宇宙創造神のペットは規格外と評判です(改訂版)

浦おりと

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第2章

第9話 万能掃除機とティータイム

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「【チビバニボー】真琴様、宇宙創造神様とのお話はお済みになられましたか?」

「ん?様付けしてくれてるけど【チビバニボー】って呼ばれるの嬉しくないからー真琴って呼んで。で、何がどうなってるの? 奏多に説明しておいて。 桜~冷たいもの頂戴~」

ゼノバゼロス神におだてられてやる気になった真琴だがアム神との短い会話で既にやる気を大幅にダウンしていた。一番の理由はアム神が無駄にキラキラとしたいかにもなイケメン姿で【チビバニボー】姿の真琴は卑屈気味だったのだ。それ故、いつも以上に速攻で奏多に丸投げし、桜に甘える。

 「アム神様、詳しい説明をお願い出来ますか?」

「奏多殿、真琴様はいかがされたのか、私が何か気に障る事でも…」

「ああ、全然気にしなくて大丈夫ですから、……失礼ですがアム神様のその見た目は変化可能ですか?」

「えっ、この姿ですか?勿論どんな姿にも変化出来ますがひょっとしてこの姿が真琴様のお気に召さなかった理由ですか?」

「実は言いにくいのですがそうです。見た目を老人か、造形をもっとぶさ、あっ、いや、のっぺりな雰囲気か、いっそ、女神の方がいいような……あっ今回は女神はダメ」

「成る程、実は私たち神は本来性別がありません。この姿は、私を信仰している者たちが望んでいる姿に
具現化されているに過ぎませんのでいかようにも変化出来ます。」

その言葉とともにアム神はゼノバゼロス神と同じような、白髪の仙人風な姿に変化、それを離れた場所からアホ面で見ていた真琴は《なんだ、こっちが本当の姿なんだ~》 と一気にご機嫌になる。そんななんとも単純な態度で奏多とアム神の傍にのこのこやって来た。


アム神の話では管理する6つの星はそれぞれ一部分が重なるように連なった形の長方形に近い星の集合体でその一番端の星にアム神が創りだした生物がによって周りの生き物を吸収し始め、異形の破壊神になり他の世界にあだなす存在になるのも時間の問題と言うことだった。アム神の魔力で作り出された存在故にアム神の力を無効にしてしまうらしく、困り果てSOS発信になったらしい。

『ふ~ん、アム神ダメダメじゃん。』

「言い訳の言葉もありません。」

『年甲斐もなく若い姿に変化してるからだよ~』

「ははは、それも言い訳出来ませんな」

『そうだよ~まぁ今回は大目にみるから!年寄りは年寄りらしくね♪』


その様子を桜と見ていた奏多は、真琴お前はいったい何者なんだ。ああ、宇宙創造神様のペットだったな、でもアム神様のイケメン姿は全然無関係むしろ真琴の1000%言いがかりじゃないか。宇宙創造神様の後ろ盾で大きな態度にもなるか。って違うな、現世で誰に対しても尊大な態度は変わってないな……。俺の幼馴染はそんなご都合主義の変人男だったな。と結局自問自答で終わらせていた。


「真琴!話は聞いたな?すぐに出発するぞ。アム神様、一度現地に行ってみます。相談はその後で」


奏多は、真琴が何か言う隙を与えず、転移でアム神が示した場所へ移動した。移動したその場所は、アム神のナビ精度が良すぎなのか破壊神の眼前に、ドンピシャで現れてしまうのだった。

「「「…………」」」

【グロローグギャァ 一 グロローグギャァ グギャァ】

『ええと、これって……怪獣?』

破壊神と言われている存在の前に現れてしまった三人三様、破壊神って話だと思ったけど俺たちが思うに言葉は絶対伝わらない系だと即座に結論をだしていた。そんな緊迫したと言っていい状況で真琴は呑気に《あっ、でも俺がペンスラ姿だから言葉が分からない?》と言いかけたが未だに目の前の光景に奏多も桜も唖然としていてた。そんな二人の間抜け面に真琴は大笑いして、現状認識した二人に睨まれる真琴だ。

『おお?何?そんな二人で睨まなくてもいいじゃん。怪獣退治なんてどうすんの?武器用意してないよ。日本で怪獣と言えばゴジラだな、対G兵器を後でお取り寄せしようかな。架空の兵器だからダメかな?どうかな?』

【グロ? ウグギャァ グギャァ グギャァ】

「っ気付かれたかっ真琴!現実逃避するな!桜と一緒に隠れてろ!俺が何とかしてみるからっ!」

奏多から放たれた二人を心配するセリフに《おお~奏多君ったら男前じゃん、でもこんな怪獣真正面からじゃダメじゃね?》と真琴は冷静に考えながらおもむろに小さな手が何も無い空間から小型の掃除機を取り出し怪獣に向けてスイッチオン。

