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4章【手がかりは全て…】
隠された過去、明かされなかった真実(まこと)
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レイは、夢を見ていた。
それも、妙に生々しい夢を。
最初に見たのは、血に濡れたかなり広い部屋と、床に横たわっている、否、ただの肉塊と化している、見知らぬ誰か、又は何かの死体。
正面の鏡に映っていたのは、右手に血塗れた剣を持ち、覇気の無い虚ろな目をした銀混じりの黒髪と緋色の眼の少年だった。
「……………………………………」
これは…誰の視点だろう?、そう思っていると、部屋に付けられたスピーカーがこんなことを言う。
「―――、中々いい成果じゃないか。もう一度行くか」
「精神回路に障害が出ているぞ、いいのか!?」
「だが、―――になっていないだけで十分な戦力だ。聞こえるか、―――。もう一度行くぞ?」
その言葉を皮切りにして、天井に開いた巨大な穴から、穴と同じくらい巨大な何かが落ちてくる。
落ちてきたのは……
「もう一度、神獣を殺しなさい」
そう、神々しいとも言えるほどの雰囲気を纏った獣。神にも等しき力を持ったモノ。
少年は、実験体だったのだ。
その名も、「第2堕天使人工創造計画」。
夢の、当時の世界は、神々の世界である天聖界しか存在せず、それ故に死天龍の神殿では邪悪な魂の処置に困っていたのだ。
だから、闇の象徴である堕天使を人の手で作り、闇の世界を統治させ、そこに邪悪な魂たちを置く。
逆転的な発想の、普通ではありえない、所謂狂気的なまでの実験だった。
―もう、何度同じことを繰り返しただろうか。
「…………………………」
果てなき繰り返しの最果てに部屋に満ちるのは、濃い血の香りと、濃密な狂気だけ。
そんな中、もうとっくに壊れているはずの、名も失った少年は。
唐突にその唇を微かに歪めて……………?
次の、瞬間。
明瞭で、 確 実 な な 異 常が
あっ た。
少年は、全く動いていないように見える。なのに、なのに。
その部屋が属する建物、つまり、研究所として使われている館にいた全ての人間が全く同時に血を噴き上げて死に絶えた。
それと同時に少年の背からゆっくりと、滲みだすようにして現れた漆黒の翼。
そして、その翼に隠れるようにして少年の姿も大気に紛れようとした瞬間、ここにいるはずのない者の声が響いた。
『あー、ついにやり遂げちゃったか』
無数の赤眼黒鱗を持つ蛇たちを従えた、黒づくめの露出の少ない服&黒髪と対照的に白い、所々に鱗模様の見える肌、そして、まさに蛇の様に禍々しい光を放つ黄色の双眸。
時空と死を司る黒蛇神、シュヴァルだった。
堕天使と化した少年は、青年の神の方へとその虚ろな眼を向ける。
その視線を不敵というよりか何か企んでそうな笑みで受け止めると、続けて言葉を重ねた。
『まあ、このまま放置しておいても危険っぽいし、ちょっと小細工させてもらうぜ?』
シュヴァルが右手を突き出すと、黒蛇たちが少年に絡みついた。
そのまま今度は左手だけで銀の懐中時計を取り出してからその細く長大な鎖を外し、少年の右腕に緩く巻き付ける。
実は、シュヴァルの出した銀の懐中時計の鎖は、封印の効果をもつ。
でも、
『…………数百年間ぐらいの気休めにしかならないけどな。かといって恒久的に封じ込めようとするならするで、天聖界にしかない月幻石の剣と鍵、天使の雫石の柱状石が要るし。』
蛇たちは、部屋の壁に元から開いていた虹色のワープホールじみた靄に、少年を(放り込む)と、シュヴァルの元に戻ってきた。
夢はここで終わった。
この後、意識は目覚める直前の様な微睡みの中へと移った。
それも、妙に生々しい夢を。
最初に見たのは、血に濡れたかなり広い部屋と、床に横たわっている、否、ただの肉塊と化している、見知らぬ誰か、又は何かの死体。
正面の鏡に映っていたのは、右手に血塗れた剣を持ち、覇気の無い虚ろな目をした銀混じりの黒髪と緋色の眼の少年だった。
「……………………………………」
これは…誰の視点だろう?、そう思っていると、部屋に付けられたスピーカーがこんなことを言う。
「―――、中々いい成果じゃないか。もう一度行くか」
「精神回路に障害が出ているぞ、いいのか!?」
「だが、―――になっていないだけで十分な戦力だ。聞こえるか、―――。もう一度行くぞ?」
その言葉を皮切りにして、天井に開いた巨大な穴から、穴と同じくらい巨大な何かが落ちてくる。
落ちてきたのは……
「もう一度、神獣を殺しなさい」
そう、神々しいとも言えるほどの雰囲気を纏った獣。神にも等しき力を持ったモノ。
少年は、実験体だったのだ。
その名も、「第2堕天使人工創造計画」。
夢の、当時の世界は、神々の世界である天聖界しか存在せず、それ故に死天龍の神殿では邪悪な魂の処置に困っていたのだ。
だから、闇の象徴である堕天使を人の手で作り、闇の世界を統治させ、そこに邪悪な魂たちを置く。
逆転的な発想の、普通ではありえない、所謂狂気的なまでの実験だった。
―もう、何度同じことを繰り返しただろうか。
「…………………………」
果てなき繰り返しの最果てに部屋に満ちるのは、濃い血の香りと、濃密な狂気だけ。
そんな中、もうとっくに壊れているはずの、名も失った少年は。
唐突にその唇を微かに歪めて……………?
次の、瞬間。
明瞭で、 確 実 な な 異 常が
あっ た。
少年は、全く動いていないように見える。なのに、なのに。
その部屋が属する建物、つまり、研究所として使われている館にいた全ての人間が全く同時に血を噴き上げて死に絶えた。
それと同時に少年の背からゆっくりと、滲みだすようにして現れた漆黒の翼。
そして、その翼に隠れるようにして少年の姿も大気に紛れようとした瞬間、ここにいるはずのない者の声が響いた。
『あー、ついにやり遂げちゃったか』
無数の赤眼黒鱗を持つ蛇たちを従えた、黒づくめの露出の少ない服&黒髪と対照的に白い、所々に鱗模様の見える肌、そして、まさに蛇の様に禍々しい光を放つ黄色の双眸。
時空と死を司る黒蛇神、シュヴァルだった。
堕天使と化した少年は、青年の神の方へとその虚ろな眼を向ける。
その視線を不敵というよりか何か企んでそうな笑みで受け止めると、続けて言葉を重ねた。
『まあ、このまま放置しておいても危険っぽいし、ちょっと小細工させてもらうぜ?』
シュヴァルが右手を突き出すと、黒蛇たちが少年に絡みついた。
そのまま今度は左手だけで銀の懐中時計を取り出してからその細く長大な鎖を外し、少年の右腕に緩く巻き付ける。
実は、シュヴァルの出した銀の懐中時計の鎖は、封印の効果をもつ。
でも、
『…………数百年間ぐらいの気休めにしかならないけどな。かといって恒久的に封じ込めようとするならするで、天聖界にしかない月幻石の剣と鍵、天使の雫石の柱状石が要るし。』
蛇たちは、部屋の壁に元から開いていた虹色のワープホールじみた靄に、少年を(放り込む)と、シュヴァルの元に戻ってきた。
夢はここで終わった。
この後、意識は目覚める直前の様な微睡みの中へと移った。
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