ツイン=リフト

magus of argdiscus

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4:walking is easy and ofen hard

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――――……――――――――……
――――……したの? ――どうしたの? いつく」
 意識が鮮明になる。
「さっきからぼーっとしてた」
「…………」
 振り向くと、自分の様子を訝しげに見る早実がいた。
「……………………早実が、さーちゃが、――生きてる」
 何事もなかったように、ごくふつうに目の前で眉をひそめる早実。思わず呟いた逸朗の頬をすっと涙がつたって落ちた。
「……具合でも、悪いの?」
「いや、なんでも、その、びっくり……いや、ほんと何でもない」
 顔をのぞき込まれた逸朗は、ぱたぱたと手をふり後ろ髪をわしゃわしゃと掻きながら取り繕う。そんな彼の様子に、早実はまだ勘ぐりながらも、ふーんと言い一応の納得を得てくれた。
 一息ついて、冷静になろうと状況を確認しにかかった。ーー小型のテレビ、パソコン一式、なんらかのキャンペーンの張り紙、店舗の案内掲示。少し固い、フラットシートといわれる合皮で覆われた床――ここはどうもたまに行くネットカフェのようだった。
――なんでここにいるんだ? さっきまで堰島せきしまのあの神社の前にいたはず。本当に、”ブリング”したのか。
 逸朗は驚きながら、冷静になろうと努めた。
「いつく、明日早いし、もう寝よ?」
「え、あ、うん、わかった」
 早実が店舗で借りられる薄いブランケットにもぞもぞもぐり込みながら言ったので、逸朗も同じようにブランケットに潜り込む。
 横になったまま、早実に背を向け自分の携帯を手にし開いて日付を確認する。
――この日は、……。
 逸朗が家出の為に早実を迎えに行く日だった。
――ということは、成功した? いや、どうなんだ? そもそもここは、あの二人が本当の事を言っているならここは別のセクション、別の時間、そう、別の過去であり別の未来が待っている世界。なら、この“時間”も頭脳派インテリジェントに利用されている事になる。
 そう思考して数秒黙した。
「…………なあ、早実。家に帰らないか」
 背中越しの早実に問いかけた。
「なんで?」
 早実がはじかれるように身を起こし振り向いた。
「その方がいいような気がするんだ」
「何言ってるの? いつくが言い出したんでしょ?」
「いや、その、」
『利用されるくらいなら』と言い出しそうになって口ごもらせる。
「一晩くらいなら、少し怒られるだけで済むかもしれないじゃん? だからさ、」
「やだ。私帰らない。あの家に帰りたくない」
 あの頑なモードの早実だ。こうなると一歩も引かなくなる。しかし、と逸朗は懸念する。どう説得すれば、と悩むが”あのこと”を話す訳にもいかず、困りながらも続けた。
「今じゃなくてもいいじゃないのか?」
「……あの親たちは家に縛り付けにしようとしている。それはいつくだってわかるでしょ」
「うん、まあ……」
「私、帰らない」
「危険かもしれない」
「いつくがいる」
「俺だって万能じゃない」
「……いつくが来ないなら私一人で行く」
「待てって」
 予想通り、彼女は譲ろうとしない。もやもやしながらもいつも通りに諦めるしかないようだ。
「私寝る」
 そう言ってまた横になってブランケットを被った。ため息ながらも自分もそうしようとパソコン横のデスクライトを消し、ブランケットを引き寄せた。
 ふと、自分の携帯がマナーモードのバイブ機能で震え、ぴかぴかと光ったので拾い上げ通知された内容を確認した。
「…………んー? なんだこのメール」
 メールが来ていたようだった。しかし、そのメールは日付と時間が文字化けしている。送ってきた先のメールアドレスも意味があるのかもよくわからない文字の羅列になっている。こんなことは初めてだ。携帯が壊れたのかと思ったが、本文をスクロールして読み、なんとなくを察した。
『やあ。迎えにきたよ。これを見たら店の前に出てきてくれるかな? あと鞄持ってきてね』
 文面からして彼だろうか。言われたとおりに鞄を持って出る。
「こんばんわ、弓削くん」
 路面に面した店舗を出てすぐ、湾岸線の入り組んだ高架を道路を背景に、にっこり柔和な笑みの弥継と、平坦な表情の榛原が待ちかまえていた。
