ツイン=リフト

magus of argdiscus

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7:a party, party and disturb!

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――……――――――――――――……ピピピピピピピ
 逸朗ははっと息を吸い込んだ。小さな電子音が耳元で鳴っている。
 もう慣れている。別の世界系線に移動している。すぐさま日付と時間を確認した。
「この時間は――」
 自分がいた世界系線セクションで早実が死んだ日の翌日。時間は午前六時頃。
 逸朗がまだ知らない時間だった。
 ともあれどうなっているのか自分ではわからない。早実にそれとなく聞き出すしかない。
「さーちゃ、起きろ、朝だ。さーちゃ」
 肩を揺すって起こす。揺すり起こされた彼女は眠そうに半目を開けて小さくうなった。しばらくもぞりもぞりとしていたが、起き上がり「おはよ」と言ってのろりとした動きで歯ブラシを持って座席から出て行ったので逸朗も後を追った。早実が入った女子トイレのドア越しに自分も歯を磨きながら、寝ぼけている振りをしてある程度聞きだした。
 前日――もとい、早実を迎えにいく直前に組み立てていたのとあまり変わり無い計画ではある。
 もうすぐ出発予定だというので、荷物をまとめて店を出た。

「なあ、早実……ネカフェってここにあったか?」
 店を出たばかりの逸朗が、後ろをついてきた早実に尋ねた。
「何言ってるの、ずっとここにあるのに」
 平然と答えられ、逸朗はあるはずがない――少なからずこの逸朗に関してはその認識が無い――天蓋を見上げた。どこにでもあるような、商店街のアーケードの天蓋を。
――なんで、商店街の中にネカフェがあるんだ? ネカフェって港駅寄りの高架が近い道路沿いにあったよな? それに、ここの商店街……。
 ネットカフェの入っていたビルは商店街の入り口付近にあって、逸朗が知る限りではここではなくもっと咲津港駅に近い場所にあった。そのうえ、入り口のアーチに書かれていた商店街の名前も逸朗は読めなかった。知らなかったのだから仕方ない。
――やわた? やはた? どっちだ? 八幡通やわたどおりなんて俺知らない。六辻通むつじどおりじゃないのか?
 流れている空気すらも違うような気さえしてくる。何かが違う、というより何もかもが違う。
 逸朗は思案した。
――自分が知っている世界系線は、コピーされた偽物である。
――この世界系線セクションは、今まで渡ってきたどの『時間』とも異なる現象が起きている。
――『偽物』とは違うこの世界系線セクションは、『偽物』であるか。
 逸朗の脳裏に浮かんだ考えが彼の心拍をぐっと跳ね上げさせた。
――まさか、ここがコピー元? 元あった世界系線セクション
「いつく、どうしたの? バスの時間あるし行こ?」
 呆然とアーケードのアーチを眺めていた逸朗に怪訝な顔で早実が声を掛けた。引き戻されるように逸朗は曖昧な返事を返し、歩き出した。
「……家の近所に隠れるってどんなチャレンジャーなんだよ、俺は」
 と思わず小声で漏らした。

