顔も知らない婚約者 海を越えて夫婦になる
ある朝、ハロルド・ヘインズは祖父に呼び出されて告げられた。
「明日、お前の婚約者がここへ嫁いでくる」
生を受けて16年、婚約者がいることは一度も聞かされていなかった。
貴族の子供に婚約者がいるのはおかしな話ではない。衝撃ではあったが、一体どういう相手なのだろうと問いかけたハロルドの耳に届いたのは想像もしたくないほど最悪な言葉。
「美しい和の国の女だ」
和の国を愛してやまない祖父が決めた婚約者。
誰も逆らうことができない祖父の絶対命令に従うしかなく、ハロルドは婚約者ユズリハを迎える。
和女を婚約者にしたことがバレては笑い者になる。
和人に嫌悪するハロルドにとって人生終了のお知らせも同然。
ユズリハに感情も事情も全て正直に告白したハロルドは驚くことなくそれを受け入れ「愛し合えとまでは言われておらぬ」と笑う姿に唖然とする。
地獄の始まりだと婚約者を受け入れようとしない伯爵家次男は想い人と一緒になることを夢見ているが、自由に暮らす和の国随一の豪商の娘はそれさえも応援すると言い……
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