越えられない壁で僕らの幸せは・・・(黒凪の話)

綾瑪東暢

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恋焦がれる

兄として

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 「な、なぎ
 部屋の外からかおる兄さんの声がする。
 「ごめんな。凪の気持ち考えてなかった。」
 「・・・・」
 
 その声に反応せずいると、階段が軋む音がして薫兄さんが一階に降りた。

 「・・・だれも俺の気持ちなんって」




 
 そのまま、僕は寝てしまった。朝、起きて一階に降りると、
 「おはよう。凪」
 いつもは先に行ってしまう薫兄さんがいた。
 「なんで」
 「久しぶりに凪と登校しよう思ってね」
 
 ため息をついて、席についた。
 
 「昨日のこと気にしてるなら別になんとも。僕のほうが悪いし。」

 パンを口にいれる。
 
 「凪と話したいなぁって思っただけだよ。」
 「話したいことなんって僕には」
 「いいでしょ。たまには。」
 「・・・・」

 ささっと朝ごはんをたべる。

 「茅鶴ちづる様は?」
 「時咲とさ様と行くよう言ってあるから大丈夫。」
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