【グルゥ?ッグゥーオォォ——】
ゴォーゴォーゴォー ボゴオッゴォーーボコ 

その瞬間、今まで威圧を伴う鳴き声を放っていた破壊神と思われる怪獣が空間からスッと欠き消えた。

『わおーいなくなったよ~やっぱりこの掃除機最強!』

「……真琴?今何した?」

『ん?スキルのミニミニブラックホール発動したんだ。別名何でも吸っちゃえ掃除機を使ってみたら上手くいったな。』

「「…………」」

天然で凄過ぎるスキルを放った真琴に何も言えない二人。桜は破壊神だと思われる怪獣が少しだけ気の毒に思ったがそれは心の中に留めておいた。奏多は日本でライトノベルが唯一趣味だったこともあり、魔物と戦う勇者みたいに仲間を守ってと少しだけ、ほんの少しだけ主人公気分に流されていただけに、真琴の掃除機発言にガックリし、現世に戻ろうかと真剣に思い始めるのであった。

チートスキルで破壊神を消し去った真琴。退治したと言ってもいいのだろうかと奏多は誰に問うでもなく自問自答のスパイラルにどっぷり嵌まり込んでいた。そんな奏多をしり目に主従コンビは暢気に相手を褒め殺す会話を楽しんでいる真っ最中であった。

「真琴様!大変素晴らしいご活躍でした。私が小さい時も真琴様はとても綺麗に私のゲージを掃除して下さいましたが今や掃除機を使わせたら異世界ナンバーワン、いえ、宇宙一ですね。」

「桜ぁーお前はやっぱり俺のことを一番分かっているな。」

「無論です真琴様。前世で私は真琴様のペットでしたが今や恐れ多い事に真琴様の従者になれましたから、真琴様の事は誰よりも理解していると自負しております。」

『うんうん、だよねー、さすが俺の桜だな!俺もさ、ブラックホールなんて変なスキル貰った時はどうなのよーって思ってたけど、発想の転換っていうの?要は、なんでも吸い込むんだからダ〇ソー掃除機も真っ青の大型掃除機があってもいいじゃんって思ってさ、ここに来る前にゼノバゼロス様にブラックホールスキルとセットで使える様にマジックアイテム作って貰ったんだ。形は地球産の掃除機と変わらないから使いやすいんよ。』


 真琴は簡単に言っているがそのマジックアイテムは真琴の首輪と同様に神様特性、いわゆる神器と呼ばれる逸品で簡単に現世の掃除機と一緒くたに出来る類のものではなかった。しかし、真琴は天性のじじばばキラーであり、ここに来るまでに地球で人気の青いネコ型ロボットのアイテム並みに神器だろうがなんだろうがゼノバゼロス様におねだり攻撃で色々作って貰っていた。

本来真琴の持っているスキル能力は非常に高く消費魔力もHPも無限のなので神器などは必要でないのだが、いかんせん、現世で物が溢れた生活をしていたので無から魔力で何かをするとか創り出すことが未だにイメージ出来なくて、真琴指導担当の奏多を困らせてもいたのである。

「そう言えば真琴様、先ほど吸い込んだ生き物は何処に行ったのですか?吸い込まれたら命も終わりなのでしょうか?」

『ん?そうねー吸い込んだ先はブラックホールって名前のスキルだから重力に逆らえない限り何時までも落ち続ける気がする。破壊神だか怪獣だか分からないけど、吸い込まれた時点で敵には死を望みたいけど無重力でも空気が無くてもあの怪獣は生きてる気がするんだよなー、今度ゼノバゼロス様に聞いてみる。』

「そうですね、確認された方が後々安全だと思います。」

『だねぇー、そうする。そう言えば奏多はさっきから隅っこで何やらブツブツ呟いているけど、なんなんだろう?不気味なんだけど。』

「そうですね、奏多様は思慮深いお方ですから私では考え付かない難問でも考察中なのではと。はい、真琴様、お茶とクッキーをお持ちしました。本日の紅茶はアールグレイでミルクティーにしております。」

『ありがとう!桜も一緒に食べよ。奏多は、大変そうに見えるから放置で。』

「はい、そうですね、後ほど別にお茶でもお入れ致しますね。」


奏多が何を考察しているのか全然理解出来ないしたくない主従二人組は美味しそうにポリポリとクルミ入りクッキーを食べながら破壊神が破壊しつくしたであろう荒野にレジャーシートと簡易テーブルとイスのセットを出して優雅なひと時を過ごすのであった。

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