75 / 120
9章「開かれた外交、狂気の戦場」
呪いの霧の国の侵攻・前夜
しおりを挟む
――――――――――巨人墓場の頼まれごとを解決してからリアル時間で翌日。夕刻より少し遅い時間帯に5人は揃ってログインし、ある戦いに参加するため同じ場所に足を向けた。
…
――――――――――――
海民族領の女王様から呼び出しを受けたヒビキとスコールは、天幕の中の一つへ向かう。ちなみにこの場に集まった冒険者全員に【戦績の腕輪】が配られ、今は準備で大騒ぎになっている。
「よく来てくれた。以前から危険視されていた呪いの霧の国の阿呆な奴らが攻め込んできてな……今回は他の種族の長たちも勢ぞろいだぞ」
そう言ってちらと横を一瞥する女王様。そこには人族、森妖精族、竜燐族、獣人族の長に、魔人族、天翼族、精霊族の王様や女王様もいた。曰く、彼らの子供たちも参加しているらしい。あと、後方支援を務めるのかそれぞれの宗派の教会の教皇もいる。今回の大事に対しては、普段の仲関係なく事に当たりましょうということになったのか。それはいいことだ。
「見覚えのない特徴を持った人が数人いるな……」
『あれか?確かドラゴン族と、古代人族の長だな』
隣にいたスコールが即答した。その答えが言いきられるか直後、当のその2種族の長たちと精霊族の長がこちらへ歩いてくる。
「海民族の長殿、そちらのお二方は?」
「ああ、こちらは”狩人”の血を継ぐ魔導機人で、ヒビキ殿という。そちらは血晶精霊のスコール殿という。領内で以前世話になってな」
「ほお、あの有名な……他のお仲間はいるのでしょうか」
「他にも一応4人いますよ」
「それは心強い。今回攻めてくる外道どもには、念入りに仕置きをしておかなければ気が済まん」
ドラゴン族の長がやや憤慨した様子でいう。よく見ると精霊族の長や、離れた位置で会議中の獣人族の長もその表情に怒気が滲んでいる。一体何があったのかと訊くと、こんな答えが返ってきた。
「我が種族の子たちの一部が、奴らの手の者に攫われてしまったのだ。無論追いかけたが、奴ら途中で上手く姿を眩ましおってな…隠密の報告では、奴らは攫った他種族の子を洗脳し歪ませ自らの手駒にしているという。絶対に許すわけにはいかぬ。
手駒にされた子らは、もう戻せない。これ以上奴らの道具として使われ続ける前に、殺すしかない」
と。…………予想以上に外道だ。
「どう対処するおつもりですか?」
「竜燐族と我ら、人族・獣人族・魔人族の重装系戦士で最前線を担当してもらい、天翼族と鳥系獣人族・精霊族で空戦を担当。森妖精族は弓と魔法を、海民族は獣人族の大部分の方と一緒に軽装で遊撃担当。教会の方々と古代人族の方々は後方支援を担当してもらう。異邦人の方々はそれぞれ自らの得意分野に合わせた部隊と共に行動してもらうつもりだ。まあ主に、の話だが」
「そうですか」
「手駒にされ、灰色と化した精霊やドラゴン、騎獣は耐久力は下がっているが、攻撃力や敏捷力は大幅に上がっている。用心して欲しい」
「……………………………………」
「魔導機人の方々はそれぞれの部隊の掩護をして下さればありがたいです。実は今回、私たち古代人族の祖先が造った自立機械兵器の一部も奴らに持っていかれてしまいまして…不甲斐ないばかりです」
と古代人族の長。
「ま、俺たちは俺たちで自由にやらせてもらうぜ?」
「異邦人の方々にはあなた方含め、そうしていただくつもりです。好きにやっていただいた方がやりやすいと思いますし。ただし攻勢と退却のタイミングだけは守っていただきます」
「俺は別に構わねぇよ。な、スコール」
スコールもこくりと頷く。
「ありがとうございます。では後は我らで話を詰めたいので、決戦の時まで準備などをしておいてくださいな」
ということで、2人は天幕を去り、仲間のところへ戻る。
…
