81 / 101
そのはちじゅう
スティレン、吹っかける
しおりを挟む
「だから、これで何回目なのさリシェ!!」
常に怒りっぽいスティレンは、自分の従兄弟に対して感情を剥き出しにしていた。リシェは口をぽかんと開きながら「ああ」と返すと、これもまた悪びれずに続ける。
「わざとじゃないんだ」
「わざとじゃないって!?一度ならまだいいけど二回目だよ、二回目!!何なの、目ぇ付いてるの!?」
彼が怒りを露わにするのは無理も無かった。
お気に入りの鏡をまた割られたのだ。これで二度目だった。
「また買ってやるから」
「買えばいいってもんじゃないんだよ、このデブ!!」
一度目もリシェは足でスティレンの手鏡を踏んで粉砕していた。そして今回もうっかり踏んで粉砕したのだ。
これは怒られても無理は無い。
「ちゃんと弁償するから」
「俺が集める物は高いんだよ!折角気に入ったのを見つけて手に入れたのにさ!何なの本当に!!お前わざとやってるだろ!?」
たかだか手鏡でやかましく言わないで欲しい。
リシェは自分が悪いのに、相手の怒りをかわしながら思った。
「ちゃんと買うから」
「腹立つなぁ!お前、絶対反省してないだろ!」
「代金払うから」
スティレンは「もう!」と言いながら自分の携帯電話で自分の気に入っていた手鏡を検索していく。
「言っておくけど、俺のはハイブランド物だからね!お前なんかに買えるかっての!!」
「鏡如きでそんなに金をかけるのか。同じだろうに」
百均でも良いくらいだ。どうせ同じ顔を見るのに、余計に金をかけてどうするのだろう。
スティレンが検索し終え、リシェに「ほら!」と突き出した。
リシェはひょっこりと画面を覗き込む。そして表情を暗くすると、違う!!と怒鳴る。
「お前、俺が割った鏡と全然違う物を出してるじゃないか!金額も馬鹿に高いし!!」
「弁償するならこれくらい出してよ!!」
「桁が違うだろうが!!吹っかけてくるな!!」
お互い怒鳴り合う美少年二人組。
「大体お前が俺の足元の着地点目掛けて鏡を落としてくるのが悪いのだ!何なんだお前は、当たり屋なのか!?俺に粉砕して欲しくて落としてるんじゃないのか!?」
リシェが言うように、何故か彼の鏡はリシェの足元にまるで滑り込むようにして落ちてきたのだ。躱しようがないタイミングで滑り込んでくるものだから、気付いた時は完全にバッキリと割れてしまうという結果になる。
スティレンの言い分と、リシェの言い分は完全に違いを見せていた。それを聞くなり、スティレンは顔を真っ赤にして「何だって!?」と言った。
「割ったのは事実だろうが!」
「そんなに割れて困るなら首にでもかけておけ!!」
リシェは画面を見ながら金額の桁を数えていく。
「お前の手鏡、こんな金額じゃないだろう!」
「は?」
「学生で買える金額じゃないぞ!何なんだ、二十万とか!そんな金どこから持ってくるんだよ、陰で美人局とかやってるんじゃないだろうな!?」
可愛らしい顔からとんでもない発言が飛び出してきた。
「そんな訳ないだろ!?」
「そもそも割れた鏡は一体いくらしたと思ってるんだ!俺が弁償した物だろう!」
前回割れた際にもリシェはちゃんと弁償したのだ。
「そういえばそうだったけど!?」
忘れてるんじゃないか、と呆れる。
「お前、俺と一緒に自分で買いに行って忘れてるじゃないか」
「………」
怒りに任せて言い出したが、スティレンは前回リシェと一緒に買いに行き、気に入った物を見つけて買って貰ったというのを、頭からすっかり抜けていたようだった。
「そうだったっけ?」
「何で忘れるんだよ!割れた鏡なんて、普通に売ってたじゃないか、百均で!!」
鋭すぎるツッコミを受けたスティレンは、しばらく思考を停止させ考え込んでしまう。
「…そうだっけ?」
「都合が悪くなったら忘れる癖をやめろ!!というか、安い鏡を弁償させようとして高い鏡を買えと吹っかけてくるとか、どれだけ性格が悪いんだ!」
ぷりぷりと怒りながら訴えるリシェに向き合いながら、スティレンは照れたように「ごっめ★」と変な謝り方をしてきた。
てへっ、と舌を出しながら。
変に似合うのがまたリシェには苛立つ要因になる。
「その腹の立つ謝り方やめろ!!」
結局安い鏡でも満足するじゃないか。
あまりにもズル過ぎる相手に対し、呆れて物が言えなくなっていた。