 逸朗は早実から聞きだした計画通りに迂回しモノレールに乗り、京逢けいおう線に乗り換えた。
 数十分揺られ、烏啼大路からすなきおおじ駅へ。市営バスに乗り換え、三室みむろバスターミナルへ到着した。
 人ごみを歩き、高速バスの乗り場を探す内に、記憶の内にある顔を見つけた。
「……あの顔、おまえ見た事あるよな? なんでいるんだ?」
「うん。知ってる、お母さんとよく話してた」
 二人、嫌な予感がして顔を凍りつかせた。子供の頃無理やり連れて行かれたあの宗教団体の人間だ。未だに交流がある為家を訪れる事は珍しく無い。
「走るぞ」
 早実の手を取り走り出す。それに気づいたのか、きょろきょろと探すような素振りをしていた数名の男たちが二人を追い始めた。
 走るうち、やはり早実が遅れ始めた。自分の手にかかる力が増している。自分はまだ走れるが、早実は限界が近い。どこかに隠れなければいけない。逸朗は走りながらあたりを見渡す。
「さーちゃ、こっち!」
 ぐいっと早実の腕を引いて、地下アーケード街へ続く階段を降りあちこち角を曲がって、しばらく走り追っ手を巻き切れたとみて、バスターミナルに近い地上口へ向かった。
「いない。バスはもう来てる。いこう、さーちゃ」
 階段から地上をそっと覗いて怪しい人間がいないか確認してから早実を登らせた。
 バスはすでに受付が始まっている。駆け足で乗り場に向かい受付の列に並んだ。
「……あと五人。早く、頼む。早く……」
 否応にも急かしてしまいそうになる。苛立ちが見えないようにひた隠ししようにも焦りで余裕がなくなってしまう。
 あと二人。目の前の列はどんどん受付に近くなっていく。
――神様、お願いだから早実を自由に。
 あとひとり――
「早実」
――なんで、いるの?
 早実はもう声も出なかった。
 男が早実の腕を掴んでいる。彼女の名前を呼んだのは、由紀夫。早実の父。
「……ッ! 離せ!」
 驚いて反応が遅れた逸朗が由紀夫の腕を引き離そうと手を伸ばす。――が、後ろから誰かに羽交い絞めにされて動きを阻害されてしまった。早実は抵抗したが、そのまま父親に腕を引かれ車に引きこまれてしまった。追いかけようと叫びながら暴れ振り解こうとしたが、数人の男が逸朗にのしかかり完全に動きを封じ込められその手が届くことはなかった。
「早実! …………いかないでお願い、……離れていかないで、早実」
 走り去る車。脳裏をよぎる『彼女』との別離。
 車が走り去ると用が済んだとばかりに彼を押さえつけていた男たちはどこかへと散開していった。
 取り残された逸朗はぽたりと涙を落として――ぐっと歯を食いしばり立ち上がった。
――追うしか無い。
 彼は向こうに待つ『未来』の為、彼女の『未来』を救うために、京逢線へと足を運ぶ。


「何が問題、じゃない。そんなのはわかっている」
 京逢線の道のりは長い。特急に揺られ、その間逸朗は考えていた。
「なぜ、俺が知らない未来を選んだのか。それは、俺がもう前に進むって決めたからだよな」
 人目などもう気にしていなかった。
 ただ答えを求めていた。
「だから、もう何が悪かったとか考えなくていい。だったら、……」
 数秒の沈黙。――そして息を吸い込む。
――答えは、見つかった。
 逸朗に迷いはもうなかった。


 なだれ込む様に逸朗は真央宅へ駆け込んだ。由紀夫が気付いて逸朗を突き飛ばし押し戻す。
「娘を浚うやつなどもう親戚でもなんでもない、出て行け!」
 逸朗はこの言葉に構う事無く締められそうになるドアを掴み力任せに開く。
「さーちゃ!」
「……?! いつく!」
 廊下の向こう、リビングの奥に早実がいる。中に入り込ませないよう自分にしがみ付く由紀夫の手を無理やり引き剥がして部屋に駆け込んだ。
「行かせるか!」
「さーちゃ、さーちゃ!」
 もつれながらも早実のいるリビングまでなんとかたどり着き、手を取ろうと腕を伸ばす。が、横から振り下ろされた物が逸朗の腕を打ちつけようとした為、慌てて引っ込めた。見ると震えながら由紀夫の物らしいゴルフクラブを持って今にも殴りかかろうとしている聡美がいた。
「早実がいなくなったら、私の価値は……私が由紀夫さんといていい理由がなくなる! 連れていかせない!」
「さーちゃは理由付けの道具かよ! てめえらほんとになんにも見てやがらねえ! くそ!」
 逸朗の言葉は全く耳に届いておらず、血走った目で闇雲にクラブを何度も振り回す。戦いなれてきた逸朗はなんなく避けられるが早実に当たりそうになり、避けながらも早実を避難させる。
「家庭不和の言い訳にしてんじゃねえかよ! 子供の事なんて少しも見てねえ。見てねえなら見れねえって事くらい気付いてくれよ!」
「お前に何がわかる!」
 由紀夫が闇雲に突っ込んで逸朗に殴りかかろうとする。逸朗はそれを躱し、服を引いてそのまま聡美の方へ転がすようにした。
「子供は親の持ちもんでもない、壊れかけた関係の鎖でもない! 『子供のつらい』って気持ち、てめえらわかんねえからこうなってんだろ! 早実はもうここにいちゃいけねえんだよ」
「ああ、……ああああ、あああああ!!」
 もう言葉も出てこないのか、ただの叫びになって、聡美が逸朗につっかかろうとした。
「いつく!」
 小さく舌打をして、少し悪いと思いながらも聡美の服を乱暴に掴んで蹴り飛ばした。
 そして、身を翻し、早実に優しく微笑み、手を差し出した。
「さーちゃ、おまえの未来はおまえのもんだ。おまえの未来を生きるんだ」
 手を広げ、早実を迎え入れようとする。
「ゆるさない」
 早実が小さく悲鳴を上げた。
「……――てえ……こんなの、二度もごめんだよ……」
 どさりと逸朗が崩れ落ちた。
 腰の辺りが赤く染まっていく様子に気づいて早実が駆け寄った。
「わ、わた、し、……」
「やりすぎだ!」
 我に返ったように、自分が刺したナイフを泳いで視点が定まらない目で呆然と聡美は見ていた。その頬をぱしりと由紀夫が打った。すぐさま救急車を呼びに、足に散乱物を引っかけながら受話器を取りにいった。
「いつく、いつく!」
 ぽろりぽろりと涙を流し抱きしめた。
「――早実。俺は、死なないよ?」
 と、意識を失う前に逸朗は早実に微笑みかけた。


