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そのよんじゅうよん
映えの為の連写【いいから早く食え】
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どうにかリシェを宥め、近場のカフェショップでフルーツパフェを与えると、彼はやはり数分間それをまじまじと凝視していた。
ラスは何故すぐに手を付けないのか疑問に思う。
写真を撮るわけでもなく、ただ彼は見ているだけ。早く食べないとパフェに入っているアイスが溶けてしまうではないか、と。
先輩、とラスはじっとパフェを眺め続けているリシェに声をかけてみた。それでもじいっと見ている彼は、しばらく間を開けてからはっと声をかけられている事に気付く。
「ん?何だ?」
「もう。さっきからずっとそれ凝視してますけど、何ですぐに食べないんですか?アイス溶けちゃいますよ」
凝視してしまう癖を指摘され、リシェはぼうっとしてパフェからラスに視線を移す。そしてしばらく無言でぼんやりしていた。
「何でだろうな?」
「何か理由があったんですか?」
ううん…と考えるものの本人には理由が浮かばないらしい。
「何でかつい凝視してしまうのだ」
ここではそんなに珍しいものではないのに。
もしかしたら向こうの世界では珍しかったのかもしれない。彼にはそれがひどく特別なものだったのだろう。
ラスはふふっと笑うと、リシェに対し「それなら写真でも撮ったらどうです?」と提案してみる。
「それならいつでも好きな時に見れるでしょう?」
提案され、リシェは「あっ」と声に出す。
「そうだな。それがいいな。何で思いつかなかったんだろう。それならわざわざ目に焼きつけておかなくてもいいしな。そうだ、それにしよう」
いそいそと携帯電話をポケットから引っ張り出して綺麗に盛り付けられたパフェをカメラで撮り始める。それを見ながらラスはつい笑みを浮かべていた。
「先輩は可愛いなぁ」
「褒めても何も出ないぞ」
パシャパシャとパフェを撮りながらリシェは言う。
こうして改めて見ると、リシェも普通に生活していたらこんな感じになるのだろうと他人事ながらちょっと嬉しくなってしまう。
向こうでは剣や任務やらに明け暮れていて、同じ位の年頃の子と関わる事もなかったはずだ。むしろ彼はこのような軟派な事は決してやろうともしないだろう。
しばらく微笑ましく眺めていたラスだったが、一向に彼は写真を撮るのを止めようとしない。さすがに何枚もいらないだろうと思い。「先輩」と声をかけた。
「ん?」
「撮りすぎじゃないですか?」
「いや、ほら、どうせならとっておきのを撮りたくて」
「どの角度から撮っても同じです!」
さすがに何度も同じのをパシャパシャ連打するのは無いですよ!と止めようとした。
「パフェが溶けるでしょう!」
「ええ…もっと撮っちゃダメか?」
「ダメですよ!何事も節度を守って下さい!一番美味しい時に食べておかないと勿体ないです!」
お前は写真を撮るために来たのかと言いたくなるのを堪え、専用のスプーンでパフェを掬い上げてリシェの口元に運ぶ。
ぱくりと口に含み、その甘い味にほんわりと蕩けそうな表情を見せた瞬間。
ラスは自分の携帯電話でそのリシェの表情をすかざず撮った。上手く撮れたのを確認すると、「ほわぁああああ」と弱々しい声を出す。
「先輩ぃいいい」
「な、何を撮った!?今俺を撮っただろう!」
「なかなか食べてくれないんだもの!ずっと待ってたのにさぁ…ああ、これ待ち受けにしよう!!」
本人にはその写真を見せず、ラスはささっと携帯をしまう。リシェは「消せ!」と顔を真っ赤にして叫んだ。
そんな彼を無視するようにして、ラスは「ほら」と促す。
「パフェが溶けちゃうから食べて。勿体ないし」
甘いパフェを引き合いに出されると、怒るに怒れない。
悔しそうな顔で後で覚えておけよと呟くが、ラスは嬉しそうに「先輩の仕返しはそんなに怖くないなあ」と余裕をかました。
