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4章【手がかりは全て…】
無味乾燥な夜の異変
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森の最奥での一幕の後、【転移】で地上に戻ってきたレイ。
いつの間にか、夜になっていた。
「………………何かがおかしい?」
普段なら、万物すべてを優しく包み込んでいるはずの夜の帳が、今夜は、妙に乾いている。無味乾燥な、黒い夜。
そして、不意に横合いから漏れてきた、僅かな、極々微量な闘気。
ついでに、大気がほんの少し揺れ動いた。魔法の干渉に大気が引っ張られることで起こる現象である。
「(この大気の動き方は…風属性魔法カテゴリの【風弾】だな」
あえて回避ではなく、こちらも同じ魔法を使って撃ち出された空気の弾を相殺する。
「……………そこに隠れてんのは誰だ?」
ガサッ、という葉が擦れる音は鳴ったものの、相手はこちらの問いに応じないようだ。
―――ちらりと見えた、細長く、尖った耳。
だが、さっきの魔法の術者を追うより先に、更に大規模な音がレイの鼓膜を叩いた。
「―――これは、まさか………モンスターの大量発生か!?」
視線を音のする方へ向けると、カウント不可能なレベルの数の、モンスターの大軍がある方向へと駆けていた。
「………………ま、まずいっ、あっちにまっすぐ行くと街があるんだ…!」
見たところ、騎獣兵系と昆虫系、不死系の混成のようだ。
―モンスターの大軍を街へ向かわせないためには、ここ周辺で殲滅しきる必要がある。
レイは腹を決めた。
軽く数百は超えていそうなモンスターの大軍の進行速度を遅くするため、攪乱魔法カテゴリ【マインド・アテンション】を掛ける。
これは、効果範囲内にいるモンスターの攻撃対象を術者に集中させる魔法だ。
「……まずはアンデッド共からいくか!」
竜刀をすらりと鞘から抜き、特殊効果系魔法カテゴリ【聖霊の加護】と、【エア・カッター】を更に掛け、ビュンッ、と刀を軽く横に薙ぐ。
太刀筋に沿って飛ぶ、真空の刃。
その刃が、モンスターたちの中に真っ直ぐ突っ込んでいった数瞬後、どす黒い血と、意味不明なけたたましい断末魔が空高く噴き上がる。
「…ああもう面倒だな」
数分程度、その血の噴水は断続的に噴き上がり続けた。
―余りにも数が多すぎるので、今まで掛けていた魔法を全て解除し、刀の先を地面に向けて大技の準備詠唱にかかる。
詠うような抑揚で、早口に。
使うのは、前に発動したことのある【火炎陥穽狂神風】の属性違い版である。
刀の先から、青い光の線が四方へと伸びていく。
その線は方々で交差し、湾曲し、形作るは巨大で複雑怪奇な魔法陣。
やがて、形成が終了し、魔法陣が甲高い音を立てて自壊。込められた効力を存分に発揮する。
ビュォォオオ、と冷気を含んだ暴風が吹き荒れ、やがて辺りが凍り付き始める。
―――――氷属性、殲滅魔法。 効果範囲、直径約1キロメートル。
モンスターの大軍がすっぽり収まるほどの、殲滅魔法中の効果範囲では一番広い範囲を持つ。
【氷雪旋風大庭園】。
冷気の大旋風は容赦の欠片もなくモンスターの大軍を氷漬けにし、動きを完全に止めた。
「でもこれだけじゃ、氷が融けたり砕けたりなんてこともなくはないから…」
続けて、特殊効果系魔法【大地鳴動】を行使。
このあたり一帯の地面を揺らし、氷漬けになったモンスターたちを纏めて砕く為だ。
―だが。
ゴゴゴゴゴゴォォ!!と、物凄い地震が発生し、レイの感覚で物理的にマグニチュード7ぐらいの揺れだったのではないか。
「…………………………あれ?やり過ぎたか?」
勿論、氷漬けになったモンスターたちは揺れの所為で全て破片と化したものの、範囲内に立っていた樹木が根こそぎ横倒しになっている。
「……これは…何か怪奇現象の様だな」
まあどうしようもないのでそのままにしておこう。
事実を心の隅に放り投げ、そして、さらに夜の冷気の奥へと姿を紛れ込ませた。