――この匂い、俺知ってる。……そうだ、俺がこの匂いを知ってるのは、……そう、毎日の様にあいつの所へ――
 ぼんやりと思考が動き始めた。
 ゆっくり目を開けると誰かが近くにいるのが見えた。病院だ、と逸朗は知覚した。
「……ははッ、生きてら……」
 冗談めいた安堵の息をもらす。
 近くにいた人物はこの逸朗の呟きに気付き弾かれるように振り向いた。
「逸朗、逸朗ッ!」
「ッるせえな。父親づらすんなこのくそ親」
 心底嫌そうに、よってきた男、弓削成壱(なりひと)ににべもないほど悪態をつく。
「てめえらあれだろ、俺に何の関心もないんだろ? 俺が死なれたら困るのは千夜子の世話係りがいなくなるからだろ」
「……お前、親に向かって何言って、」
「るせえよ! 俺に何もしなかったくせに! 祝い事も何もしない、辛い時も俺は独りだった! 何を求めてるのかも、何が足りなくて何がつらいのかも俺は言えなかった!」
「言ってくれれば……」
「聞いたのか? 聞いてくれたのか? 関心ひとつない他人みたいな子供の言葉を!」
 今まで溜まりきっていた言葉を吐き出し、叫んだ。腰の傷が痛んで逸朗は枕に顔を伏せて呻いた。
「すまなかったと言えば」
「いらねえよ。侘びなんか。俺はてめえを親だと思った事は一度もねえよ。血の繋がりがあろうが」
 成壱(なりひと)は逸朗の言葉に俯いた。もう破綻している、繕いようも無いと。その感情は後悔にも似ていたが諦めの感情でもあった。何が悪い、とも言えない程彼は何もしなかったのだから。
 うつむく成壱の隣で、はっと何かを思い出したように逸朗が起き上がって父親に掴みかかった。
「おい、今何時だ」
「え? ……は、はあ……」
「今、何時だって訊いてんだよ! くそ親父!」
 痛みを忘れて焦燥した様子で尋ね、時間を聞くと少しの安堵と焦りを見せ、
「ぎりぎりだ。……くそ親父、早実を連れて来てくれ。いいから早く!」
 怒鳴りつけながら急かして成壱を廊下へよこした。
 