「こっちが油断するとつけこんでくるものな。くそ」
中腰になっていた体勢から椅子にすとんと腰を下ろすと、リシェは若干照れ臭そうにしながらパフェを口に含んでいた。
ラスは何故すぐに手を付けないのか疑問に思う。
写真を撮るわけでもなく、ただ彼は見ているだけ。早く食べないとパフェに入っているアイスが溶けてしまうではないか、と。
先輩、とラスはじっとパフェを眺め続けているリシェに声をかけてみた。それでもじいっと見ている彼は、しばらく間を開けてからはっと声をかけられている事に気付く。
「ん?何だ?」
「もう。さっきからずっとそれ凝視してますけど、何ですぐに食べないんですか?アイス溶けちゃいますよ」
凝視してしまう癖を指摘され、リシェはぼうっとしてパフェからラスに視線を移す。そしてしばらく無言でぼんやりしていた。
「何でだろうな?」
「何か理由があったんですか?」
ううん…と考えるものの本人には理由が浮かばないらしい。
「何でかつい凝視してしまうのだ」
ここではそんなに珍しいものではないのに。
もしかしたら向こうの世界では珍しかったのかもしれない。彼にはそれがひどく特別なものだったのだろう。
ラスはふふっと笑うと、リシェに対し「それなら写真でも撮ったらどうです?」と提案してみる。
「それならいつでも好きな時に見れるでしょう?」
提案され、リシェは「あっ」と声に出す。
「そうだな。それがいいな。何で思いつかなかったんだろう。それならわざわざ目に焼きつけておかなくてもいいしな。そうだ、それにしよう」
いそいそと携帯電話をポケットから引っ張り出して綺麗に盛り付けられたパフェをカメラで撮り始める。それを見ながらラスはつい笑みを浮かべていた。
「先輩は可愛いなぁ」
「褒めても何も出ないぞ」
パシャパシャとパフェを撮りながらリシェは言う。
こうして改めて見ると、リシェも普通に生活していたらこんな感じになるのだろうと他人事ながらちょっと嬉しくなってしまう。
向こうでは剣や任務やらに明け暮れていて、同じ位の年頃の子と関わる事もなかったはずだ。むしろ彼はこのような軟派な事は決してやろうともしないだろう。
しばらく微笑ましく眺めていたラスだったが、一向に彼は写真を撮るのを止めようとしない。さすがに何枚もいらないだろうと思い。「先輩」と声をかけた。
「ん?」
「撮りすぎじゃないですか?」
「いや、ほら、どうせならとっておきのを撮りたくて」
「どの角度から撮っても同じです!」
さすがに何度も同じのをパシャパシャ連打するのは無いですよ!と止めようとした。
「パフェが溶けるでしょう!」
「ええ…もっと撮っちゃダメか?」
「ダメですよ!何事も節度を守って下さい!一番美味しい時に食べておかないと勿体ないです!」
お前は写真を撮るために来たのかと言いたくなるのを堪え、専用のスプーンでパフェを掬い上げてリシェの口元に運ぶ。
ぱくりと口に含み、その甘い味にほんわりと蕩けそうな表情を見せた瞬間。
ラスは自分の携帯電話でそのリシェの表情をすかざず撮った。上手く撮れたのを確認すると、「ほわぁああああ」と弱々しい声を出す。
「先輩ぃいいい」
「な、何を撮った!?今俺を撮っただろう!」
「なかなか食べてくれないんだもの!ずっと待ってたのにさぁ…ああ、これ待ち受けにしよう!!」
本人にはその写真を見せず、ラスはささっと携帯をしまう。リシェは「消せ!」と顔を真っ赤にして叫んだ。
そんな彼を無視するようにして、ラスは「ほら」と促す。
「パフェが溶けちゃうから食べて。勿体ないし」
甘いパフェを引き合いに出されると、怒るに怒れない。
悔しそうな顔で後で覚えておけよと呟くが、ラスは嬉しそうに「先輩の仕返しはそんなに怖くないなあ」と余裕をかました。
「こっちが油断するとつけこんでくるものな。くそ」
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