―――【蒼穹】のギルドテントの中。他の4人も勢ぞろいしていた。
「おうヒビキ。オレとアリスは魔人族の兵士たちにきっかり防御スキルを教えてきたぜ」
「それはご苦労様なこった。で、カイは?」
「ちょっと鍛冶の試作が大きく進みまして…あとで発表します」
「私の方も新しい素材で新しい薬品ができたわ。相手がドラゴン、精霊、人だというなら効きそうだわね」
「あたしも空いた時間に新しいアクセサリを作ってきたよー」
みんなほくほく顔で嬉しそうである。
「で、今回の阿呆どものことなんだが」
「わかってるよぉ。あたしは回復スキル全開でやってたらいいんでしょ?」
「フィリアの聖鈴は付けたか?」
「あ、つけ忘れてた。つけるよー」
「オレは最前線に回ってりゃいいんだな。分かった」
「私は魔導士部隊にいればいいのかしら?」
「そういうことらしい。まあ単純な話、攻撃&退却の指示さえ守ってりゃあ自重なんて輪をかけてかなぐり捨ててやっちまえというこった」
「わかったわ」
「で、それぞれ新作ができたんだってな。カイ、ユリィ、アリス」
「はい。まず僕からですね」
そういってカイが6人で囲んだ輪の中央に1つの武器を出す。
魔法仕掛けの短銃
製作評価:7
クラス:国宝級
属性:魔
製作者:カイ(プレイヤー)
製作者がとある老鍛冶師の教えを得て作った、短銃。魔法仕掛けにより、MPを消費して弾丸を作りだす。使われた素材が素材だからか、製作者にあまり銃製作の経験がないにも関わらず凡以上のものが出来上がった。銃身から迸る紫電は、弾丸の速度を跳ね上げる。
特殊能力 魔法仕掛け(MPを消費して弾丸を作り出す) 紫電(撃ちだされる弾丸の弾速を跳ね上げる) 永久炉の青い炎(耐久値が実質無限、資格ある者しか扱えない) 魔の弾丸(魔力属性により、違う属性の弾丸を作り出す) 耐久値自動回復
「銃……一応まだ国宝級なんですが、できました。あとは細部を詰めていけば超遺物級にまで行けそうです。で、この影響か《鍛冶術》スキルが進化しました」
「それはすごいわ。…次は私ね」
ユリィがその隣に幾つかの小瓶を置く。
抵抗反転の光粉
製作評価:8
製作者:ユリィ(プレイヤー)
魔人族領の危険地域に生える無属性の毒草《反転の光草》他幾つかの妖花から作られる光粉。相手にかけると、相手の持つ耐性及び抵抗値をすべて反転させて弱点とする。逆に相手の耐性及び抵抗がマイナスであった場合、最大で50%までに効果が落ち込む。よそ風にのるレベルで軽い。
青液ポーション・原液
製作評価:9
製作者:ユリィ(プレイヤー)
綺麗な青いとろりとした液のポーション。このポーションは中毒症状を始めとした、普通のポーションでは効きにくい状態異常に覿面に効く。ただしこれは原液であり、水で薄めて使わないと効きすぎて逆に使った者の身体を腐らせてしまう。この性質を応用して攻撃にも使えるが、普通に使うのであれば水をある程度用意した上で使うべき。
割合はカップ一杯の水に対し、原液を数滴溶かして水色に光る水になれば正常な効果を発揮する。
氷炎オイル
製作評価:8
製作者:ユリィ(プレイヤー)
製作者の卓越した錬金技術によって、炎と氷という相反する属性を同居させた攻撃オイル。投げつければ相手を凍てつかせる炎が燃え上がるという、なんとも奇妙な光景が広がるだろう。
「じゃ、最後はあたしだね!」
太陽石のペンダント
製作評価:9 カテゴリ:アクセサリ
製作者:アリス(プレイヤー)
燃えるような炎の色が揺らめく、太陽の宝石が嵌め込まれたペンダント。祝福された装備と同じく、装備者のHPを常時徐々に回復する。それだけではなく、太陽の奇跡を使う者が装備すればその効果を大幅に跳ね上げる効果も持つ。
特殊能力 太陽(祝福された装備と同じ効果を持つ) ぬくもり(一定範囲内の味方にも同じ効果が及ぶ) 敵意感知(最も近い敵性反応を教える) 聖なる奇跡(太陽の奇跡の効果を大幅に跳ね上げる) 天よりの協力者ら(死者蘇生の対象数を引き上げる)
「これね、ダンジョン奥から見つけてきたんだけど、あたしは装備できないからヒビキにあげる。色々性能が狂ってる気はするけど、まあ問題ないでしょ」
月長石のアンクレット
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
冥界の宝石の一つである白の月長石で作られた、夜の世界をモチーフにした非常に精緻なアンクレット。陰の太陽神が冒涜の都で奪われてしまったもののうちの一つ。冥界の宝石が使われた装備は冥界に属する存在以外が装備するとたちまち狂気に蝕まれ、死に至る。
特殊能力 死を告げる月(相手の弱点属性で攻撃した場合、70%の確率で即死させる) 深淵の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても冥界に属する存在以外は装備する資格を持たない) 血の夢(装備者に「精神干渉不可」を付与する。悪夢世界との行き来を可能とする) 狂気の霧(資格ある存在以外が装備すると、狂気に呑まれ悪夢に引きずり込まれる) 柔らかな月光(近くにいる味方のHPを自動回復し、バフを持続付与) 凍てつく月(一定範囲に入った精神を冒された者の動きを止める)
そのアンクレット(足につけるアクセサリ)にヒビキの手が一瞬ぴくりと反応する。
しかしそれだけではなく、今度はルキがカイとアリスに向かってアクセサリを差し出した。
「オレも見つけてきたんだけど、多分これ2人の分だと思うんだよ」
永久炎石の腕輪・特別仕様
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
鍛冶神の扱う青い炎が燃える永久炉のエネルギーの一部が凝固してできた宝石が嵌め込まれた腕輪。今でもそのエネルギーは衰えることがなく、仄かな熱を発している。特にこの腕輪は同じシリーズの中でも、鍛冶神が自らの一番弟子に与えたといわれる最も秀逸な出来のもの。鍛冶神の扱うものから作られた装備は炎に愛された鍛冶師か、鍛冶神とその弟子以外が装備するとたちまち魔力暴走が起き、周囲を巻き込んで死に至る。
特殊能力 青い炎(永久炉のエネルギーを宿す証。鍛冶作業で作られた作品の完成度を上げる) 鍛冶の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても鍛冶神とその周辺にいた存在以外は装備する資格を持たない) 燃え盛る炎(炎属性魔法の威力+300%) 対古代機兵(古代に造られた機械兵に対しダメージ+600%) 消えぬ氷炎(氷属性/炎属性の効果+300%) 鍛冶神の縁(鍛冶神との繋がりが徐々に強くなる)
太陽聖石のピンブローチ
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
太陽の欠片と言われる宝石を、精緻に飾り立てたピンブローチ。まさに太陽の如き橙と黄色の揺らめきは、地上の人々の中で人気が高い。しかしこのピンブローチに使われている宝石は不純物を全く含まない、太陽女神に相応しい純度を誇る。太陽の宝石でできた装備は光と雷に愛された者か、太陽に属する神々以外が装備するとたちまち魂の塵一粒残らず灰になるまで焼き尽くされる。
特殊能力 太陽の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても太陽に属する神々以外は資格を持たない) 慈愛(回復系魔法の効果+350%) 聖性の証(装備者に「精神干渉不可」を付与する) 奇跡の杖(魔力を流すと形態変化。杖として振るえる) 天命(”奇跡の杖”時に確率で発動。周囲に亡者にのみ絶大なダメージを与える光波を放つ) 太陽女神の縁(太陽女神との繋がりが徐々に強くなる)
「……ということはこれから先、ルキとユリィの分も見つかるね」
「そういうことだろうな」
とりあえず出し合ったアクセサリはそれぞれ勧められた相手がつける。銃や薬品はカイやユリィがしかるべきタイミングで使うことにした。
「あと、私の【精霊招来】で「深海属性」の精霊を呼べるようになったみたい。よくわからないけど」
「オレも、「霊土属性」が追加されたな」
「……二人もか。これで全員上位属性が開放されたな」
…
「あとは、自重をすべて取っ払って好きなだけやるべきだな。他のプレイヤーからの嫉妬不満敵意、ンなこた知っちゃこっちゃねぇ。侵攻が成功すりゃあとんでもないことになるんだからな」
『それは賛成する』
「同意、ですね。僕も脳筋の分類として頑張りますよ」
「脳筋って自覚してたのね。……私も出し惜しみはしないわよ」
「あたしもー」
「オレもな」
それぞれの得物を研ぎ直したり、魔法回路の歪みを直したりして準備を進める。
それらが終わった後、明朝に備えて眠ることにした。
******
今回はアクセサリ祭りでした。幻想級のアクセサリはこの世界では神がつけるものとして有名で、存在するもの自体極少ないです。
こんなのが一般プレイヤーや住人達に知れ渡ったら大混乱必至です(笑)
そして重要な戦の前でも、【蒼穹】の面々はマイペースを崩さない。それが彼らの長所。
神族もアクセサリを付けるのですが、暗月神の場合、自分が精神の底で眠っている間に宿主が殺されないようにするためにアクセサリを付けています。本人(本神?)だけならそんなものいらないのですけどね。
…
――――――――――――
海民族領の女王様から呼び出しを受けたヒビキとスコールは、天幕の中の一つへ向かう。ちなみにこの場に集まった冒険者全員に【戦績の腕輪】が配られ、今は準備で大騒ぎになっている。
「よく来てくれた。以前から危険視されていた呪いの霧の国の阿呆な奴らが攻め込んできてな……今回は他の種族の長たちも勢ぞろいだぞ」
そう言ってちらと横を一瞥する女王様。そこには人族、森妖精族、竜燐族、獣人族の長に、魔人族、天翼族、精霊族の王様や女王様もいた。曰く、彼らの子供たちも参加しているらしい。あと、後方支援を務めるのかそれぞれの宗派の教会の教皇もいる。今回の大事に対しては、普段の仲関係なく事に当たりましょうということになったのか。それはいいことだ。
「見覚えのない特徴を持った人が数人いるな……」
『あれか?確かドラゴン族と、古代人族の長だな』
隣にいたスコールが即答した。その答えが言いきられるか直後、当のその2種族の長たちと精霊族の長がこちらへ歩いてくる。
「海民族の長殿、そちらのお二方は?」
「ああ、こちらは”狩人”の血を継ぐ魔導機人で、ヒビキ殿という。そちらは血晶精霊のスコール殿という。領内で以前世話になってな」
「ほお、あの有名な……他のお仲間はいるのでしょうか」
「他にも一応4人いますよ」
「それは心強い。今回攻めてくる外道どもには、念入りに仕置きをしておかなければ気が済まん」
ドラゴン族の長がやや憤慨した様子でいう。よく見ると精霊族の長や、離れた位置で会議中の獣人族の長もその表情に怒気が滲んでいる。一体何があったのかと訊くと、こんな答えが返ってきた。
「我が種族の子たちの一部が、奴らの手の者に攫われてしまったのだ。無論追いかけたが、奴ら途中で上手く姿を眩ましおってな…隠密の報告では、奴らは攫った他種族の子を洗脳し歪ませ自らの手駒にしているという。絶対に許すわけにはいかぬ。
手駒にされた子らは、もう戻せない。これ以上奴らの道具として使われ続ける前に、殺すしかない」
と。…………予想以上に外道だ。
「どう対処するおつもりですか?」