 病室に小さな、しゃくり泣く声が聞こえる。
 その微かで遠慮がちな嗚咽は、あまりにも弱く少女の持つものを表しているかのようだった。
 逸朗はその少女の頭をそっと撫でる。
「何で泣くんだよ」
「だって、私のせいで」
「だからなんで、おまえの所為になるんだ」
「お父さんが、“おまえのせいでお母さんは犯罪者になった”って。いつくが、傷付いたのも私が悪いって叔母さんも言うから……」
 しゃくり上げながら言った言葉に逸朗は舌打をした。
「んの、くそババア!!」
 怒りのままにベッド柵に拳の側面を打ちつける。この期に及んで彼らは彼女を傷つけようとするのか。どうしようもないほどに腹が立ってしかたない。
「責めるな。こうなったのは俺がいけないんだ。甘かった。逃げればなんとでもなるってどこかで思ってた。なあ、さーちゃ、泣くなよ。俺死んでないだろ?」
「私がもっと強くて、ひとりでもいられたら、いつくは傷付くこともこんな怪我もしなかった。私がこうなればよかった! 私が代わりに傷付けばよかった!」
 泣きやまない早実を見つめながら、眉を険しくして逸朗は思った。
――そうか。だから早実はあの未来を望んだんだ。
「怪我、痛い?」
 早実がそっと手を伸ばし刺されたあたりを撫でた。痛むので傷のある右後ろを避けてずっと横を向いたままでいた。涙を目に溜めながら優しく傷を撫でる早実をじっと、傷付いた小鳥を看る目で見つめ、逸朗は囁くように言った。
「痛いよ。でも、おまえの辛い気持ちよりきっと、痛くない」
「私が弱くなくて賢かったら、いつくを傷つける事もなかった。私は、弱い、人間なんだ」
「俺も弱いよ。同じだ。逃げる事だけを考えた弱い人間だ。一人で立って歩けるって思い込んでた。その弱さを知らずに、逃げたんだ。この事態を引き起こしたのは俺だ。それすらも俺は受け止められなかった。でも、受け止められた今、俺は生きてる。おまえも生きてる。でもここはゴールじゃない、通過点であり、出発地点に俺らはいるんだ」
「いつく、何言っ――」
 言いかけてやめた。今何を言っても意味が無いと、直感で感じ取った。
「さーちゃ、大人になったら俺たち一緒にいると思うか?」
「……わかんない、そんなの……」
「……そうだよな。そもそも一緒にいたのって子供で、境遇が同じで居場所がなかったからだよな。あの公園は居場所がなかった俺たち二人に居場所をくれた。……いつか、大人になってあの場所からいなくならなきゃいけない」
「…………」
「俺はもう、遠くへ行くって決めたんだ」
 早実は驚いて、そして俯いた。
「あの公園からいなくなる事が大人になる最初の一歩なんだよ。わかんねえ、うまくいくかとか。でもひとつだけ確かな事があるんだ。さーちゃ、」
 早実の目をまっすぐに見つめ言う。
「俺はおまえを救えたんだ。どうしようもない泥沼から」
「いつく、言ってる意味全然わかんないよ」
「そうだな、そうだ」
 ぽろりぽろりとまた涙を流す早実の頭をそっと撫で逸朗は微笑んで言った。
「泣くな。俺がいなくなった後それじゃつらいままだ。俺がいなくても、おまえは生きていかなきゃいけない。強く生きろ。……なあ、おまえ気付いて無いだろうけど笑ったら結構美人なんだぜ?」
 冗談ぽくいったが、ときたま見られる彼女の笑顔は世辞でもなく本当に美人だと思っていた。
 逸朗は撫でるのをやめ、数秒沈黙して、
「もっと笑った方がいい。笑っていられる未来を生きて欲しい。おまえの未来はお前のものだ。だから誰に指図されてもいけないし、優しさの無い理不尽な言葉におまえが振り回されるのは俺は嫌だ。やりたいように生きろ、早実。自分の未来を信じて生きろ、俺はそれを望んでる」
「でも、私……そんなふうに思えない。信じて生きられるほどのもの私持って無い」
「焦んなくていい。これからだ。俺は見つけたよ。一緒に見つけてやれないけど、おまえもいつか」
 ふとよぎったようにあの世界系線の早実を、その時の風と共に思い出しこの言葉を選んだ。
「――俺は、早実の前からいなくなる」
「……」
「こわいか? でもおまえも言わなくちゃいけない」
 何故、と言う疑問は浮かばなかった。今の二人に必要な言葉だった。
 彼女は決意が揺らがないうちに立ち上がった。手の震えを隠し、ぎゅっと握りこめる。
「……うん。こわい。でも言わなきゃ、だよね、いつく」
 逸朗は頷いた。
「――私はいつくの前からいなくなる」
「……いつか、おまえの元に信じて側にいてくれる人が現れる。俺はその最初だ」
「こないよ、そんな人」
「来る。俺にもいたんだ」
「そっか」
「……さようなら、さーちゃ」
「ばいばい、いつく」
 手も振らず、早実は病室から静かに出て行った。
 彼女が去ったドアをじっと見つめ。
 逸朗の頬にすうっと涙が伝った。
 涙をぬぐい、逸朗は起き上がった。


 着替えが無かったのでとりあえず病院着のまま部屋を脱出し、看護師の目をかいくぐって救急搬送口へ回った。予想通り、外に出るとドア付近で弥継と榛原が待機していた。
「やあ、逸朗くん」
「弓削逸朗、その服では」
「あー、榛原ついでに頼むよ。オーダー、ブリングオペレート、リザレクト、リコンストラクト」
「ブリングオペレート、了解しました。マルチタスクを利用します。完了まで五十三秒」
 榛原がキューブを手のひらに載せ、実行コードを呟く。逸朗の腰部から痛みがじわじわと引いていって違和感も無くなり、そして逸朗の服は――魔法でも使ったのかと言いたくなるほど――すっと音もなく形態を変えいつも身につけているようなカジュアルな服に変わった。
「すげえ……つか、これ俺の気に入ってたシャツじゃん! さっき穴開いてだめになったやつ!」
 逸朗のはしゃぐ姿を見て、子供にプレゼントを渡して喜んでもらえた事に喜ぶような、満足げな弥継は「こういうところ、すきだなあ」と小さく呟いて微笑んだ。
「てか、さ。それあったら、実質不死身? てか不老不死にな――」
「さあ、いくよ。逸朗くん」
 言葉を遮って、声を掛けて歩き始めた弥継に怪訝な顔で、
「行くってどこに?」
「まだ戦いは終わって無いよ。やつらもうかんかん。じきに僕らがいることに気付いて追ってくる。……逸朗くんはここでど派手なバトルになっちゃうの、さすがに危ないと思わない?」
「……それは、物騒にも程があるな」
 弥継はふふっと笑いをもらした。
「逸朗くん、パーティはまだまだ続くよ」
「最終オペレーションを開始します」
「ちょ、待って、ガーゼ気持ち悪い……」
 意気揚々と戦場に向かう二人の戦士の後を、服の下に手を差し込みながら慌て逸朗はついていく。

