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第一章(約11万字)
第69話:地獄耳
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え? 妹……?
ラッシュとアリアを交互に見てみる。
むむ……確かに、言われてみれば似ているような気がする。
「僕とアリアは同じ人間と魔族のペアから生まれたらしい。といっても、親というのはいなくて実験室の中で受精卵を使って人工的に造られたみたいだけどね」
つまり、兄妹として育てられたわけではないが、遺伝情報的には繋がりがあるということか。
ラッシュの話を聞いていたアリアは、かなり驚いているようだった。
この様子を見るに、アリアの方は知らなかったようだな。
「それも、今初めて聞いた……」
「話しても困らせるだけだと思ったんだ。今まで黙ってて悪かったな」
ラッシュはアリアの元まで歩いて行き、ギュッと抱きしめた。
「アリア、さようなら」
アリアにだけ聞こえるよう小声で囁くラッシュ。
なお、ステータスが上がった影響で聴力が上がったので俺にもバッチリ聞こえている。
「いやいやいやいや。なんか良い感じの雰囲気作ってんじゃねーよ……」
「そうですよ! 勝手にお別れしないでください!」
俺とシーナが間に入り、ラッシュとアリアを引き剥がす。
諸々の事情を聞いた俺は、やはり改めてラッシュも連れていくべきだと感じた。
シーナも俺と同じように感じていたようだ。
「諦める前に、まずは呪いの解除ができないか調べるべきだと思います。おそらく禁忌魔法の類だと思うので、アーネスなら誰かいるかも……」
「シーナの言う通りだ。今の時点では魔族にすぐ殺されるってことはないんだろ? なら、できることはやっておいた方がいい」
と、俺たちは説得を試みたのだが——
「いや、いいんだ」
ラッシュは端的に答えると、アリアの元から離れていく。
「お、おい! どこに行くんだ⁉︎」
約三メートルほど離れたところで立ち止まったラッシュは、こちらを振り向いた。
「僕が魔族を裏切ったとなれば、レジンさんに迷惑をかけることになる」
レジン……?
そういえば、特別試験の受注でアリアが持っていたその人の推薦書を使ったような覚えがある。
確か、Aランク冒険者だっけ。
「もう、ずっと前から決めてたことなんだ」
そう言うと、ラッシュは《収納魔法》で一羽の白い鳩を取り出したのだった。
ラッシュとアリアを交互に見てみる。
むむ……確かに、言われてみれば似ているような気がする。
「僕とアリアは同じ人間と魔族のペアから生まれたらしい。といっても、親というのはいなくて実験室の中で受精卵を使って人工的に造られたみたいだけどね」
つまり、兄妹として育てられたわけではないが、遺伝情報的には繋がりがあるということか。
ラッシュの話を聞いていたアリアは、かなり驚いているようだった。
この様子を見るに、アリアの方は知らなかったようだな。
「それも、今初めて聞いた……」
「話しても困らせるだけだと思ったんだ。今まで黙ってて悪かったな」
ラッシュはアリアの元まで歩いて行き、ギュッと抱きしめた。
「アリア、さようなら」
アリアにだけ聞こえるよう小声で囁くラッシュ。
なお、ステータスが上がった影響で聴力が上がったので俺にもバッチリ聞こえている。
「いやいやいやいや。なんか良い感じの雰囲気作ってんじゃねーよ……」
「そうですよ! 勝手にお別れしないでください!」
俺とシーナが間に入り、ラッシュとアリアを引き剥がす。
諸々の事情を聞いた俺は、やはり改めてラッシュも連れていくべきだと感じた。
シーナも俺と同じように感じていたようだ。
「諦める前に、まずは呪いの解除ができないか調べるべきだと思います。おそらく禁忌魔法の類だと思うので、アーネスなら誰かいるかも……」
「シーナの言う通りだ。今の時点では魔族にすぐ殺されるってことはないんだろ? なら、できることはやっておいた方がいい」
と、俺たちは説得を試みたのだが——
「いや、いいんだ」
ラッシュは端的に答えると、アリアの元から離れていく。
「お、おい! どこに行くんだ⁉︎」
約三メートルほど離れたところで立ち止まったラッシュは、こちらを振り向いた。
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レジン……?
そういえば、特別試験の受注でアリアが持っていたその人の推薦書を使ったような覚えがある。
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「もう、ずっと前から決めてたことなんだ」
そう言うと、ラッシュは《収納魔法》で一羽の白い鳩を取り出したのだった。
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