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本格的に

受験生

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 三人は受験生になった。
 志飛しとは仕事をれい駿河音するがねに任せて受験勉強を始めていた。勇気がなく、なつと話すタイミングがなかった。

 志綾と荼泉といは家の近くの高校に夏輝斗かきとは県外の高校に志望した。

 3人の志望する高校は夏輝斗の高校も含め一二を争う名門高校。だから中学3年の春から3人は勉強を初めていた。

 



 「志綾ちゃん!」
 「どうしたんですか?しずくさん。」
 「私、どこの高校に行こうか決まってないんだ・・・それで志綾ちゃんにアドバイスをもらえないかなって」
 志綾に話しかけた物槨令ものかくれは申し訳なさそうに持っていたノートで顔を隠す。
 志綾はチラッと荼泉を見るけどすぐ視線を戻し「いいですよ。座りましょう」と言って隣に座らせた。
 「そうですね。雫さんは将来なりたいものってありますか?」
 「恥ずかしいんだけど・・・私ね・・・・・・・・になりたいんだ」
 「は、はぁ・・・。い、いいと思います。」
 「志綾ちゃんもそう思う?嬉しいなぁ~」
 「えーと、それを専攻に考えて見たら良いと思いますよ。」
 「うん!」
 嬉しそうに話す物槨令に何も言えなかった。
 

 隣で二人の会話を盗み聞いていた荼泉はため息をついた。
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