「竜燐族と我ら、人族・獣人族・魔人族の重装系戦士で最前線を担当してもらい、天翼族と鳥系獣人族・精霊族で空戦を担当。森妖精族は弓と魔法を、海民族は獣人族の大部分の方と一緒に軽装で遊撃担当。教会の方々と古代人族の方々は後方支援を担当してもらう。異邦人の方々はそれぞれ自らの得意分野に合わせた部隊と共に行動してもらうつもりだ。まあ主に、の話だが」
「そうですか」
「手駒にされ、灰色と化した精霊やドラゴン、騎獣は耐久力は下がっているが、攻撃力や敏捷力は大幅に上がっている。用心して欲しい」
「……………………………………」
「魔導機人の方々はそれぞれの部隊の掩護をして下さればありがたいです。実は今回、私たち古代人族の祖先が造った自立機械兵器の一部も奴らに持っていかれてしまいまして…不甲斐ないばかりです」
と古代人族の長。
「ま、俺たちは俺たちで自由にやらせてもらうぜ?」
「異邦人の方々にはあなた方含め、そうしていただくつもりです。好きにやっていただいた方がやりやすいと思いますし。ただし攻勢と退却のタイミングだけは守っていただきます」
「俺は別に構わねぇよ。な、スコール」
スコールもこくりと頷く。
「ありがとうございます。では後は我らで話を詰めたいので、決戦の時まで準備などをしておいてくださいな」
ということで、2人は天幕を去り、仲間のところへ戻る。
…
―――【蒼穹】のギルドテントの中。他の4人も勢ぞろいしていた。
「おうヒビキ。オレとアリスは魔人族の兵士たちにきっかり防御スキルを教えてきたぜ」
「それはご苦労様なこった。で、カイは?」
「ちょっと鍛冶の試作が大きく進みまして…あとで発表します」
「私の方も新しい素材で新しい薬品ができたわ。相手がドラゴン、精霊、人だというなら効きそうだわね」
「あたしも空いた時間に新しいアクセサリを作ってきたよー」
みんなほくほく顔で嬉しそうである。
「で、今回の阿呆どものことなんだが」
「わかってるよぉ。あたしは回復スキル全開でやってたらいいんでしょ?」
「フィリアの聖鈴は付けたか?」
「あ、つけ忘れてた。つけるよー」
「オレは最前線に回ってりゃいいんだな。分かった」
「私は魔導士部隊にいればいいのかしら?」
「そういうことらしい。まあ単純な話、攻撃&退却の指示さえ守ってりゃあ自重なんて輪をかけてかなぐり捨ててやっちまえというこった」
「わかったわ」
「で、それぞれ新作ができたんだってな。カイ、ユリィ、アリス」
「はい。まず僕からですね」
そういってカイが6人で囲んだ輪の中央に1つの武器を出す。
魔法仕掛けの短銃
製作評価:7
クラス:国宝級
属性:魔
製作者:カイ(プレイヤー)
製作者がとある老鍛冶師の教えを得て作った、短銃。魔法仕掛けにより、MPを消費して弾丸を作りだす。使われた素材が素材だからか、製作者にあまり銃製作の経験がないにも関わらず凡以上のものが出来上がった。銃身から迸る紫電は、弾丸の速度を跳ね上げる。
特殊能力 魔法仕掛け(MPを消費して弾丸を作り出す) 紫電(撃ちだされる弾丸の弾速を跳ね上げる) 永久炉の青い炎(耐久値が実質無限、資格ある者しか扱えない) 魔の弾丸(魔力属性により、違う属性の弾丸を作り出す) 耐久値自動回復
「銃……一応まだ国宝級なんですが、できました。あとは細部を詰めていけば超遺物級にまで行けそうです。で、この影響か《鍛冶術》スキルが進化しました」
「それはすごいわ。…次は私ね」
ユリィがその隣に幾つかの小瓶を置く。
抵抗反転の光粉
製作評価:8
製作者:ユリィ(プレイヤー)
魔人族領の危険地域に生える無属性の毒草《反転の光草》他幾つかの妖花から作られる光粉。相手にかけると、相手の持つ耐性及び抵抗値をすべて反転させて弱点とする。逆に相手の耐性及び抵抗がマイナスであった場合、最大で50%までに効果が落ち込む。よそ風にのるレベルで軽い。
