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そのよんじゅうなな
毒吐き
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どうしたら、最愛のリシェを手に入れる事が出来るのか。自宅の私室の中で、ロシュは延々とその事ばかり考えていた。
あれからというもの、警戒しているのか彼はこちらを見ると引き気味に様子を見たあとダッシュで逃げてしまうという元の世界では考えられない状況になっていた。
第一印象があまり良くなかったのかもしれない。
やはり保健室のあれがいけなかったのだろうか。さすがにいきなり指先をべろべろ舐めさせるのは人としてやってはいけなかったのかもしれない。
向こうの世界だと意外と乗り気だったと思うのだが。
「やっぱりこっち側では完全にリセットした赤の他人だもんなぁ…」
悶々としつつも、ロシュは頭を抱えてこの先のプランを考えていると、室内に呼び出し音が響いた。
「はぁい」
今出ますよと返事をして、インターフォンのカメラを確認しないまま玄関先に出る。なんの気なしにがちゃりと扉を開くと、涼しげな表情で「やあ」と来訪者が顔を見せた。
「………」
ロシュはそのまま無言で扉を閉めようとする。
しかし相手はすかさず爪先を扉の間に挟めると、何で閉めるんだいと困惑したような口調で言った。
「君はカメラで来客者の確認をしないのかい」
「…宅配かと思ったんですよ」
にこやかに相手は中に入り込んできた。
同僚の教師であるレナンシェは手土産を手にロシュの承諾もなく勝手に中へと進む。
「あなたも頼みもしないのに勝手に人の家の中にずかずか入ってくる癖はやめた方がいいですよ」
「何を今更。君と私との仲じゃないか」
「そんなに仲良くはないと思いますがねえ」
素っ気ない態度を取られるのにも、昔からの知り合いであるレナンシェは慣れているようでびくともしなかった。それ以前に、普通にキッチンに赴き勝手に持ってきた物を広げる始末。
はあ、とロシュは溜息を漏らす。
「君の為に美味しいワインを持ってきたんだ。一緒に飲もう。飲んだ勢いで私といちゃいちゃしよう」
「嫌です」
会話に組み込まれる意味深な言葉を、手慣れた様子でロシュは普通に拒否した。
腐れ縁の関係なので誘っては拒否されるというパターンがずっと続いている。
お互いどこまでが本気なのか分からないが、ロシュは即座に拒否をしている事からとにかく嫌なのだろう。
「何をしていたんだい」
「何って…計画を練っていたんですよ」
「計画?」
レナンシェは不思議そうな面持ちでロシュに問う。
「気になる子が居ましてね」
「へえ」
「その子をどうにか振り向かせたいと思っていたんですが、どうにも嫌われてしまったようで」
「君がそう言うならきっとその子は君が嫌いなんだろう」
話し始めているのにいきなり話の柱をばっきり折ってくるレナンシェに、ロシュは心底嫌そうな顔を見せた。
「オーギュスティンみたいな事を言いますね」
「私はその情熱をこちらに向けて欲しいから言ってるんだよロシュ。きっとその子は君が嫌いに違いない」
「………」
本人でもないのに何故そんな事を言い出すのか。
「たまには諦めも肝心だと思うよ。君のことだ、どうせ顔を合わせた瞬間いやらしい気持ち全開で指とかべろべろ舐めるレベルの最低最悪の変態的行為でもしでかしたんだろう。それはもう変質者を見るような目で見てしまうよ。だって君は変態だからね。長い付き合いの私には痛いほどよく分かるんだよ」
容赦無い相手の口撃を受け、地味にロシュは傷付いてしまう。何で指をべろべろ舐めさせた事を知っているのだろうか。
もしかして見ていたのだろうか。
「…レナンシェ」
「ん?何だい」
「そこまで把握していたんですか?」
苦しげに胸を押さえてロシュは問う。
一方のレナンシェは「いや」とだけ返した。
「いかにもやりそうな行動を適当に言っただけだ。もしかして君はその最悪な行為をしたのかい」
いかにもって。
その返答に、ロシュは更に凹んでしまった。
「まさかそれをやったのかい?君は本当にどうしようもない変態だね」