さて、この後幾日か経ってここを偶然通った旅人が、ミステリーサークル(?)を目にしてしまうわけで、周辺の国々も存分に不思議がる(どころじゃないが)になるのだが、それは後日。
いつの間にか、夜になっていた。
「………………何かがおかしい?」
普段なら、万物すべてを優しく包み込んでいるはずの夜の帳が、今夜は、妙に乾いている。無味乾燥な、黒い夜。
そして、不意に横合いから漏れてきた、僅かな、極々微量な闘気。
ついでに、大気がほんの少し揺れ動いた。魔法の干渉に大気が引っ張られることで起こる現象である。
「(この大気の動き方は…風属性魔法カテゴリの【風弾】だな」
あえて回避ではなく、こちらも同じ魔法を使って撃ち出された空気の弾を相殺する。
「……………そこに隠れてんのは誰だ?」
ガサッ、という葉が擦れる音は鳴ったものの、相手はこちらの問いに応じないようだ。
―――ちらりと見えた、細長く、尖った耳。
だが、さっきの魔法の術者を追うより先に、更に大規模な音がレイの鼓膜を叩いた。
「―――これは、まさか………モンスターの大量発生か!?」
視線を音のする方へ向けると、カウント不可能なレベルの数の、モンスターの大軍がある方向へと駆けていた。
「………………ま、まずいっ、あっちにまっすぐ行くと街があるんだ…!」
見たところ、騎獣兵系と昆虫系、不死系の混成のようだ。
―モンスターの大軍を街へ向かわせないためには、ここ周辺で殲滅しきる必要がある。
レイは腹を決めた。
軽く数百は超えていそうなモンスターの大軍の進行速度を遅くするため、攪乱魔法カテゴリ【マインド・アテンション】を掛ける。
これは、効果範囲内にいるモンスターの攻撃対象を術者に集中させる魔法だ。
「……まずはアンデッド共からいくか!」
竜刀をすらりと鞘から抜き、特殊効果系魔法カテゴリ【聖霊の加護】と、【エア・カッター】を更に掛け、ビュンッ、と刀を軽く横に薙ぐ。
太刀筋に沿って飛ぶ、真空の刃。
その刃が、モンスターたちの中に真っ直ぐ突っ込んでいった数瞬後、どす黒い血と、意味不明なけたたましい断末魔が空高く噴き上がる。
「…ああもう面倒だな」
数分程度、その血の噴水は断続的に噴き上がり続けた。
―余りにも数が多すぎるので、今まで掛けていた魔法を全て解除し、刀の先を地面に向けて大技の準備詠唱にかかる。
詠うような抑揚で、早口に。
使うのは、前に発動したことのある【火炎陥穽狂神風】の属性違い版である。
刀の先から、青い光の線が四方へと伸びていく。
その線は方々で交差し、湾曲し、形作るは巨大で複雑怪奇な魔法陣。
やがて、形成が終了し、魔法陣が甲高い音を立てて自壊。込められた効力を存分に発揮する。
ビュォォオオ、と冷気を含んだ暴風が吹き荒れ、やがて辺りが凍り付き始める。
―――――氷属性、殲滅魔法。 効果範囲、直径約1キロメートル。
モンスターの大軍がすっぽり収まるほどの、殲滅魔法中の効果範囲では一番広い範囲を持つ。
【氷雪旋風大庭園】。
冷気の大旋風は容赦の欠片もなくモンスターの大軍を氷漬けにし、動きを完全に止めた。
「でもこれだけじゃ、氷が融けたり砕けたりなんてこともなくはないから…」
続けて、特殊効果系魔法【大地鳴動】を行使。
このあたり一帯の地面を揺らし、氷漬けになったモンスターたちを纏めて砕く為だ。
―だが。
ゴゴゴゴゴゴォォ!!と、物凄い地震が発生し、レイの感覚で物理的にマグニチュード7ぐらいの揺れだったのではないか。
「…………………………あれ?やり過ぎたか?」
勿論、氷漬けになったモンスターたちは揺れの所為で全て破片と化したものの、範囲内に立っていた樹木が根こそぎ横倒しになっている。
「……これは…何か怪奇現象の様だな」
まあどうしようもないのでそのままにしておこう。
事実を心の隅に放り投げ、そして、さらに夜の冷気の奥へと姿を紛れ込ませた。
さて、この後幾日か経ってここを偶然通った旅人が、ミステリーサークル(?)を目にしてしまうわけで、周辺の国々も存分に不思議がる(どころじゃないが)になるのだが、それは後日。
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