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そのはちじゅうよん
いやらしい教材
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あっ、また偏頭痛が。
授業の一つが終わり、教室から職員室へ戻ろうとする最中オーギュスティンは突然湧いた頭痛に痛みを堪える。
最近無かったのになあと悩みながら、久しぶりに薬でも飲もうかと思い付き教員用の手洗い場へと入った。用意するに越した事は無いので、彼はいつもスーツの胸ポケット内に薄いピルケースを忍ばせているのだ。
鏡に向かいながら軽く薬を口に含み飲み込んでいると、どこから湧いてきたのか「オーギュスティン先生」とカティルが姿を見せる。
反射的にううわ、と嫌そうな声を上げてしまった。
「何ですかいきなり!」
「薬ですか。もしや月のものを調整しに」
「違いますよ!何言ってるんですか、普通に頭痛薬です!偏頭痛が来たので予防してるんですよ!」
面倒臭いのに絡まれる事には慣れているが、カティルは面倒臭い中でもトップクラスにタチが悪い。オーギュスティンは溜息を吐き、「使うんでしたらどうぞ」とさっさと立ち去ろうとした。
カティルはにこにこしながらまあまあと彼の肩をしっかりと掴んで捕捉してきた。
「…何ですか、私は暇じゃないんですよ」
「何でか、君を引き留めたくなるんですよねぇ。きっと前世とかで繋がっていたのではと思いたくなる位に」
「前世?私はきっとあなたを前世で踏み潰していると思いますよ」
「はっはっは、まるで君は象になっていたかのように言うねぇ。君のそのつっけんどんな性格も堪らなく好きだよ私は」
会話するだけでも面倒臭い。
オーギュスティンは舌打ちする。
「ご自分がもしかしたら虫だったのではないかという発想は無いんですか?」
「君に踏まれるなら虫でもいいけど、それなら死んでしまうねぇ。せめて人にして貰わないと。私は君に足蹴にされたら、うっかり絶頂してしまうかもしれない」
よくもまあ学校でこのような話が出来るものだ。
オーギュスティンはカティルの手を払うと、呆れながら「間違っても」と薄い唇を開く。
「生徒にそんな話をしないようにしなさいよ」
「ふふ、私はこれでも話す相手は選んでいるよ。というか、むしろ君にしか話してないかな」
優男風のカティルは爽やかに微笑んだ。
こんな形のくせに話す会話はとにかくえげつないのが欠点だ。平和的に微笑みながら、喋る内容は完全にエロ目線の変質者そのもの。
「むしろ授業中にちゃんとしているのかが疑問です」
「おや、仕事ですから真面目にやっていますよ。見ますか、教科書の中身」
カティルはさあ、と自らの脇に抱えた教材をオーギュスティンに手渡した。そのまま彼は教材を開き確認する。
「…BはAの秘密の花弁を優しく解すと、いやにねっとりした口調でどうだ気持ちいいだろうと耳たぶを舐めながら問う。解されながら快楽の渦に落とされそうなAは、蕩けそうな肢体をくねらせ…何ですかこれ!官能小説じゃないですか、馬鹿じゃないですか本当に!!」
マジ切れ寸前のオーギュスティンに、カティルは悪びれずに「あっ、間違った」と言ってのける。
「それは私の今の愛読書ですよ。でも君が読むと達しそうになるから、そのまま読んでくれないかな?」
その愛読書を何故教材に混ぜるのだろう。
むしろわざとなのかと勘繰りたくなった。
オーギュスティンはその書物を彼の胸元に叩きつけると、顔を真っ赤にしながら「死んでも御免だ!!」と言い放っていた。
授業の一つが終わり、教室から職員室へ戻ろうとする最中オーギュスティンは突然湧いた頭痛に痛みを堪える。
最近無かったのになあと悩みながら、久しぶりに薬でも飲もうかと思い付き教員用の手洗い場へと入った。用意するに越した事は無いので、彼はいつもスーツの胸ポケット内に薄いピルケースを忍ばせているのだ。
鏡に向かいながら軽く薬を口に含み飲み込んでいると、どこから湧いてきたのか「オーギュスティン先生」とカティルが姿を見せる。
反射的にううわ、と嫌そうな声を上げてしまった。
「何ですかいきなり!」
「薬ですか。もしや月のものを調整しに」
「違いますよ!何言ってるんですか、普通に頭痛薬です!偏頭痛が来たので予防してるんですよ!」
面倒臭いのに絡まれる事には慣れているが、カティルは面倒臭い中でもトップクラスにタチが悪い。オーギュスティンは溜息を吐き、「使うんでしたらどうぞ」とさっさと立ち去ろうとした。
カティルはにこにこしながらまあまあと彼の肩をしっかりと掴んで捕捉してきた。
「…何ですか、私は暇じゃないんですよ」
「何でか、君を引き留めたくなるんですよねぇ。きっと前世とかで繋がっていたのではと思いたくなる位に」
「前世?私はきっとあなたを前世で踏み潰していると思いますよ」
「はっはっは、まるで君は象になっていたかのように言うねぇ。君のそのつっけんどんな性格も堪らなく好きだよ私は」
会話するだけでも面倒臭い。
オーギュスティンは舌打ちする。
「ご自分がもしかしたら虫だったのではないかという発想は無いんですか?」
「君に踏まれるなら虫でもいいけど、それなら死んでしまうねぇ。せめて人にして貰わないと。私は君に足蹴にされたら、うっかり絶頂してしまうかもしれない」
よくもまあ学校でこのような話が出来るものだ。
オーギュスティンはカティルの手を払うと、呆れながら「間違っても」と薄い唇を開く。
「生徒にそんな話をしないようにしなさいよ」
「ふふ、私はこれでも話す相手は選んでいるよ。というか、むしろ君にしか話してないかな」
優男風のカティルは爽やかに微笑んだ。
こんな形のくせに話す会話はとにかくえげつないのが欠点だ。平和的に微笑みながら、喋る内容は完全にエロ目線の変質者そのもの。
「むしろ授業中にちゃんとしているのかが疑問です」
「おや、仕事ですから真面目にやっていますよ。見ますか、教科書の中身」
カティルはさあ、と自らの脇に抱えた教材をオーギュスティンに手渡した。そのまま彼は教材を開き確認する。
「…BはAの秘密の花弁を優しく解すと、いやにねっとりした口調でどうだ気持ちいいだろうと耳たぶを舐めながら問う。解されながら快楽の渦に落とされそうなAは、蕩けそうな肢体をくねらせ…何ですかこれ!官能小説じゃないですか、馬鹿じゃないですか本当に!!」
マジ切れ寸前のオーギュスティンに、カティルは悪びれずに「あっ、間違った」と言ってのける。
「それは私の今の愛読書ですよ。でも君が読むと達しそうになるから、そのまま読んでくれないかな?」
その愛読書を何故教材に混ぜるのだろう。
むしろわざとなのかと勘繰りたくなった。
オーギュスティンはその書物を彼の胸元に叩きつけると、顔を真っ赤にしながら「死んでも御免だ!!」と言い放っていた。
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