愛して愛して愛して愛してる人

綾瑪東暢

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昔の知り合い

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 家に帰り、夕飯の支度をしているとブブブッとスマホが鳴る。すぐに手に取って通知欄を確認するとメッセージを送った神瀬かみせから来ていた。
 『久しぶりだな。八重やえ弘人ひろとか。残念ながら最近は名前すら聞いてない。俺は男育の大学に進んだんだが、弘人は外に出たみたいだ。姉の智寧ともねさんなら何か知ってるかも。白斗はくとあずささんに聞いてみるよう言っておく。』
 
 智寧は弘人のお姉さん。白斗は神瀬の恋人。梓さんは白斗の義姉。

 お礼のメッセージを早速打ち込む。
 『ありがとう。』
 『白斗とも繋がる?』
 『神瀬が嫌でしょ』
 『当然だ。聞いてみただけだ。じゃあまた連絡する』
 ぽんっと手を振っているキャラクターのスタンプが送られてきた。神瀬には似合わないスタンプでついクスッとなった。

 ポコポコいっている鍋に慌ててスマホを置く。

 
 その日夜、神瀬からまた連絡が来た。

 『少し電話でもいいか?メッセージを入力するのが面倒で』
 『大丈夫。』
 神瀬から電話がかかってきた。
 
 『寝るとこだったか?』
 「いや、まだ。」
 『よかった。白斗!八重だ。八重さん!!久しぶり。』
 「白斗くん。久しぶりだね。それで、弘人はどうなった?」
 『梓に智寧さんに聞いてみるよう言ったんだ。そしたら智寧さんも最近見てないみたい。あの学校を出てからは少しの間2人で過ごしていたみたいなんだけど、1人で暮らしたいって言ってほんの数ヶ月で出ていっちゃったみたいなの。智寧さんもメールしてみるって言ってたよ。』
 「2人ともありがとう。」
 『それより、八重さん、なんか変わったね。』
 「そうかな。」
 『うん、なんて言うのかな。丸くなった?』
 後ろで神瀬の笑い声が聞こえる。
 『あ、ごめん。』
 「そうかも。自分でも丸くなったって感じるよ。あの時はごめんね。2人とも。」
 『ううん。気にしないで。また4人で会おう。』
 「うん、2人とも本当にありがとう。」
 電話の向こうで音がする。
 『じゃあ、また。』
 最後の最後に神瀬に代わる。
 「ありがとう。また。」
 神瀬の方から電話を切る。

 ベッドに横になる。
 「弘人・・俺も2人みたいに・・」

 毎回妄想するのは自分と弘人が仲良く過ごしている風景。だんだん心がモヤモヤしてきて嫌な気持ちになる。

 颯はスマホを棚の上に置き、ちゃんとベッドに入った。




 



  







 「神瀬!」
 「八重?」
 あ、これは・・中学の時の話だ。
 「神瀬。僕とパートナーになってくれない?」
 「どうして俺なんだ?」
 「神瀬、まだパートナーいないでしょ。それに僕、神瀬くんのこと。」
 この時、神瀬は僕の口を塞いだんだ。
 「八重は俺のこと好きじゃないよ。」
 「な、何言ってるの!僕はずっとずっと神瀬がっ!」
 「八重。八重はずっと」
 聞こえない。神瀬の声が聞こえない。
 「神瀬ー!」




 目を開けたら天井に伸ばしている手が見える。
 「あれ?なんか嫌な夢を見た気がする。」
 
 スマホを手に取ると、時刻は7時50分
 「やべっ、遅刻・・」

慌てて、ベッドから飛び降り、着替えた。








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