最強者のVRMMO活動記 ~トラブルに愛されるとあるプレイヤーのトラブルシューティング記~

火の無い灰

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3章「ドラゴン大襲撃」

予兆

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――――――――――――――
突然だが、ザ・ファイナルリコード・オンラインのゲーム世界の「大陸」について、少々話をしたい。

アルトメア大陸で現在、プレイヤーに対して門戸が開かれている主街区(陸上)は、「ワース」「カルディア」「サーディ」「セフィス」「カヴン」の5つ。

PKプレイヤーキル可能&PvP対人決闘可能のシステムだが、主街区の中にいるプレイヤーは保護され、主街区の中ではどうあがいてもPvPをやらない限りプレイヤーのHPは減らせないし窃盗などの犯罪もできない。
…あくまで、プレイヤー同士では。

そしてそれらの主街区からそんなに離れていない場所にそれぞれ、森がある。
それなりに広い森なのだが、普通の森ではない。
「ワース」近くにある森は、木々の葉が全て炎に置き換わった炎樹や炎属性の植物が連なる「炎の森」。
「サーディ」近くにある森は、木々の葉が全て凍てついた氷樹や氷属性の植物が連なる「氷の森」。
「セフィス」近くにある森は、木々の葉が全て流動する水に置き換わった水樹や水属性の植物が連なる「水の森」。
「カヴン」近くにある森は、木々の葉が全て漆黒で闇を纏い、闇属性の植物が連なる「闇の森」。
「カルディア」近くにある森は、木々の葉が全て純白で光を纏い、光属性の植物が連なる「光の森」。
それらの森の入り口近くはモンスターがおらず、人気の採取スポットだがある程度まで奥に行くと何故か森の入り口に戻される、というのだ。
そしてその地点でドラゴンのような影を見たという噂が今、活発に囁かれている。


―カルディア付近、アステリスク内。
集まった6人は、テーブルを囲んで噂についてを話し合っていた。

「「属性の森」の中でドラゴンの影を見たって噂がぁ?本当なのか?」
「本当らしいよー」
「どのくらい?」
「いっぱい」
「だからいっぱい、ってどのくらいだよ」
「少なくとも視界に映る中で20体はくだらなかったらしい」
「へー」
「で、それらが一気に街へ攻めてくる、と…」
『そうなってもおかしくはないな』
「メタで言うなら、どこかに指揮官コマンダーの名を冠した奴がいるはずだ。それを倒せば後は楽になる。まあ外れているだろうが」
「まあ、本当にそうなら苦労はしなさそうだわね」
「少なくともタイラントドラゴンよりかは楽じゃないか」
竜の息吹ドラゴンブレスも、竜燐族ドラグニアの人と比べちゃあねぇ」
「あっちの方が本家なんじゃねぇの?」
「はは、言えてる」
『そんなに凄いのか?』
「まあね」

竜燐族ドラグニアの種族特性、「竜の息吹ドラゴンブレス」。

断魔剣者デスペラードのチャージショット攻撃に似た特殊攻撃であり、その威力はかなり強力だ。
個体の鱗の色とブレスの属性は同じであり、また、属性が同じブレスなら至近距離で放てば混ざりあって威力が上がることもある。

ただし、属性が無い純粋な魔力砲撃であるデスペラードのショット攻撃と違って、自分のブレスと反属性に該当する同等以上の威力の攻撃を真正面からぶつけられた場合、ブレスが相殺されるというデメリットもある。

例えるなら、炎属性のブレスを放った場合相手から水属性の同威力以上の攻撃をぶつけられたらブレスは打ち消されてしまう。

「僕らにとってはないも等しいですけどね」
「まぁ、なぁ…」
「なんでカイはあんな能力をオレらの装備に発現させることができたのか、今でも謎だよ」
「だねー」
「僕も何故かわかってないんですけど」

ルキの言っているのは、彼ら自身の装備につく「事象支配」「魔力支配」系の能力の事だ。
ヒビキは風と闇。
カイは炎と氷。
ルキは大地と植物。
ユリィは水。
アリスは光と雷。

能力に述べられた対象を自らの支配下に置き、意のままに操る能力。
例えばヒビキの場合は風に乗り宙を移動したり操って攻撃に使ったり、周囲が闇夜に沈む時にステータスや闇属性魔法スキルの威力に恩恵を受けたり闇で相手を拘束したり。

魔法スキルではできないことも可能となる、破格の能力だ。
そもそも彼らの装備はカイによって付与能力を魔改造されているがゆえ、それぞれのビルドや戦い方に適した装備能力になっているわけなのだが。

主に鍛冶師の魔改造が装備に個性を出すシステムといっても、支配系の能力はあまりに凄まじすぎて彼らも首をひねらずにはいられない。まあ今は割り切っているけども。

『ドラゴン、か。俺も稀に灰色のものを見かけたことがあるが…』
「灰色、ですか?」
「灰色、ねぇ。俺も前やったことのあるゲームで見たことはあったが、まんまそれが該当するとも思えねぇ」
「ま、なんとかなるだろ」
「わー楽観的ぃー」
「アリス、棒読みだわ」
「で、主街区は5つ、と」
『………だな』
「じゃ、1つに1人ということで」
「了解」


彼らも、わいわいと話しながらも何かしらの予感のようなものを薄々と感じ取っていた。
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