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第2章
第13話 鉱山の街の名物料理は豚?
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異世界お初観光旅行に浮足立つようなこともなく淡々と進む3人組。
もとい、二人とポケットで腹を出して寝ているハムスターに擬態した珍獣一匹。
歩くのが嫌だったら、観光なんて出来ないだろうがっ、もう帰りてー。
延々と歩きながら異世界に来てからというもの、独り言のように小言が多くなっていく奏多と獣人化して思い通りの意思疎通が出来て喜ぶ桜と対照的な感情に左右される二人ではあるが足並みは妙に揃っていた。
アム神情報では、人族が住むアンベリファは大きく四つの国に分けられていて、その果ては海に遮られ、その先に半獣、半亜人が住む隔絶された場所へと続いていた。
四大国で唯一海に面していないエルワード国が現在3人がいる国であり、初めの目的地がその首都であるフォルトザだった。
フォルトザはエルワード国で1番人口が多いらしいが、現世日本の感覚からしたら大したことが無いのではと、それぞれが思っていたとしても無理もないことだろう。
果たしてその通りの光景を今現在目の前で体感していたりする。
「へー ここが首都なんだ… 」
「避暑地に来た感じがしますね。」
『お腹空いた~名物料理食べたい~」
「「…… 通常営業だな。ですね。」」
現世の都会をイメージしていた訳ではないが、何処かのんびりした空気が漂っていて、そこらで家畜の嘶きや鶏に似た鳴き声が聞こえてくる。
ここが首都なら町や村はいったいどうなんだ、観光気分に浸れる以前じゃないかと、腹を空かせた真琴は別の意味で心配していた。
『うーん、本当に首都なの? 隣の町じゃない?
あっ、おじさーん! ここはフォルトザですか?』
いつの間にか桜のポケットから飛び出ていた真琴は、目の前をゆっくりした速度で通り過ぎようとしていた荷馬車を運転していたおじさんに呼びかけていた。
「んにゃ、ここはフォルトザじゃねえべ。隣街ハルフルの端だ。
フォルトザは馬車であと二日の距離だべ。」
『マジっ? えー、もう歩けない』
「「…………」」
奏多と桜、二人の考えていることが見事にシンクロしていた。それはそうだろう。
真琴はここまで一切の労力を必要としない、ポケットの中で擬態して寝ていたのだから。
「ハルフルの街中まででいいんなら乗せてくぞい。」
『ほんと! ありがと~』
「「お願いします。」」
3人は親切なおじさんの荷馬車に乗せてもらいながら、ハルフルの町の話を聞いていた。
ハルフルは小さい町ながらも近くに見える山々に多種多様な鉱物資源が豊富にあり、貴重な金や宝石が採掘される鉱山の町だということだ。
場所によってはオリハルコンやミスリルまで採掘される場所があると聞いて、異世界大好き奏多くんの好奇心が俄然刺激されていた。
「おじさん、一般人でも鉱山に入れますか?」
「おおよ。ファルトザ王宮が管理してる山はダメだが他は入れるぞい。
一攫千金を夢見てこの街にくる者が後を絶たないくらいだなぁ。
鉱石の買い取りは街にある商業ギルドに行けばしてくれるぞい。」
「分かりました。色々ありがとうございました。」
『おじさん、この街の美味しいものって何かある?』
「食いもんか? 鉱山の街だから質より量の食いもんばかりだぞい。
街中の屋台で有名なんが、鉱山近郊で捕れる鉱山豚の串焼きだなぁ。
ちょっと硬くて癖があるが腹持ちがいいぞい。」
「「「…………」」」
おじさんの話からどうにも食べ物には期待が出来ないと早々に諦めムードの3人であった。真琴に至っては一足飛びに首都へ向かうと言い張っていたが、奏多のキラキラした好奇心に負けて渋々付き合うことに決めていた。
『おじさ~ん、色々ありがとね。
これお礼だから食べて、甘くて美味しいよ~』
そして真琴は若者らしくない好物の和菓子饅頭をスキルで取り出し、アム神に続いて荷馬車のおじさんに渡し、やはりそれを食べたおじさんが咽び泣く程喜んだことでこの世界の食べ物って…… と、そこはかとなく不安になる真琴であった。