常に怒りっぽいスティレンは、自分の従兄弟に対して感情を剥き出しにしていた。リシェは口をぽかんと開きながら「ああ」と返すと、これもまた悪びれずに続ける。
「わざとじゃないんだ」
「わざとじゃないって!?一度ならまだいいけど二回目だよ、二回目!!何なの、目ぇ付いてるの!?」
彼が怒りを露わにするのは無理も無かった。
お気に入りの鏡をまた割られたのだ。これで二度目だった。
「また買ってやるから」
「買えばいいってもんじゃないんだよ、このデブ!!」
一度目もリシェは足でスティレンの手鏡を踏んで粉砕していた。そして今回もうっかり踏んで粉砕したのだ。
これは怒られても無理は無い。
「ちゃんと弁償するから」
「俺が集める物は高いんだよ!折角気に入ったのを見つけて手に入れたのにさ!何なの本当に!!お前わざとやってるだろ!?」
たかだか手鏡でやかましく言わないで欲しい。
リシェは自分が悪いのに、相手の怒りをかわしながら思った。
「ちゃんと買うから」
「腹立つなぁ!お前、絶対反省してないだろ!」
「代金払うから」
スティレンは「もう!」と言いながら自分の携帯電話で自分の気に入っていた手鏡を検索していく。
「言っておくけど、俺のはハイブランド物だからね!お前なんかに買えるかっての!!」
「鏡如きでそんなに金をかけるのか。同じだろうに」
百均でも良いくらいだ。どうせ同じ顔を見るのに、余計に金をかけてどうするのだろう。
スティレンが検索し終え、リシェに「ほら!」と突き出した。
リシェはひょっこりと画面を覗き込む。そして表情を暗くすると、違う!!と怒鳴る。
「お前、俺が割った鏡と全然違う物を出してるじゃないか!金額も馬鹿に高いし!!」
「弁償するならこれくらい出してよ!!」
「桁が違うだろうが!!吹っかけてくるな!!」
お互い怒鳴り合う美少年二人組。
「大体お前が俺の足元の着地点目掛けて鏡を落としてくるのが悪いのだ!何なんだお前は、当たり屋なのか!?俺に粉砕して欲しくて落としてるんじゃないのか!?」
リシェが言うように、何故か彼の鏡はリシェの足元にまるで滑り込むようにして落ちてきたのだ。躱しようがないタイミングで滑り込んでくるものだから、気付いた時は完全にバッキリと割れてしまうという結果になる。
スティレンの言い分と、リシェの言い分は完全に違いを見せていた。それを聞くなり、スティレンは顔を真っ赤にして「何だって!?」と言った。
「割ったのは事実だろうが!」
「そんなに割れて困るなら首にでもかけておけ!!」
リシェは画面を見ながら金額の桁を数えていく。
「お前の手鏡、こんな金額じゃないだろう!」
「は?」
「学生で買える金額じゃないぞ!何なんだ、二十万とか!そんな金どこから持ってくるんだよ、陰で美人局とかやってるんじゃないだろうな!?」
可愛らしい顔からとんでもない発言が飛び出してきた。
「そんな訳ないだろ!?」
「そもそも割れた鏡は一体いくらしたと思ってるんだ!俺が弁償した物だろう!」
前回割れた際にもリシェはちゃんと弁償したのだ。
「そういえばそうだったけど!?」
忘れてるんじゃないか、と呆れる。
「お前、俺と一緒に自分で買いに行って忘れてるじゃないか」
「………」
怒りに任せて言い出したが、スティレンは前回リシェと一緒に買いに行き、気に入った物を見つけて買って貰ったというのを、頭からすっかり抜けていたようだった。
「そうだったっけ?」
「何で忘れるんだよ!割れた鏡なんて、普通に売ってたじゃないか、百均で!!」
鋭すぎるツッコミを受けたスティレンは、しばらく思考を停止させ考え込んでしまう。
「…そうだっけ?」
「都合が悪くなったら忘れる癖をやめろ!!というか、安い鏡を弁償させようとして高い鏡を買えと吹っかけてくるとか、どれだけ性格が悪いんだ!」
ぷりぷりと怒りながら訴えるリシェに向き合いながら、スティレンは照れたように「ごっめ★」と変な謝り方をしてきた。
てへっ、と舌を出しながら。
変に似合うのがまたリシェには苛立つ要因になる。
「その腹の立つ謝り方やめろ!!」
結局安い鏡でも満足するじゃないか。
あまりにもズル過ぎる相手に対し、呆れて物が言えなくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる