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第一章(約11万字)
第73話:埋葬方法
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◇
アーネスで稲本とラッシュの火葬を終えた俺たちは、片桐たちと別れて宿に戻ってきた。
この街では冒険者の死亡は日常茶飯事のため、すぐに焼却できるようになっているらしい。
稲本の骨は郊外にある埋葬場所に埋めることになり、済ませてある。
なお、ラッシュの骨に関してはまだどこにも埋めていない。
「海に散骨してほしい……か」
ラッシュは、自身の埋葬方法に関して遺書が残されていた。
遺書と言ってもメモ書き程度のもので、『自分が死んだら骨は海に撒いてほしい』ということしか書かれていない。
常に死を想定していたのか、こだわりがあったのか、あるいは今回のミッションに身の危険を感じていたのか。
——理由はともかく、なるべく本人が望む通りにしてやるべきだろう。
「多分、ラッシュは墓を魔族に暴かれると思ってたんだと思う」
「……なるほど」
魔族にとっても暴いて何になるのかわからないが、確かに普通に埋葬すれば、物理的に掘り起こすことは容易にできる。
骨を魔大陸に持ち帰られるくらいなら、海に撒いてくれと思う気持ちもわからなくはない。
……ひとまず、骨に関しては《収納魔法》があれば荷物になることもないし、海に辿り着いたらその時に撒くとしよう。
それよりも、アリアは魔族的には死んだということになっている。ラッシュが作ってくれたこの状況を活かさない手はない。
他の魔族が状況確認に来るはずだが、それまでに一日でも早くアーネスを出たい。
明日、ギルドでエンシェント・ドラゴンの買取金を受け取り、その足で出発できればベストだ。
だが、出発の前に目的地を決めなくちゃいけない。
「アーネスを出て、どこを目指すか……シーナ、どうするのが良いと思う?
地理に関しては俺はさっぱりだし、アリアも人間大陸の事情に関しては詳しくなさそうなので、ひとまずシーナに聞いてみることにする。
「そうですね……」
シーナは地図を取り出した。
「最終的に魔族と戦えるようになっていきたいとすると、段階的に強い魔物と戦っていけるように移動したいということですよね。それなら——」
アーネスで稲本とラッシュの火葬を終えた俺たちは、片桐たちと別れて宿に戻ってきた。
この街では冒険者の死亡は日常茶飯事のため、すぐに焼却できるようになっているらしい。
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なお、ラッシュの骨に関してはまだどこにも埋めていない。
「海に散骨してほしい……か」
ラッシュは、自身の埋葬方法に関して遺書が残されていた。
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常に死を想定していたのか、こだわりがあったのか、あるいは今回のミッションに身の危険を感じていたのか。
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「多分、ラッシュは墓を魔族に暴かれると思ってたんだと思う」
「……なるほど」
魔族にとっても暴いて何になるのかわからないが、確かに普通に埋葬すれば、物理的に掘り起こすことは容易にできる。
骨を魔大陸に持ち帰られるくらいなら、海に撒いてくれと思う気持ちもわからなくはない。
……ひとまず、骨に関しては《収納魔法》があれば荷物になることもないし、海に辿り着いたらその時に撒くとしよう。
それよりも、アリアは魔族的には死んだということになっている。ラッシュが作ってくれたこの状況を活かさない手はない。
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だが、出発の前に目的地を決めなくちゃいけない。
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「そうですね……」
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