もとい、二人とポケットで腹を出して寝ているハムスターに擬態した珍獣一匹。
歩くのが嫌だったら、観光なんて出来ないだろうがっ、もう帰りてー。
延々と歩きながら異世界に来てからというもの、独り言のように小言が多くなっていく奏多と獣人化して思い通りの意思疎通が出来て喜ぶ桜と対照的な感情に左右される二人ではあるが足並みは妙に揃っていた。
アム神情報では、人族が住むアンベリファは大きく四つの国に分けられていて、その果ては海に遮られ、その先に半獣、半亜人が住む隔絶された場所へと続いていた。
四大国で唯一海に面していないエルワード国が現在3人がいる国であり、初めの目的地がその首都であるフォルトザだった。
フォルトザはエルワード国で1番人口が多いらしいが、現世日本の感覚からしたら大したことが無いのではと、それぞれが思っていたとしても無理もないことだろう。
果たしてその通りの光景を今現在目の前で体感していたりする。
「へー ここが首都なんだ… 」
「避暑地に来た感じがしますね。」
『お腹空いた~名物料理食べたい~」
「「…… 通常営業だな。ですね。」」
現世の都会をイメージしていた訳ではないが、何処かのんびりした空気が漂っていて、そこらで家畜の嘶きや鶏に似た鳴き声が聞こえてくる。
ここが首都なら町や村はいったいどうなんだ、観光気分に浸れる以前じゃないかと、腹を空かせた真琴は別の意味で心配していた。
『うーん、本当に首都なの? 隣の町じゃない?
あっ、おじさーん! ここはフォルトザですか?』
いつの間にか桜のポケットから飛び出ていた真琴は、目の前をゆっくりした速度で通り過ぎようとしていた荷馬車を運転していたおじさんに呼びかけていた。
「んにゃ、ここはフォルトザじゃねえべ。隣街ハルフルの端だ。
フォルトザは馬車であと二日の距離だべ。」
『マジっ? えー、もう歩けない』
「「…………」」
奏多と桜、二人の考えていることが見事にシンクロしていた。それはそうだろう。
真琴はここまで一切の労力を必要としない、ポケットの中で擬態して寝ていたのだから。
「ハルフルの街中まででいいんなら乗せてくぞい。」
『ほんと! ありがと~』
「「お願いします。」」
3人は親切なおじさんの荷馬車に乗せてもらいながら、ハルフルの町の話を聞いていた。
ハルフルは小さい町ながらも近くに見える山々に多種多様な鉱物資源が豊富にあり、貴重な金や宝石が採掘される鉱山の町だということだ。
場所によってはオリハルコンやミスリルまで採掘される場所があると聞いて、異世界大好き奏多くんの好奇心が俄然刺激されていた。
「おじさん、一般人でも鉱山に入れますか?」
「おおよ。ファルトザ王宮が管理してる山はダメだが他は入れるぞい。
一攫千金を夢見てこの街にくる者が後を絶たないくらいだなぁ。
鉱石の買い取りは街にある商業ギルドに行けばしてくれるぞい。」
「分かりました。色々ありがとうございました。」
『おじさん、この街の美味しいものって何かある?』
「食いもんか? 鉱山の街だから質より量の食いもんばかりだぞい。
街中の屋台で有名なんが、鉱山近郊で捕れる鉱山豚の串焼きだなぁ。
ちょっと硬くて癖があるが腹持ちがいいぞい。」
「「「…………」」」
おじさんの話からどうにも食べ物には期待が出来ないと早々に諦めムードの3人であった。真琴に至っては一足飛びに首都へ向かうと言い張っていたが、奏多のキラキラした好奇心に負けて渋々付き合うことに決めていた。
『おじさ~ん、色々ありがとね。
これお礼だから食べて、甘くて美味しいよ~』
そして真琴は若者らしくない好物の和菓子饅頭をスキルで取り出し、アム神に続いて荷馬車のおじさんに渡し、やはりそれを食べたおじさんが咽び泣く程喜んだことでこの世界の食べ物って…… と、そこはかとなく不安になる真琴であった。
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