「さあ、騒乱のはじまりだ!」

 人気の無い湾岸を歩く。どうも向かっているのは突堤と呼ばれる埋め立て地のようだった。突堤は波による岸の侵食を防ぐための物で大小さまざまあるが、この地は河が合流していることもありかなり大きな規模の突堤が作られていた。到着して逸朗はあたりを見渡したが夜闇も相まって端など見えるはずもなかった。正直なところ、都会のビルなんてものはすっぽり収まって庭さえつけられそうだ。
「榛原、周辺データ取ってある?」
「はい。予備集拾分も含め、周辺すべてを修復可能なデータが揃っています」
「OK、上等。心置きなく、盛大にやれそうだね」
 満足げに弥継が頷く。
「――何を、盛大に?」
 苛立ち雑じりの声は突堤の入り口の方から聴こえた。
 二人は確認することもしなかった。逸朗は勢いで振り向いたが、確認するほどのことでもなかったな、と目を細めた。――田中真鞠子。隣には、猛獣でも怯みそうなほど鋭い怒りを貼り付けた時香も。
「本当に、こんな所まで追ってくるなんて、根性とかそういうものじゃないですよ。武闘派の人間は何人かつつきに来てたのはログで知ってましたけど。みんなルートもわからずに逃げていったんですよね」
「報告は聞いてるよ。いやあ、大変だった。みんな手を引き始めるし情報掴むのにも苦労したよ」
「はいはい、改変回収ごくろうさまでした。こっちはもう振り出し、やんなりますよ」
「今回のやり方、卑劣ではあるけど、驚いたよ。事実上不可能だった先の時間へのタイムリープアクセスを、データ上で実現させるなんてね。階段状にコピーを組み上げ未来からデータを搾取し、君たちのキューブをシフトさせた。ざっと見て、一〇〇年分かな?」
「あんたらがぶっ壊してくれたおかげでデータの大半は消失しましたけど」
 怒りを顔に貼り付けながらも淡々と、冷徹ともいえる調子で弥継の嫌味にも返していたが、
「……鐸鳴弥継! 弓削逸朗! 私はあんたらを許さないッ」
 咬み付きそうな獣の怒気を込め、時香が叫んだ。逸朗はそれに対して、非常に冷静なまま、
「俺だって許せねえよ。俺も苦しんだんだ。この『俺』が知らない『俺』の痛みも、早実の苦しみもお前らがそうした事になんの許しの気持ちも沸かねえよ」
 やや投げやりな感じを含みながら逸朗は言い――ふと、時香の背後に誰かを見たようで目を細めた。
「君はこの長い旅路で何を得たのか。掛けがえのない何か。あるいは真の強さに出逢えたか」
 重く闇色が似合う低い声が詩を詠うように語り始めた。
 その声の持ち主は、すっと弥継たち三人の前に現れた。
 その男、背が高く見るからに高価そうな三つ揃えスーツを着こなし、すらっとした長身の体を包んでいる。年は三十を過ぎていないくらいだろうか。しかし、身に纏う雰囲気は年相応とは言いがたく、何年も積み重ねてきたような重みがその視線の中にあった。
「やあ。兄さん、久しぶりだね」
 じりと、焦りや動悸が見えそうなほど緊張した面持ちで弥継が彼に向かって言った。弾かれるように逸朗が弥継を見、尋ねる。
「は? あれ、おまえの兄貴? どう見ても敵だろ?」
「お前の兄は死んだ」
 男はそう答えた。
「わかっているとも」
 弥継は男の言葉に頷く。すぐさま振り向いて混乱する逸朗にナックルとムーブキューブを渡した。
「逸朗くん、本気でやらないと、死ぬよ!」
 弥継はポケットからムーブキューブを二つ取り出し、
「インターセクション、C-No.0037、C-No.0058、バンドリング、セット、自動リコンストラクト、セット」
「どういうことなんだよ、弥継。兄貴死んだとか、動いてるのに? あれ本当に兄貴なのか?」
 逸朗の疑問に、弥継は数秒黙った。
「あれは兄さんだよ。……でも、中身は違うんだ」
 そう言って顔を隠すような挙動を含めて走り出した。そのまま、二つのキューブを投げ解除コードを叫んだ。キューブの一つからは膨大な水流、もうひとつからは風が吹き出した。
「兄さんは死んだ。僕の目の前で」
 顔は見えないが声が震えている。
「おまえが兄さんを奪った!!」
 キューブから現れた水と風の旋廻は巨大な槍になって、叫びと共に男に突きつける。
「アクト、ヘクタープロテクター」
 衝突の寸前、見えない堰でも作られたかのようにぴたりと動きを止め、そして、ぐにゃりと曲げられ男に届く事無く地面に突き刺さってただの水に戻った。
「死者は語らぬ」
 男は氷のように表情を冷たく固定して、微動しない。弥継はすぐさま手元にキューブを再構築し構える。   
「兄さんは死んで、そして立ち上がった。彼が、兄さんの身体を奪った」
 逸朗はまさか、と思いながら問いかけた。
「あれ、中身別人なのか。だったら誰なんだ」
東来灯路あすらいとうじ。長い時間をかけてわかったのはこれだけ。――僕の兄さんは東来のブリングで奪われた」
「……当時、私の身体はひどく損傷していた。私のキューブでは君らの様に物体を正確に復元できない。すべての構成物に於いて、もっとも精密で複雑な生体ならなおさらだ。だから、記憶をブリングし自分の身体の一部を移植した。――ただそれだけの事」
 平坦な声で返される。感情など微塵も感じられない。
「……最ッッ低くそ野郎だな」
「……これ以上、喋るな……兄さんの声で、顔で喋るなッ!」
 弥継が叫んでまたキューブでなぐりにかかる。
「兄さんは、死んだんだッ!」
 泣いているかのような、自らに言い聞かせるようなその叫びは一片しか知らぬ逸朗の胸を締め付けた。それほどまでに、悲痛な叫びだった。彼の様子をじっと見ていたが、足元の地面が行き追いよく天に向かって突きあがり、逸朗はたたらを踏みながらも回避した。
「余所見、いつまでしてんですか」
 見ると何故か待っていた体の時香がこちらを睨んでいた。
「いや、そういうつもりじゃなかったけどな」
「はいはい。でもまあ、あんたらのおかげでこっちのキューブは少なからずシフトできましたし? 記憶のコピーもしてたんで、コード構成もシフトしましたし、感謝を込めて待ってやったんですよ」
「それが狙いかよ」
「それも、ですけど、それだけじゃない」
「未来へのタイムリープ、これって不可能だって弥継言ってた」
「そうですね。あれはただのコピペじゃないんですよ。道――ですかね。いろいろ仕組んでるんで」
――なんだくそ、俺らは踏みつけ台? いやもっと酷い。屍を連ねて道にしたんだ。
 弥継から受け取ったナックルをはめ、拳に力を込める。
「私は、止まりたく無い、止まれない。もう何も奪われたくない」
 スクリプトコードを叫ぶように言い、近隣に停まっていた車を高速で移動させ、逸朗の方へ向けて飛ばした。身を捻るようにかわし、彼もまた叫ぶ。
「俺だって、奪われたくねえよ! 早実を失うのはもう嫌だ!」
 まるでボールのように高速で車が飛んできたことに逸朗は恐怖を感じた。当たれば死ぬ。当然の事を当然、そのまま思う。――今に至っても、彼は普通の十七歳だった。
「disturb(ディスターブ)!」
 振り切るように、自らを振る立たせようと叫び拳を握る。