青液ポーション・原液
製作評価:9
製作者:ユリィ(プレイヤー)
綺麗な青いとろりとした液のポーション。このポーションは中毒症状を始めとした、普通のポーションでは効きにくい状態異常に覿面に効く。ただしこれは原液であり、水で薄めて使わないと効きすぎて逆に使った者の身体を腐らせてしまう。この性質を応用して攻撃にも使えるが、普通に使うのであれば水をある程度用意した上で使うべき。
割合はカップ一杯の水に対し、原液を数滴溶かして水色に光る水になれば正常な効果を発揮する。
氷炎オイル
製作評価:8
製作者:ユリィ(プレイヤー)
製作者の卓越した錬金技術によって、炎と氷という相反する属性を同居させた攻撃オイル。投げつければ相手を凍てつかせる炎が燃え上がるという、なんとも奇妙な光景が広がるだろう。
「じゃ、最後はあたしだね!」
太陽石のペンダント
製作評価:9 カテゴリ:アクセサリ
製作者:アリス(プレイヤー)
燃えるような炎の色が揺らめく、太陽の宝石が嵌め込まれたペンダント。祝福された装備と同じく、装備者のHPを常時徐々に回復する。それだけではなく、太陽の奇跡を使う者が装備すればその効果を大幅に跳ね上げる効果も持つ。
特殊能力 太陽(祝福された装備と同じ効果を持つ) ぬくもり(一定範囲内の味方にも同じ効果が及ぶ) 敵意感知(最も近い敵性反応を教える) 聖なる奇跡(太陽の奇跡の効果を大幅に跳ね上げる) 天よりの協力者ら(死者蘇生の対象数を引き上げる)
「これね、ダンジョン奥から見つけてきたんだけど、あたしは装備できないからヒビキにあげる。色々性能が狂ってる気はするけど、まあ問題ないでしょ」
月長石のアンクレット
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
冥界の宝石の一つである白の月長石で作られた、夜の世界をモチーフにした非常に精緻なアンクレット。陰の太陽神が冒涜の都で奪われてしまったもののうちの一つ。冥界の宝石が使われた装備は冥界に属する存在以外が装備するとたちまち狂気に蝕まれ、死に至る。
特殊能力 死を告げる月(相手の弱点属性で攻撃した場合、70%の確率で即死させる) 深淵の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても冥界に属する存在以外は装備する資格を持たない) 血の夢(装備者に「精神干渉不可」を付与する。悪夢世界との行き来を可能とする) 狂気の霧(資格ある存在以外が装備すると、狂気に呑まれ悪夢に引きずり込まれる) 柔らかな月光(近くにいる味方のHPを自動回復し、バフを持続付与) 凍てつく月(一定範囲に入った精神を冒された者の動きを止める)
そのアンクレット(足につけるアクセサリ)にヒビキの手が一瞬ぴくりと反応する。
しかしそれだけではなく、今度はルキがカイとアリスに向かってアクセサリを差し出した。
「オレも見つけてきたんだけど、多分これ2人の分だと思うんだよ」
永久炎石の腕輪・特別仕様
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
鍛冶神の扱う青い炎が燃える永久炉のエネルギーの一部が凝固してできた宝石が嵌め込まれた腕輪。今でもそのエネルギーは衰えることがなく、仄かな熱を発している。特にこの腕輪は同じシリーズの中でも、鍛冶神が自らの一番弟子に与えたといわれる最も秀逸な出来のもの。鍛冶神の扱うものから作られた装備は炎に愛された鍛冶師か、鍛冶神とその弟子以外が装備するとたちまち魔力暴走が起き、周囲を巻き込んで死に至る。