「鞄、ちょっと貸して」
 軽い口調でそういうと、逸朗の肩にかけて持っていたボストンバッグを浚い中をごそごそ漁って何かを取り出す。
「あったあった」
 栗原時香から無理矢理預けられた白いキューブ。それをひょいっと榛原の手の中に放り込む。
「榛原、オーダー、解析、クラッキング、フォーマット」
「はい、オーダー了解しました。スクリプトを開始します」
 端的な会話で榛原に伝えると、頭脳派インテリジェントのキューブを手に高速で実行コードを呟き出し、破壊しにかかる。
「これが終わったらすぐ行くからね。心の準備はしておいてね」
「行くって、また別のせ、世界系線セクションに?」
「まあね」
 尋ねられた弥継は、まるで近くにショッピングにでも行くような気軽さで返す。 
「ここでのやるべきことは済んだからね。このキューブがなければ、ブリングされる未来は来ない」
「そんなんでいいのか?」
「いい、っていうか、ここでの必要なことがそれっていうだけなんだけどね」
「次も同じなのか?」
「いや、違うよ。……君がブリングするという未来を選択しない事が必要な事だよ」
 何か言い含みがありそうな口振りだったが、逸朗は気づいているのかいないのか少しだけ考える素振りをし、一度だけ長いまばたきのように目を閉じ、そして開いた。
「ちょっと待っててくれ」
 そう言って、先ほど出てきたネットカフェに踵をきって返す。
 店舗の階段を駆け上がる彼の背を目で追いながら、弥継は小首を傾げた。
「よくわからないけど、律儀なのかなんなのか」
 ため息も吐かず、虚につぶやきを流した。


 借りていた座席に戻ると、早実が寝息を立てて静かに眠っていた。
 起こそうと思い肩に手を掛けたがそっと手を離した。――きっと、泣いて怒って話を聞いてくれなくなる。逸朗はそのことを予想して彼女を起こすのを辞めた。
 逸朗は、適当な紙がないかあたりを探り見つからなかったので座席に設置してあったペーパーナプキンを代わりに使うことにした。
――ごめん。一緒にいけない。さーちゃは家に帰るんだ。
 それだけを書きおいて、そっと立ち去った。

 店を出て、弥継の所へ戻るとけだるそうに、
「君って変わってるよね」
「はあ? なんで?」
「わからないならいいよ」
 そして更に面倒くさそうに返した。
「まあ、そのうちわかるよ。……それでね、ちょっと面倒な事になりそうというか、なっているというか」
「……なあ、あれおまえがやったのか」
 やや呆れたような、信じたくないとでも言いたいのか、路上に”落ちている”物体を指さして逸朗が弥継に尋ねた。
「そうだね。僕がやったよね。いやあ、あっちも防衛線は張ってたらしくて、キューブ破壊したら気付かれちゃって。そしたら、たくさん来たんだよね」
 柔和なまま、朗らかに笑いながら軽い調子で言うが、路上に”落ちている”物体が、人であり、それが全く動かない事実はただの少年である逸朗には呑み込むには重い事だった。
「……しんでる?」
「キューブ使って殴っただけだから、生きてるかもしれない」
『かもしれない』の言葉が、全く安心感を与えようとしない。あちこちに倒れているスーツ姿の男たちから意識して目を逸らした。
 ふと、腕を見やる。
「なあ、弥継。俺、ここに来る前、すっげえ怪我してなかったか?」
 彼がそういうと弥継が声には出さずに、ああ、と気付く素振りをした。
「それはね、君のブリングの仕方が少し違うからだよ。データの動きには、大きく分けて三つある。一つは、コピーデータを採取し、張り付ける方法。二つ目が、コピーを取りながらコピー元を削除し、張り付ける方法。最後はコピーも取らず、キューブに完全依存しデータそのものを動かす。君のは一つ目だね。コピーする方法で、記憶データのみを動かしている」
「えっとー」
「ものすごく簡単にいうと、コピーアンドペースト。いくらでも同じ物を量産できる」
「なるほど」
 理解したらしく、その様子ににっこり微笑む弥継。
「ちなみに僕らは三番目。このキューブに僕のすべてのデータが入っているんだ」
「……第二の心臓、みたいな感じか」
「……そんな風に確信を突かれるとなんだか不安になるなあ……。弓削くん、誰にも言わないでね。これが壊されると僕、死んでしまうから」
 唇に人差し指を当て顔を寄せ、逸朗に囁く。
「……」
――男にそんな事をされても嬉しくない。とでも言いたげな表情で無言のまま弥継の顔を緩慢な動作で押しやる。
「冷たいなあ」
 年相応(?)にも見える表情で口を尖らせ、歩道と道路の境界線、白い鉄柵に腰かける。
「……やつらはさ、僕らを野蛮だなんて言って、暴力的って意味で武闘派(マーシヤライズ)って呼ぶけど僕らは温存派なんだよ。彼らは自分たちの為に世界系線(セクシヨン)の全てを変えようとしている。その画策の為に君は巻き込まれているんだよね」
「……あいつらと反対か」
「そうだね。……たぶんまだ僕らのことそんなに信用してないと思うから、一応言って置こうと思ってね」
「まあ、一応聞いとくよ」
「……弓削くんって律儀だよね」
「はあ?」
「んーまあ、いいや。僕らは彼ら頭脳派インテリジェントが改変した世界系線セクションを修正して回ってるんだ。正義のヒーローっぽく聞こえるかもしれないけどどちらかというと、」
「ああ、夜よ。月のきらめきさえ、私は溶かしてしまうの。何故ならその光を私が纏ってしまうから!」
 突如、後ろ斜め上から降ってきたように、少女の声が弥継の言葉を遮った。振り向きもしないうちに弥継の顔から表情が、蝋燭でも吹き消したかのようにすっと失せる。
「そして歌うのっ。『美しき乙女よ、芳しきは今一時と華麗に舞い踊るのです』、そうよ、永久などないから真実に美しいと言えるのよ!」
「な、なんだ? 敵か?!」
 わけがわからない逸朗は、朗々と流れる語りにただただ狼狽する。声の主は、常人ならまともに立てるとは思えない道路標識の鉄パイプの上でふらつくこともなく立っていた。あろうことか、台詞に合わせてポーズまで決めている。フリルたっぷりのひらひらするスカートを履いているようだが、下界から見える“景色”に関して全く気に止めていないようだ。
「この素晴らしき夜よ……星たちを呼び寄せて囁きを彼の者に届けて欲しいの。そう、輝きの夜、このシャイニング・キャロラインがあなたが来るのを待っていると、ね!」
 そういって、コミカルに星でも飛び出しそうな、アニメヒロインよろしく魔法少女のようにばっちりとポーズを決めた。
「……出羽いずりは、別の世界系線セクションにいる予定のはずじゃなかったかな。なんで君がここにいる」
 全く振り向きもせず、平坦な声で後ろにいる少女に声をかけた。
「ふ、それはね……」
 ニヒルに笑うと、踵をこつりと鳴らし、
「No.01-L、disturbディスターブ!」
 叫んで右足を後ろに振りあげる。
 踵から風が吹き出し、その勢いで前転宙返り。そのまま数メートルの距離を飛び越し、すたりと逸朗の前に着地する。少女のアクロバティックな移動に口をぱくぱくさせる逸朗を無視して、彼女は弥継の方へ振り返る。
「来ちゃった☆」
「迷惑だね」
 ひらりと身を転じ、またもポーズを決める出羽と呼ばれた少女。無表情の弥継はともかくとして、現実離れした動きで舞い降りてきた少女の後ろ姿を改めてまじまじと見つめる。
 金髪のツインテール、リボンの髪飾り、糸の様に細いブルーストライプのふんわりとしたブラウス。先ほど見たときは、胸元に大きなリボンが見えたと思われる。フリルと幅たっぷりのスカート。逸朗はよく知らないが、どこかで聞いたことのある『ロリータ』というものだろうか。――そのロリータスタイルとは一点異なる異様なものがあった。背中にベルトやホルスターの様な物でホールドされている大きなクロスボウ。引き金を引いて使用する弓の一種であり、明らかに武器である。これらを撃つ為なのか、右手には指先を保護する三本指のグローブを、左手には必要なのかわからないごつい腕カバーを装着していた。
「相変わらずの『仏面ほとけづら』よね。輝きが全く足りてないわ。私のように常に輝きを纏っていなくちゃ」
 なにやら一方的に詰め寄られているようだが、その弥継の方へ、出羽の背中に固定されたクロスボウをよけながらするりと彼の横にすり寄る。
「なあなあ、もしかしておまえこの子の事嫌いなのか?」
「もしかして、もなく、そうだよ」
 弥継の耳元で出来るだけ小声で囁いたが、囁かれた当人は躊躇もしなかった。
「僕は出羽、君が嫌いだよ」
「えー弥継冷たい」
「嫌いな理由はいくつかあるけど、説明するのも億劫だから自分で察して」
「えー。なにそれ、言いたいことは言い合うべきだわ。輝く為には議論も必要でしょ」
――察することが出来たらそもそも追いかけて来ないだろう。と逸朗は内心思ったが口にしないでおいた。
「ああ、弓削くんには言っておくよ。彼女は忽滑谷そかつや出羽いずりは。一応僕らと同じ、まあ、認めてないけどあいつらの言葉を借りるなら武闘派マーシャライズの人間だよ」
「ノーノー、キャロライン! こっちで呼んでよ弥継」
 弥継が逸朗の方に向いたので、無表情がやや緩和されたというのに横から出羽がいらぬわがままをつっこんで来た為に、先ほどの無表情に更に静かな苛立ちが追加されてしまった。
「……なんか、理由がわかるような、気もしないでもない」
 真顔で呟いた逸朗。初対面の逸朗もなんとなく察したようで、気付いただろう? と言いたげな弥継が彼の肩をがしりと掴み無言で詰め寄る。
「……痛え、んだけど?」
 じりじりとさがりながら、気迫負けしそうな形相の弥継の顔を見てふと脳裏によぎった。
――仏の顔も三度まで。
「ぶほッ」
 思わず吹き出してしまった。
――似てやがる、なんとなく似てやがる。
「……弓削くん、なんだよ、君まで」
「い、いや、なんでもな、ブッ、くくく、ごめ、うん」
――完全に似てるわけじゃねえけど、なんとなく似てやがる。それでさっき出羽のやつ、仏面ほとけづらつったんかよ。もうやだ。
 笑いをこらえるので手いっぱいになった逸朗をよそに、出羽が次の標的を見つけ、
「あ、とっきーじゃない! 久しぶりー!」
 またも逸朗の笑いの壷を直撃し、笑いガードがゆるゆるになった彼はその場で崩れ落ちた。
「……と、っきー……もうだめだ……」
「アラウンド、データの集拾チャージが完了しました」
「とっきー、久しぶりだよね。輝いてる?」
「私は照明具ではありません」
「もー、とっきーって女子力あるのかないのかわかんないよね。はいこれ、新しい髪飾りあげる! とっきー絶対似合うよー」
 と、榛原の手にワインの様な赤いカラーリボンのヘアアクセサリを押しつけ握り込ませる。
「……これについて、集拾チャージしませんので、次の世界系線セクション到達時に消失します」
 またも逸朗が崩れ落ちた。
 出羽はむすっと膨れる。
「じゃあ、今だけしておいて。可愛いから」
 事実上もらってくれない事につっこまず、妥協案で榛原の後ろに回りハーフアップの髪に、櫛形の髪飾りをそっと差す。
――へえ、割とまともなとこもあるんじゃん、あいつ。
 とやや感心する逸朗。
「今つけてる花形のビーズのと合わせて買ってきたのよ。ちゃんと。あ、そうそう、さっき上から見てたときに頭脳派のやつらがぞろぞろ来るの見えたらそろそろ来るんじゃないかしら」
 ややしょんぼりしながらも、榛原の髪を飾り付けると満足げに微笑み、そして何気ない調子で告げた。
「はあ、さっきなぎ倒したところなんだけどなあ……次から次に、蟻のほうがまだまし」
 心底面倒くさそうな弥継。酷い言いぐさだが、逸朗にも彼らに酷い目に遭っている。反論などない。
「弓削くん、これ持ってると良いよ。あとね」
 前回も見たムーブキューブだ。手渡されたキューブをぐっと握らせると、
「敵が見えたら、君はとにかく逃げろ」
「は?」
「出羽が弓を構える前に、逃げろ」
 強い視線と言葉で訴えてくるが、全く呑み込めない。
「いいから、逃げろ」
 言う弥継の背後からばたばたと数十名分の足音がだんだんと近づきつつある。
「来たわね。……だっさい。ガラスビーズ程度の輝きすらないわね。ぜんぜん、可愛くない」
 彼らを見る目がだんだんと、けだるげなから変化していく。
「一片の輝きも持てないのなら、消し飛んでしまえばいいのよ」
 背中の大型のクロスボウに手を掛ける。僅かなアクションでホルスターのロックは外され、滑らかな動作でそのまま左手のごつい保護カバーにあてがい、がちゃりとロックがかかり保護カバーと思われたアジャスター装置にクロスボウを装填する。
「緊急コード呼び出し、アラウンド、オート、コードヒストリカ。秒間コンマ二十五秒に設定。連続ブリングを実行します」
 出羽が背の矢をつがえ、向かってくるスーツ姿の群に向ける。凶悪なまでにニヤリとし、
「――失せろ。disturbディスターブ
 コードと同時にボウの引き金を引く。
 撃ち出された矢じりから閉じこめられていた風のエネルギーが解放される。矢が射出されるのと同時に猛烈な突風があたりにまき散らされ、人もなにもかもなぎ倒し、木々はちぎれ吹き飛び、側を通った不運は車は紙風船の様に上空へ高く吹き飛んでいく。歩道のタイルも、アスファルトでさえ耐えきれずえぐられ吹き飛んでいった。
 風が止んだ。
 あたりはまるで台風、いや、台風よりもはるかに強烈でハリケーンでもこの様な惨状はないだろう。
「きゃー、私ほんと輝いてるー! 最っ高に、最ッッ凶に輝いているわ」
 天真爛漫な笑みから凶悪な笑みへ顔をゆがませた。
 辺りを見渡すと満足げに弓を仕舞い、きゅるりんとまたポーズを決める。
「これでみんなの視線も釘付け間違いなしね!」
「アラウンド、オート解除、修復のためのブリングを開始します」
 何をどうしたのか、一ミリも動かず全くの無傷の榛原がブリングによるあたりの修復を実行した。もげた木々は元に戻り、アスファルトも何もかもが復元され惨劇が起きる前の状況にすべてが戻る。
「逃げろって言ったのに」
「……てえ……」
 どこへ行っていたのか、怪我一つない弥継がぱたぱたと駆け寄り、地面に転がっている逸朗の顔を覗き込んだ。
「あちこちが痛え……」
「ていうか、むしろよく生きてたよね」
 逃げ遅れたらしい逸朗は数メートル吹き飛ばされ、あちこち打ちつけたようで全身ぼろぼろである。
「……おまえが嫌う理由もいっこ分かったわ」
「そうかい」
 弥継が苦笑いで手を差しだし、逸朗はその手をぐっと握り起きあがる。周りを見渡し、
「ほんと、魔法みたいだな」
 何もかも元に戻った周辺を見て感嘆を漏らす。
「緊急用みたいだし、たぶんありきたりなデータを貼り付けてるだけだね。……出羽、榛原がいたから収拾つけられたけど、いなかったらどうなっているかわかるよね」
 くるりと出羽の方へ向き、苦言の弥継。
「……別に、どうもしないわ。どうせこのセクションは消える運命なんでしょ? ブリングする時のログでわかったもの」
「それはそうだけどね、何かあったらどうするのさ」
「地面がえぐれようが辺りが吹き飛ぼうが、大きな改変にならなければ問題は起きないわ。どうせ、みんな都合のいいように解釈してある程度騒いだら忘れるし」
 面倒くさそうながらも若干諭しにくる弥継の言葉を真正面から受けながらも冷静に、冷めた目で返す出羽。
 弥継の後ろで聞いていた逸朗が不意に彼女の前へ出て、尋ねた。
「消える、って本当に消えるのか? ここが」
「……そうそう、跡形もなく膨大な矛盾とバグみたいなもの抱えて崩壊して消えてなくなるの」
 まだ信じられない。大きな疑念がまだ逸朗の心の端を掴んでいる。見えているのに、これが全部偽物だというのか。
「ここどころじゃないわ、あのだっさい女子がブリングしなければ作られた世界系線セクションのダミーも浸食しているこの世界線も全部消えるのよ」
 逸朗の表情がすっと冷えた。出羽が言った『事実』よりも、彼女への侮辱のようなその発言の方が逸朗には嫌悪を覚えさせたのだ。その表情を、彼の様子を弥継はじっと見つめている。
「私は弥継の仏面顔ぶつめんづら見に来ただけなの。輝く為にショッピング行くの☆ じゃあねー☆」
 彼らの感情も意に介さず、ターンとポーズを決めてささっとブリングしてあとかたもなく別の世界系線セクションへ消えていった。
 消えた出羽のいた場所を見ながら弥継がふうっと息をもらす。
「手間は省けたけどね。ほんというと邪魔で仕方ないよ」
 こめかみに当てた手でそのまま髪をさらりと掻きあげ――「回避してください」
 榛原の言葉が聞こえた瞬間、逸朗を抱え込みそのまま前方に飛んだ。
 引き倒される瞬間、白銀の、何かが高速で過ぎる軌道だけが線になって見えた。
「な、なん――」
「逃げて!」
 弥継がすぐさま立ち上がり、逸朗に向かって叫んだ。
「――こちらに忽滑谷そかつや出羽いずりははおられませんか。ここに来たいう噂を聞いたのですが」
 金の美しい髪、透き通った白い肌、類稀なる顔貌、鋭利さを内に秘めたような瞳。それら全てが整った、異様なほどに美しい少年がこちらを見ている。誰もが見とれるほどに、形容しがたいほど美しい。すらりとした四肢をレザーのショートコートとレザーパンツが包んでいる。視線はまるで刃のようでひとたび見つめれば視線を外す事を忘れてしまいそうになる――が、しかし、彼が手にしているぎらりと光を返す刀身をもった薙刀で、見とれているうちに切り伏せられそうではあるが。
disturbディスターブ!」
 弥継が前置きも何も無しに、彼に向かってキューブを投げつけ走る。
「弓削くん、こいつは話が通じない!」
 言ってまたキューブを投げつける。
 無言で頷き返すと弥継に習って逸朗もキューブを投げる。
 二人の投げた二つの風のテンペストキューブが乱気流を生み出し、少年が振り降ろす切っ先の行く先を狂わせようとする。が、その全てが刀身に吸い込まれていく。
「……ッ! キューブか?!」
 ぎらりと返す刃の中心に小さなキューブが三つ、まるで装飾の一部の様に仕込まれていた。
 これでは埒があかないと焦りを感じ始める逸朗。
「榛原、ブリングスタンバイ!」
「はい、ブリングスタンバイ、緊急性を感じます。ショートカットでプロトコルを遂行します」
 少年の斬撃をなんとか交わしながら榛原に指示を出す。
「逸朗くん、説明する余裕がなくなった! 君は覚えている限り元いたセクション通りに行動するんだ! ブリングはしない、その選択だけは誤らないで」
「ターゲットを遠隔ブリングします」
 周辺が白く遠くなっていく。
「迎えにいくから、待っていて――」
――明転。


――――――――――――――――――…………
――――――――……何も、起きないね」
 はっと意識が鮮明になり、逸朗は隣を見た。
「さー……ちゃ」
「……?」
 生きている。逸朗の胸に嬉しさがこみ上げる。
 手にキューブを乗せて、首を傾げている。じっと見つめてしまい、誤魔化そうと反対の方を向いて溢れそうになる何かを堪えた。
――……これ、壊せば元に戻るんじゃ? いや、弥継は何も変えるなって言っていたしたぶんその方がいいんだろうな……。
 逸朗はそう逡巡して、
「帰ろっか」
「……うん」
 そっけなく言い、歩き出した所でやはり記憶通りにキューブをサラリーマン風の男が回収していった。


 数日が、あまりにも平凡に過ぎていった。
 いつものように席田橋駅前のファミレスで過ごす午後、逸朗はストローをくわえたまま頬杖をついてぼんやりと考えていた。
――もし、自分が悪くならないように行動したらどうなるんだろう。無意味に終わるんだろうか。どうにかなるなら、……早実が死なないなら。
「なあ、さーちゃ」
 出来るだけ気軽な口調で早実に話しかける。その呼びかけに無言のまま、視線だけで返事を返す。
「あの家は嫌いか?」
 彼の問いに、視線を落とし伏せ目がちに頷く。
「聞く必要あるの?」
「……そうだな。さーちゃ、とりあえずちゃんと学校行けよ。理由はまた話すよ」
 知っていて言うのか、と早実は重い心のまま俯く。
「いい子の振りしとけよ、その、なんだ怪しまれないように」
 何か隠している? と早実は疑問に思ったものの、
「……わかった」
 と頷いた。


「そういえば、俺、何してたっけ。ああ、バイトだ。バイト探そう」
 自室のベッドで寝転がりながら、ぼんやりとした記憶から次の行動を決める。
 携帯電話のネット機能を使い、見つけたアルバイト募集サイトから片端から電話をしアルバイト漬けの日々が再開された。


 ある日の夕方、バイト先から次のバイト先の移動中、記憶にある通りにある少女が待ち伏せていた。
――どうなるかわかってるからほんとめんどくせえな……これパス出来ねえのかな。
 心の中でだるそうに悪態をつきながら自販機から買ったペットボトル飲料を取り出す。
「…………」
 ふと、彼の心を悪意が通過した。
 そのまま、自転車を漕ぎだし、
「んぎょああああぁッ!」
――栗原時香をひいた。
 前輪タイヤで見事に海老反りになって、そのまま地面にべしゃりと倒れ込んだ。
「ひ、ひどい、ひどいです! ひどすぎませんか?!」
「わるい、わるい、そのふたつおさげみるとなんだかイライラするんだよなー」
「目が笑ってないしなぜ棒読み?! 心こもってないアピールは社会性において不要ですよ!」
「べつにおまえにうらみとかねえし、そんなんじゃないけどなあああああ」
「……いや、それ絶対にあるやつですよね」
「で、なに?」
「……つめたい」
「はいはい」
 この展開はもう知っているのでパスしたい気持ちでいっぱいである。なんでこんないらいらする言葉を二度も聞かないといけないんだろうか。
「もう、わかりましたよ。これ預かっててください。報酬は中ですよ!」
 むすーっと膨れたかと思うと、かばんから例の封筒を取り出しかごに突っ込んだ。
「一ヶ月、頼みましたよ!」
 そういって走り去った。
 その様子をため息で見送ると、またバイト先に向かって自転車のペダルを踏み込んだ。


その日のアルバイトをすべて終え、自室に戻った逸朗はバッグから封筒を取り出し中身のキューブと十枚の紙幣をベッドに転がしぼんやりと眺めた。
「…………」
 キューブを掴む。
――そして壁に向かって全力で投げつけた。
「あんたうるさいわよ! なにやってんの!」
 階下から母親の声が大声量で怒りをぶつけてきたので焦りながらながらキューブを拾い札束を隠しながら布団を被った。
「静かになさいよッ!」
 予想通りドアを開けて、文句だけ言うとまたドアを閉めて出ていった。
「……あぶ……」
 階段を降りていく音を確認してから布団を捌けた。
 キューブを改めて見るが、傷ひとつない。壁に投げつけた程度ではどうにもならないようだ。
「あ、やべえ、傷ついた」
 親が気付いたら怒るだろうな、とベッドから立ち上がって壁についた傷を撫で若干の冷や汗を覚えた。


 翌日の午前、記憶通りに早実に電話をし、彼女に家を出る事を告げた。
「さーちゃ、おじさんがいたら出るな。いない日に出ればいい」
『わかった』
 短い返事を聞くと通話終了ボタンを押して、携帯をパタリと閉じ、すっと息を吐いた。


 そして、夕刻が訪れ早実は言われた通り荷物をまとめて出ようとそっと玄関へ向かった。
 ドアノブに手を掛けようとした瞬間、独りでにドアが引かれ彼女の手が空をきった。
「早実、何をしてるんだ」
――どうして、今日に限って……。
 父親がなぜこの日に限ってこんなに早く帰宅してくるのか。早実は性にないほど、悪態をつきたくなってしまった。
「なんでもない」
 冷静を装って誤魔化そうと試みる。
「なんでもないわけないだろう、その鞄はなんだ? どこへ行くんだ」
「うるさい……」
 いらだちがつい声になって出てしまった。
「うるさいだと、親に向かってうるさいとはなんだ!!」
 無視して外に出ようとした早実の腕をがっしりと掴む。
「離して……!」
 ふり解こうともがくが早実にそれだけの力はない。
「……なにやってるの」
 リビングにいた聡美が騒ぎに気付いて二人の所によってくる。そのタイミングで逸朗がきてしまった。
「さーちゃ!? おじさん、さーちゃを離せ!」
 由紀夫の腕を掴んで引き離そうする。抵抗した由紀夫は逸朗の頬に拳を打ち付けよろけた隙に逸朗の腕を振りきってしまった。
 ドアを閉められる前に中に飛び込み、由紀夫に殴りかかる。そして彼女の名を叫んだ。
「さーちゃ!」
「いつく!」
 由紀夫をなぎ倒し早実に手を伸ばす。
「お父さんに、……何するの!!」
 奥にいた聡美が叫んだ。
 構わず早実の手を取り、外に出ようとする。それをまた阻止しようと由紀夫が殴りかかり、手を繋いでいた早実共にマンションの廊下に転がり込んだ。逸朗はすぐさま起き上がり、早実を助け起こす。
「……早実を、離しなさい……行かせない」
 逸朗が振り向く。聡美が手にしている物が、あの記憶を蘇らせた。
――早実が、死ぬ。
 ぎらりと光る、彼女の死を招くもの。聡美は叫び声を上げて、逸朗に向かってくる。
「お父さんは、早実は、私から離れちゃいけないのよッ!」
 弥継たちとの戦闘のおかげか、なんとか避けられる。ただ、この先の展開がもうどうなるかわかってしまった逸朗は、じりじりと背中を焼こうとする恐怖と焦りで段々と動きが鈍くなっていくのを実感していた。
――追いつめられたら、早実は死ぬ。嫌だ、嫌だ、早実は、死んでほしくない。
 咄嗟に聡美の腕を掴んだ。ナイフを奪ってしまえばと逸朗は藻掻く。無理矢理ナイフをもぎ取ろうとして逸朗の腕をナイフが掻いた。
 すっと赤く線の様に腕に痛みで怯み、奪い掛けたナイフが廊下に転がった。先に拾おうとしたが聡美が先にナイフを掴んでしまった。
――しまった。追いつめられる。このままじゃ早実が、死んでしまう。
 震えが彼を襲う。こみ上げる恐怖をぐっと押さえ込むように歯を食いしばる。
――俺が、刺されれば、早実は、
 すっと早実を庇うように前に出る。
「あああああああああァァァァッ!」
 聡美が叫びながら、ナイフを振り上げた。
 逸朗は目を閉じる。
「だめ、」
 後ろにいた早実が、立ち上がり逸朗の前に立ちふさがる。
「――……さ、……ちゃ、さーちゃ?」
 早実の体が力つきるように、逸朗に体を預けるように倒れ込んだ。
「――きて、……」
 微かに息を吐くように、早実が逸朗に囁いた。それが最後の吐息になった。
 彼女はまぶたを閉じたまま、もう動くことはなかった。
「さーちゃ、さーちゃ、なんで、やめろよ、そんなの、早実、なんで俺嫌だよ早実ああああ!!!」
 逸朗は彼女の体を抱きしめながら叫び、ただただ泣いた。


 薄暗い病院に鈍い打撃音が響いた。倒れ込んだ逸朗を背に真央由紀夫が立ち去っていく。
 彼女は今はもう霊安室に納められていた。
 ただ一人残された逸朗は、押さえきれない嗚咽をもらしながら待合室のベンチに崩れ落ちていた。
「なんで、ちくしょう、何で早実が、あいつが死ぬんだよ!!」
 ベンチにも座らず、床に崩れるまま座面に伏してぼろぼろと溢れる涙をこらえきれない。無力さと、喪失の痛みが彼を責め立てていた。
「あらあら、何がそんなに悲しいのかしら? それほどに悲しい事があったのね? 大丈夫よ、まだやり直せるわ。そう、今なら」
――声が聞こえた。それが誰なのか、逸朗は振り返る前にわかっていた。
 ぎりっと声の主を睨む。OL風の服装、短めに切りそろえた髪。頭脳派インテリジェント、田中真鞠子。
「……その目、まさかとは思うけど、」
 優しげに微笑みかけていた彼女の表情が一変する。
「――どこの世界系線セクションの弓削逸朗だ?」
 逸朗は涙をぐっと拭って立ち上がった。
「あいつが死ぬ未来なんて存在しない。だけど今、その未来がここにある」
 正面に、真っ向から逸朗は田中真鞠子を睨みつける。
「ぶちのめしてやる」
「いい響きだね」
 不意に聞こえた声に振り向くと、弥継が楽しげに笑ってこっちを見ていた。そしてひょいと何かを投げる。片手で受け止め、握りしめた瞬間にそれが何なのか理解した。
「……俺はもう、ブリングしない。それが俺の未来だ!」
 決意を叫び、ぐっと拳を握る。
disturbディスターブ!」
 逸朗の拳が風を纏い、真鞠子の頬をしたたかに打ちつける。まともに食らった田中真鞠子は、数メートルを呻きを上げる暇もなく吹き飛び、誰もいない廊下に気を失って倒れた。
「逸朗くん、ほんと、いいね!」
「……なんだよ、気持ち悪い。行こう」
「そうだね」
 楽しそうな弥継を後目にあっさりとはねのけ、出口へと向かう。
「榛原は?」
「先に行って待機してるよ」
 時間外出入り口のドアに手を掛けた時、ふっと逸朗が後ろを振り返った。
 声には出さずに、唇の形だけで、「さようなら、早実」と呟いた。


 堰島駅へ向かう電車の中。無言で揺られ、微かな動作の音も響きそうなほどの沈黙で包まれていた。その沈黙の中、逸朗は切り出す。
「なあ、おまえはこうなる事を知っていたんだろ?」
「…………」
「知っていたんだろ? 知っていて、これを、……消えるからって、消えるからってあいつが死ぬことないだろ!!」
 弥継は逸朗をじっと見つめる。
「いずれ消える時間でも、あいつが死ぬ未来は回避できなかったのかよ?! なあ、弥継、なあ?!」
 立ち上がり、ぐっと弥継の服を掴み、ぼろぼろとこぼれる涙もそのままに叫ぶ。
「俺……だって、あいつが死ぬの、嫌だ……」
 手をゆるめ、脱力するように座席に座り直す。
 顔を覆って嗚咽を堪える逸朗に、弥継はそっと目線を送る。
「……あの時説明する時間がなかったね。次の世界系線セクションに行くには君がブリングするかしないか選択する未来が必要だった。ここは作られた世界系線セクションだからね、僕たちは自由に動けないんだ」
「だからって」
 がばっと顔を上げると、彼は弥継の胸ぐらをぐっと掴み叫ぶ。
「だからって、あいつが死ぬことないだろッ!」
 弥継は黙して彼の悲しみと怒りを見つめた。
「くそッ……」
 数秒見合って、手を離す。弥継は、その様子を静かに見つめそして言った。
「この世界系線セクションは作られた世界、分岐の為の擬似世界系線なんだ。僕たちは世界が終焉を迎える間際にしかブリングするポイントを作れなかった。とても不安定な中にここは存在しているんだよ」
 電車が堰島駅の手前の駅を出た所で弥継が立ち上がった。
「この世界系線セクションの増殖はやがて、すべての世界系線セクションを覆い尽くしてありもしない未来を拡散し続けてしまう。……この先にあるのは、崩壊だよ」
 逸朗が顔を上げる。
「そして世界線のシフトが実行され、作られるはずのなかったハイパーキューブが生まれる。このキューブは、生まれてはいけないんだ。わかるね? すべてを破壊し作り直すのがハイパーキューブの力なんだよ」
「……俺たちは、利用されてんだよな」
 ぼそりと言った逸朗に頷く事で返答を返した。
「君たちはリフターなんだ、世界線をシフトする為の」
「……ぶっとばす」
 彼はにじり出す様につぶやいて、関節が白くなるほど拳をぐっと握りしめた。
「ぶっとばしてやる」
 その様子を、口笛でも吹きそうなほど浮かれたように見つめてにやりと笑い、
「いいね。僕、そういうの嫌いじゃないよ」
 と彼に微笑みかけた。
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