 逸朗と時香の戦闘が始まる最中も弥継の攻撃は続いていた。しかし、まったく歯が立たない、という状態が続いていた。それでも弥継は一ミリも引き下がろうとはせず、食らい付くように攻撃を続ける。
「兄さんは空の棺で送られた!」
 キューブをクエイクキューブに変えるが、足元を崩すことすら出来ない。
「コードが単純なのか君の弱点である」
「兄さんを返して……」
 泣き出しそうな声で懇願し、また水の槍を繰り出す。
「アクト、エンチャントレス」
 見えない壁が、東来の眼前に水の槍先を留まらせ、矛先を百八十度捻じ曲げ弥継に向ける。
「この身体を取り戻してどうしようというのか。死者は蘇らぬ。たとえ武闘派のマスターキューブを以ってしても」
「わかっているよ」
 向かってきた槍を消し、別のキューブを持ち構える。
「理解しているならなぜ追う? 無駄と知りながら追うならば、それは理解しているとは言えない」
「僕は、ただ……ただ、」
 両手で額を押さえ、苦悩のままにかぶりを振る。
「死者は戻らぬ。どのような未来が来ようとも、留められぬ」
 わかっている。弥継はぐっと歯を食いしばり、心が折れないように更なるキューブを取り出し同時開放するキューブを三つに増やした。
「僕は走り続ける。その日が来るまで!」
 パイロンキューブ、フルードキューブ、テンペストキューブ、三つのエネルギーが相まって膨大な熱波になって東来に襲い掛かる。