特殊能力 青い炎(永久炉のエネルギーを宿す証。鍛冶作業で作られた作品の完成度を上げる) 鍛冶の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても鍛冶神とその周辺にいた存在以外は装備する資格を持たない) 燃え盛る炎(炎属性魔法の威力+300%) 対古代機兵(古代に造られた機械兵に対しダメージ+600%) 消えぬ氷炎(氷属性/炎属性の効果+300%) 鍛冶神の縁(鍛冶神との繋がりが徐々に強くなる)
太陽聖石のピンブローチ
製作評価:??? カテゴリ:アクセサリ
クラス:幻想級
太陽の欠片と言われる宝石を、精緻に飾り立てたピンブローチ。まさに太陽の如き橙と黄色の揺らめきは、地上の人々の中で人気が高い。しかしこのピンブローチに使われている宝石は不純物を全く含まない、太陽女神に相応しい純度を誇る。太陽の宝石でできた装備は光と雷に愛された者か、太陽に属する神々以外が装備するとたちまち魂の塵一粒残らず灰になるまで焼き尽くされる。
特殊能力 太陽の神具(耐久値無限。同等存在たる神族であっても太陽に属する神々以外は資格を持たない) 慈愛(回復系魔法の効果+350%) 聖性の証(装備者に「精神干渉不可」を付与する) 奇跡の杖(魔力を流すと形態変化。杖として振るえる) 天命(”奇跡の杖”時に確率で発動。周囲に亡者にのみ絶大なダメージを与える光波を放つ) 太陽女神の縁(太陽女神との繋がりが徐々に強くなる)
「……ということはこれから先、ルキとユリィの分も見つかるね」
「そういうことだろうな」
とりあえず出し合ったアクセサリはそれぞれ勧められた相手がつける。銃や薬品はカイやユリィがしかるべきタイミングで使うことにした。
「あと、私の【精霊招来】で「深海属性」の精霊を呼べるようになったみたい。よくわからないけど」
「オレも、「霊土属性」が追加されたな」
「……二人もか。これで全員上位属性が開放されたな」
…
「あとは、自重をすべて取っ払って好きなだけやるべきだな。他のプレイヤーからの嫉妬不満敵意、ンなこた知っちゃこっちゃねぇ。侵攻が成功すりゃあとんでもないことになるんだからな」
『それは賛成する』
「同意、ですね。僕も脳筋の分類として頑張りますよ」
「脳筋って自覚してたのね。……私も出し惜しみはしないわよ」
「あたしもー」
「オレもな」
それぞれの得物を研ぎ直したり、魔法回路の歪みを直したりして準備を進める。
それらが終わった後、明朝に備えて眠ることにした。
******
今回はアクセサリ祭りでした。幻想級のアクセサリはこの世界では神がつけるものとして有名で、存在するもの自体極少ないです。
こんなのが一般プレイヤーや住人達に知れ渡ったら大混乱必至です(笑)
そして重要な戦の前でも、【蒼穹】の面々はマイペースを崩さない。それが彼らの長所。
神族もアクセサリを付けるのですが、暗月神の場合、自分が精神の底で眠っている間に宿主が殺されないようにするためにアクセサリを付けています。本人(本神?)だけならそんなものいらないのですけどね。
0
あなたにおすすめの小説
ミックスブラッドオンライン・リメイク
マルルン
ファンタジー
ある日、幼馴染の琴音に『大学進学資金』の獲得にと勧められたのは、何と懸賞金付きのVRMMOの限定サーバへの参加だった。名前は『ミックスブラッドオンライン』と言って、混血がテーマの一風変わったシステムのゲームらしい。賞金の額は3億円と破格だが、ゲーム内には癖の強い振るい落としイベント&エリアが満載らしい。
たかがゲームにそんな賞金を懸ける新社長も変わっているが、俺の目的はどちらかと言えば沸点の低い幼馴染のご機嫌取り。そんな俺たちを待ち構えるのは、架空世界で巻き起こる破天荒な冒険の数々だった――。
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる