異世界学園の中の変な仲間たち2

へすこ(ひしご)

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そのよんじゅう

花占い

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 寮に向かう最中だったラスは、おもむろに地面に生えていた花で花占いを始めていた。リシェはその様子を無表情で見つめている。
 頰を赤らめながらこちらをちらりと見た後、彼は呟くように開始していた。
「こっち見るな、気色悪い」
 可愛い顔で毒を吐き散らかすリシェですら愛しい。気持ち悪いと罵倒されようが、ラスは全くのノーダメージだった。
「もう、先輩はロマンのカケラも無いんだから。好きな相手が俺の事をどう思っているのかとか気になるじゃないですか」
 そんなもの必要無いとリシェは返す。
「先輩は自分からなかなか言おうとしないし…それなら気休めとはいえ、占いで試してみようかなーとか」
 そんなチャラい姿をして何を言うのか。
 リシェは黙ったままラスが似合わぬ花占いをするのを眺めていた。
「先輩は俺の事が好き、嫌い、好き、嫌い…」
「そんなものに頼らなくても俺はお前の事を心底気持ち悪いと思ってるぞ。満足したか?」
「気持ち悪いとかじゃなくて!!好きか嫌いか、ですよ!!」
 物凄く必死な剣幕で叫んだ。
 青年になりかけの十八歳に近い男が、ぶちぶちと花占いなどする様子は異様に見えてしまう。リシェは黙って冷めた目を向けた。
 おかしいと思っていないあたり、ラスはどこかしら変なのだ。
「好き…嫌い…好き…嫌い」
「女子みたいな奴だな」
「先輩が俺の気持ちになかなか向き合ってくれないからですよ。だからこうして気持ちの慰めっていうか?ほらぁ、あるじゃないですかそういうの…」
「女々しい奴は嫌いだ」
「恋すると弱気にもなりますよ!!恋するウサギなんですよ!!」
 言いながらぷちぷちと占いを続けていく。
「はあ…」
 こいつから逃れたいが、絶対彼は追いかけてくるタイプだ。
 ようやく残りが数枚。好き、嫌いを続けていけば、残る一枚で嫌いが確定になる。ラスはその事に気付き、手が止まった。
 そしてリシェの方を見る。
「…先輩っ!!!」
「え!?何だ?」
「…何で口元笑ってるんですか!!」
 知らないうちに顔に出していたのか。
 リシェは慌てて口を押さえ、「し、知らない」と返す。
 何故かにやついてしまった。ほれ見ろ、と。
 ラスは半泣きになりつつ、最後の茎で「好き!!」と強がりを言い出した。
「お前っ!!最後は無効だろう!!」
 顔を真っ赤にし、リシェは抗議した。こんな事がまかり通るとでもいうのかと。しかしラスは首を振りながら「無効じゃないです!」と開き直りを見せる。
 気休めでも好きだと思われたいのだ。
「先輩は俺の事が好き!!」
「ふざけるな!!それはズルをした結果だろう!!」
「それならっ…それなら、先輩もやってみて下さいよ!!これで納得しますから!!」
 ラスにせがまれ、リシェは舌打ちしながら枯れている花をむしり取った。
「もう枯れてますよそれ…」
 カサカサし、茶色く変化している花を手にするリシェは「うるさいな」と言った。
「まだ綺麗な花を毟るなんて外道がやる事だ」
 …遠回しに外道だと言われているような気がする。
 リシェはその枯れた花を鷲掴みにすると、それを頭から抜いた。
「嫌い」
 パラパラと粉状になって落下する花を、ラスはがああんとショックを受けた様子で眺める。
「いや、だめですよそれ!!いきなり嫌いから始まるし占いにもなってないですもん!!普通は好きから始めますよ!?だめです、無効です先輩っ!!先輩は俺の事が好きで決定です!!」
 前向き過ぎるラスは、半ば強引に話を決定付けてしまう。
 リシェは面倒臭そうに「じゃあいいよ何でも」とうんざりしたように唸っていた。
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