「ずいぶん派手にやってるのねー。仏面ほとけづらがまるで夜叉やしゃじゃないの。輝いてない」
 どこからともなく現れ、いきなり自分の隣に並んだ人物に逸朗は慌て、悪態をついた。
「うわ」
「やな予感……」
 離れて加勢しようとしていた真鞠子までもその姿を見て青ざめている。
「てめえ、出羽いずりはなんで来たんだよ」
「え? なんか大変そうだから加勢に来たのよ」
 彼女は回りの焦りや悪態も他所にクロスボウを構える。
 それを見るや否や、逸朗と真鞠子はそれぞれに走り出した。
「アラウンド、自動ブリングを開始します」
「ぱーっと綺麗にお片づけ! disturb(ディスターブ)!」
 矢を放つ。
 矢から脅威的な風が噴き出し、辺りに壊滅的なダメージを――与えるかと思われた風は一気に収束し、そよ風すらもなくなった。
「ここに――惣滑谷出羽そかつやいずりはがいると、聞いたのですが」
 収束した風の中心に彼はいた。
「――おられませんか」
 ――かちゃりと返した刃のキューブにするすると風は吸い込まれている。
 すっと出羽の方に視線を移した。
「いらっしゃったようですね」
 槍の手の内を変え、すっと構え走りこむ。
 突き、まわし切りの連撃を、踵のキューブを発動させすっと後ろ宙返りで回避する。
「ほんと、あんたしつこい」
 いらつきながら矢をつがえ数本を連射。風がどっと吹き荒れるが、三春は全てをかわしエネルギーを吸収する。
「C‐1、イジェクション」
 三春がずささっと足を摺りながら身体を半回転させながら何かを呟いた。それの直後、刃からは吸収した風エネルギーがどっと噴き出し、回転の動きをなぞるように彼の持つ薙刀槍を猛烈な勢いで回転させた。出羽がそれを避けると、三、四回回ったあたりで、薙刀を振り下げながら飛び上がった。
「C‐2、イジェクション」
 またも刃から風が噴き出す。今度は縦方向に回転し、前転宙返りを加え、出羽に切りかかった。出羽は踵のキューブで急速に半身回転して回避。三春は着地より早く三つ目のキューブを開放、尽き込みの形で出羽に刃を向ける。
 出羽は更に、ステップを踏むように身を捻り踵の風を利用しながらすれすれで避けて行く。回避してすぐ身を翻し、キューブの風を開放しながら前転を繰り返し三春と距離を取った。
「マテリアル=リコンストラクト」
 出羽が呟くと、空になっていた矢を収納するケース――クイーバーにまた矢が戻る。
 矢を一つ打ち、エネルギー開放。休まずジャンプして、
「No.01-R、No.01-L、disturb(ディスターブ)」
 右足と左足の両方を開放し、姿勢を整えながら空中に浮き上がる。大きく弧を描き、背後に回り着地前に矢を打つ。半テンポほど反応が遅れたみ三春は、足をざっと大きく開き地面すれすれまで屈み、薙刀を振り背後へ回し、
「ギャザレクション」
 矢を回避しながら風を吸い込みすぐさま槍を横に振って開放する。開放した風は刃に変則的な加速を与え、三春の身体を回転させ着地しようとする出羽に襲い掛かる。
「――ッ!」――切られる。
 反応が遅れ瞬間的な焦りを見せたが、
 ガギリガガガギリッ
 金属を激しく擦る耳障りな音が、出羽が予想した結果を裏切ってくれた。
「――まぐれって恐えよな、ほんと」
 出羽は唖然としてその音の発生源を見た。あれだけのスピードだというのに。
 出羽に襲い掛かろうとしていた切っ先は、逸朗のナックルによって止められていた。よくもまあとめられたものである。もしかすると、この男は歴戦の戦士なのかと疑いたくもなる。
「……れ、礼なんて言わないから」
「いらねえよ」
 言って去っていく。出羽は繕うような高慢な態度を示して時香との戦闘に戻る逸朗を見ていたが彼が内心、
――礼とかいいから、どっか行ってくれよ……。
 などと思っていただなんて露にも思っていなかった。

「三春! 私死にかけたんだけど!」
 少し離れた場所で風の余波を受け、引っくり返った真鞠子がむくりと起き上がって抗議した。発生源の当事者はなんともないが、うっかり風を受けると無傷ではいられない。出羽の矢の風もそうだが、出羽の風を吸い込んだ三春の刃も、余波だけでもかなりの風圧であって、下手をするとかまいたちになって傷だらけになることはそう珍しく無い。真鞠子はこの事をよく知っているらしく、必死の形相で抗議している。
「……どなたでしたか」
「……わ、忘……れてる。……もういいわ……」
 知り合いらしいが三春はまったく記憶に引っかからないらしく、考える素振りをしたものの思い出すのを諦めてしまった。真鞠子はがくりと肩を落とす。
「思い出せないのはもういいわ。とりあえず、私を巻き込まないで!」
「……理由が見当たりません。出羽を討ちます」
 無表情で言い放たれた。真鞠子の事はもう見えていないらしく薙刀の切っ先を出羽に向ける。
「……あー! もうやだ! エリア限定干渉隔離、座標パターン8A9H、コマンドコードLLCKMCAQ。死にたくない!」
 コードを言って、安全地帯を探して逃げの姿勢を取る真鞠子。誰も彼女の事を気に留めていないのがむしろ哀愁さえ漂いそうだが、当人はそれどころではない。
「なんでもいいけど、俺を撃つなよ!」
 そんな応酬の最中に、少し離れた所で時香の攻撃を避けながら逸朗が出羽に向かって叫んだ。
「保障はしないわ!」
 言って矢を取る。
「……ま、死なない程度には気を使ってあげるわ」
 高慢な素振りでそう付け加えて矢をつがえ、クロスボウを構える。
 三春の先行踏み切りで戦闘が再開される。
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