えらく軽い口調で言われるのが余計にきつかった。
追い討ちを更にかけられ、ロシュは撃沈してしまった。
あれからというもの、警戒しているのか彼はこちらを見ると引き気味に様子を見たあとダッシュで逃げてしまうという元の世界では考えられない状況になっていた。
第一印象があまり良くなかったのかもしれない。
やはり保健室のあれがいけなかったのだろうか。さすがにいきなり指先をべろべろ舐めさせるのは人としてやってはいけなかったのかもしれない。
向こうの世界だと意外と乗り気だったと思うのだが。
「やっぱりこっち側では完全にリセットした赤の他人だもんなぁ…」
悶々としつつも、ロシュは頭を抱えてこの先のプランを考えていると、室内に呼び出し音が響いた。
「はぁい」
今出ますよと返事をして、インターフォンのカメラを確認しないまま玄関先に出る。なんの気なしにがちゃりと扉を開くと、涼しげな表情で「やあ」と来訪者が顔を見せた。
「………」
ロシュはそのまま無言で扉を閉めようとする。
しかし相手はすかさず爪先を扉の間に挟めると、何で閉めるんだいと困惑したような口調で言った。
「君はカメラで来客者の確認をしないのかい」
「…宅配かと思ったんですよ」
にこやかに相手は中に入り込んできた。
同僚の教師であるレナンシェは手土産を手にロシュの承諾もなく勝手に中へと進む。
「あなたも頼みもしないのに勝手に人の家の中にずかずか入ってくる癖はやめた方がいいですよ」
「何を今更。君と私との仲じゃないか」
「そんなに仲良くはないと思いますがねえ」
素っ気ない態度を取られるのにも、昔からの知り合いであるレナンシェは慣れているようでびくともしなかった。それ以前に、普通にキッチンに赴き勝手に持ってきた物を広げる始末。
はあ、とロシュは溜息を漏らす。
「君の為に美味しいワインを持ってきたんだ。一緒に飲もう。飲んだ勢いで私といちゃいちゃしよう」
「嫌です」
会話に組み込まれる意味深な言葉を、手慣れた様子でロシュは普通に拒否した。
腐れ縁の関係なので誘っては拒否されるというパターンがずっと続いている。
お互いどこまでが本気なのか分からないが、ロシュは即座に拒否をしている事からとにかく嫌なのだろう。
「何をしていたんだい」
「何って…計画を練っていたんですよ」
「計画?」
レナンシェは不思議そうな面持ちでロシュに問う。
「気になる子が居ましてね」
「へえ」
「その子をどうにか振り向かせたいと思っていたんですが、どうにも嫌われてしまったようで」
「君がそう言うならきっとその子は君が嫌いなんだろう」
話し始めているのにいきなり話の柱をばっきり折ってくるレナンシェに、ロシュは心底嫌そうな顔を見せた。
「オーギュスティンみたいな事を言いますね」
「私はその情熱をこちらに向けて欲しいから言ってるんだよロシュ。きっとその子は君が嫌いに違いない」
「………」
本人でもないのに何故そんな事を言い出すのか。
「たまには諦めも肝心だと思うよ。君のことだ、どうせ顔を合わせた瞬間いやらしい気持ち全開で指とかべろべろ舐めるレベルの最低最悪の変態的行為でもしでかしたんだろう。それはもう変質者を見るような目で見てしまうよ。だって君は変態だからね。長い付き合いの私には痛いほどよく分かるんだよ」
容赦無い相手の口撃を受け、地味にロシュは傷付いてしまう。何で指をべろべろ舐めさせた事を知っているのだろうか。
もしかして見ていたのだろうか。
「…レナンシェ」
「ん?何だい」
「そこまで把握していたんですか?」
苦しげに胸を押さえてロシュは問う。
一方のレナンシェは「いや」とだけ返した。
「いかにもやりそうな行動を適当に言っただけだ。もしかして君はその最悪な行為をしたのかい」
いかにもって。
その返答に、ロシュは更に凹んでしまった。
「まさかそれをやったのかい?君は本当にどうしようもない変態だね」
えらく軽い口調で言われるのが余計にきつかった。
追い討ちを更にかけられ、ロシュは撃沈してしまった。
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