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そのよんじゅういち
熱に浮かされ恋い焦がれ、そして変態が来る
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リシェが珍しく風邪を引いてしまった。
熱が上がった為に起き上がる事も出来ず、うんうんと唸っている状態で気休めに市販の薬を飲んでいたが、なかなか風邪はしぶとく熱は下がらなかった。
学校もある日なのでラスはもどかしい気持ちでリシェの看病もしていたが、寮内の職員を呼んで医者を頼もうとすると彼らは学園の保健医を呼ぼうとしてくる。
それを聞くや、ラスは「あいつはダメだ!」と懇願した。
「ロシュ先生の何がいけないんだい?」
一応保健医と名の付く役職を持つのに、頑なに否定するラスに職員らは不審そうに目を向けていた。
ラスは今までのロシュのリシェに対する行いを思い出しながらあいつと先輩を近付けると事案が起こると説明する。
「しかしロシュ先生はちゃんと診て下さるし、他に頼む訳にもいかないだろう」
確かに学園内の生徒を診る役割を持つロシュを差し置いて外部に頼むというのは話がややこしくなってしまうだろう。だが、ラスはあのロシュにリシェを診て欲しく無かった。
診て欲しくはないが、リシェを放置する訳にもいかない。
ぐぬぬと苦虫を噛み潰したような顔のまま、仕方無いと根負けした。
「分かったよ。ただ、俺も同席する。どうしても先輩が危ない気がして仕方無いし」
どうしても不安が募った。
リシェが弱っているのに付け込んで、ロシュは変な事をしないかとか余計な事を吹き込んだりしないかとか。基本的に彼はいやらしい性質を持っているせいでラスは信用出来ずにいる。
元の世界では、二人は自分が入り込めない程固く結ばれていたから余計に。
熱に浮かされている状態のリシェの枕元で、ラスは「先輩」と優しく話しかけた。うっすらと目を開き、彼は「ん」と反応する。
「あの人が来るけど、俺がそばに居ますから安心して下さいね」
「あの人…?」
「あの変態保健医ですよ。先輩にここぞとばかりにいやらしい事をしないか監視してますから」
「変態…保健医…」
リシェはぼんやりとしながら呟いた。
ああ、ロシュ様か。
頭の中であの美貌の保健医を思い浮かべながらリシェは目を細める。そして何故彼に様をつけてしまうのだろうかと漠然と考えていた。
何故か付けずにはいられないのだ。
彼に何かをされている訳でもないのに。
「あいつが診察と言いながらどさくさに紛れて聴診器を先輩の乳首に当ててこねくり回したりとか!舌を見せなさいとか言いながらキスしたりとか!そんないやらしい事をしないように俺がしっかり監視してますからっ!」
姫を守る騎士の役目を果たさんと言わんばかりの張り切り方だが、あまりにも話す内容がいやらしすぎてリシェは弱々しい状態のままドン引きする。
何だこいつ、と言わんばかりに「お前が一番いやらしいよ」と呟いた。
むしろよくそんな事を考えられるものだ。
「お前の願望じゃないのか…」
「そんな事無いですっ!あいつは俺よりいやらしいんですから!」
寮の職員は保健医に連絡をしてくるからね、と言い残して一旦部屋から出て行った。残された二人はロシュが連絡を受けてこちらに来てくれるまで待つ格好となる。
ラスはリシェの布団を直し、彼の額に貼り付けていた熱を冷ますシートを新しいものに貼り替える。
「汗凄いんじゃないですか?」
「…ああ、熱いからな…」
「新しいのに着替えた方がいいんじゃないですかね?」
あの人に診て貰わなきゃいけないし…と言うと、リシェはむくりと起き上がった。
「あ!着替え、良かったら出しますよ」
「…いい。自分でやる」
悪いと思ったのか、それともクローゼットの中を見られたくないのか。リシェはふらつきながらも自分で進んで着替え始めた。
熱のせいか、外気に触れると身震いしている。ラスはそれを見ながら何もしてやれない自分が余計もどかしくなっていた。
「そうだ。そういえば人肌って暖かいんですよね…」
「?」
ラスは再びベッドに入るリシェを見ながら呟いた。
「はあ、今日が休みだったら丸一日中全裸で先輩を暖めてあげられるのに…」
またおかしげな事を言いだす。
リシェは自分の世界に入り出したラスに向けて、これまでに無いはっきりした口調で「さっさと学校に行け」と冷たく言い放っていた。
熱が上がった為に起き上がる事も出来ず、うんうんと唸っている状態で気休めに市販の薬を飲んでいたが、なかなか風邪はしぶとく熱は下がらなかった。
学校もある日なのでラスはもどかしい気持ちでリシェの看病もしていたが、寮内の職員を呼んで医者を頼もうとすると彼らは学園の保健医を呼ぼうとしてくる。
それを聞くや、ラスは「あいつはダメだ!」と懇願した。
「ロシュ先生の何がいけないんだい?」
一応保健医と名の付く役職を持つのに、頑なに否定するラスに職員らは不審そうに目を向けていた。
ラスは今までのロシュのリシェに対する行いを思い出しながらあいつと先輩を近付けると事案が起こると説明する。
「しかしロシュ先生はちゃんと診て下さるし、他に頼む訳にもいかないだろう」
確かに学園内の生徒を診る役割を持つロシュを差し置いて外部に頼むというのは話がややこしくなってしまうだろう。だが、ラスはあのロシュにリシェを診て欲しく無かった。
診て欲しくはないが、リシェを放置する訳にもいかない。
ぐぬぬと苦虫を噛み潰したような顔のまま、仕方無いと根負けした。
「分かったよ。ただ、俺も同席する。どうしても先輩が危ない気がして仕方無いし」
どうしても不安が募った。
リシェが弱っているのに付け込んで、ロシュは変な事をしないかとか余計な事を吹き込んだりしないかとか。基本的に彼はいやらしい性質を持っているせいでラスは信用出来ずにいる。
元の世界では、二人は自分が入り込めない程固く結ばれていたから余計に。
熱に浮かされている状態のリシェの枕元で、ラスは「先輩」と優しく話しかけた。うっすらと目を開き、彼は「ん」と反応する。
「あの人が来るけど、俺がそばに居ますから安心して下さいね」
「あの人…?」
「あの変態保健医ですよ。先輩にここぞとばかりにいやらしい事をしないか監視してますから」
「変態…保健医…」
リシェはぼんやりとしながら呟いた。
ああ、ロシュ様か。
頭の中であの美貌の保健医を思い浮かべながらリシェは目を細める。そして何故彼に様をつけてしまうのだろうかと漠然と考えていた。
何故か付けずにはいられないのだ。
彼に何かをされている訳でもないのに。
「あいつが診察と言いながらどさくさに紛れて聴診器を先輩の乳首に当ててこねくり回したりとか!舌を見せなさいとか言いながらキスしたりとか!そんないやらしい事をしないように俺がしっかり監視してますからっ!」
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何だこいつ、と言わんばかりに「お前が一番いやらしいよ」と呟いた。
むしろよくそんな事を考えられるものだ。
「お前の願望じゃないのか…」
「そんな事無いですっ!あいつは俺よりいやらしいんですから!」
寮の職員は保健医に連絡をしてくるからね、と言い残して一旦部屋から出て行った。残された二人はロシュが連絡を受けてこちらに来てくれるまで待つ格好となる。
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