力が一瞬ざわめいたような気がした。

『これか』

そして手を伸ばしたのは【海百合の導き】の絵をぼんやりと照らしていた海百合を象った蒼いランプ。小さなランプを壁から外すと、ぱらっ…という本のページをめくった時の音が張り紙から鳴った。

―『かけらを、つくえにまとめよ』

「宝石て…あのラピスラズリの机のことかぁ?」

次の部屋へ続くと思しき大きな扉の前に、ラピスラズリでできた深青の机が置かれている。表面の青は魔法石の照明の光を艶やかに反射し輝く。

『これを一緒に置けばいいわけか』

冒険家の手帳、手紙入りボトル、灯台の古鍵、ラピスラズリの欠片、海百合のランプ。
机にまとめてそれらを置いた途端、重厚な質感の扉はギギィ…と音を鳴らし自ら開いた。

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