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第一章(約11万字)
第74話:アールスライド
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言いながら、俺たちが今いるエアルディア王国の西南——海に囲まれた半島を指差すシーナ。
「まずは、アールスライドを目指すというのはどうでしょうか」
「アールスライド?」
「はい。ここはエアルディア王国の中では一番魔物が強いエリアです。いきなり魔物が強くなるというわけではなく、近づくにつれ強くなっていくので、まずはここを目指すのが良いと思います」
「なるほど」
確かに、俺たちは強敵といわれるエンシェント・ドラゴンを倒せる実力は身につけられたが、まだまだ力任せ感は否めない。
シーナとアリアの成長はもちろん、俺ももっと戦い方を覚える必要がある。
段階的に魔物が強くなっていくのは、環境として良いといえる。
ただ、シーナの言葉の中に一つ気になることがあった。
「まずは……となると、最終的には別の場所を目指した方がいいのか?」
「そうですね。西の魔大陸に近づけば近づくほどに魔物は強くなる傾向にあるので、敵の強さを求めるなら大陸の西端——リーシェル帝国を目指すことになると思います。ただ」
シーナは悩まし気な表情で言葉を続けた。
「冒険者が他の国に越境して活動するには、Cランク以上の冒険者じゃないとダメなんです。なので、強い魔物がたくさんいて依頼がたくさんあるアールスライドでまずはランクを上げるのが良いのかなと思います」
「そういうルールもあるのか」
「そうなんです。冒険者は、ランクの上ではCランクから一人前と認められるので……」
俺たちは実力でいえば確実にCランクより上の力があるが、客観的に証明するにはランクが必要。こればかりは仕方がない。
ランクごとにランクアップに求められる必要ポイントは上昇していく。Cランクへのランクアップには時間がかかるし、シーナが言う通りまずはここを目指すのが良さそうだ。
「シーナ、めちゃくちゃ助かったよ。ありがとな」
「い、いえ! とんでもないです!」
お礼を伝えると、シーナは嬉しそうに微笑んだ。
「よし、明日にはここを出てアールスライドを目指そうと思う。アリアは問題ないか?」
「うん。良いと思う。海もあるし」
「……そうだな」
とりあえずの目的地であるアールスライドは海に面しているということで、ラッシュの希望だった海への散骨も問題なくできるだろう。
さて、次の目的地も決まったことだし、そろそろ今日は休むとしよう。
この一週間を思い出すと、様々なことが起こった。
突然、朝のホームルーム中に変な場所に転移したかと思えば『神』を名乗る男から異世界に勇者として送り込まれた。
転移先の森では《白銀の狼》によりクラスはほぼ壊滅してしまい、そこから本性を出した稲本に振り回され、なんやかんやあって今に至る。
今となってはその稲本も死んでしまったわけだから、目が回るような状況の変化である。
『神』を名乗る男は、成長すれば自然と日本へ帰る術は手に入ると説明していた。
まだ全く手がかりが掴めない状況ではあるが、ステータスが上がることで使えるスキルや魔法の規模が大きくなり、できることが増えた今なら、苦し紛れの嘘というわけでもないとは感じる。
父さんや母さんはどうしているのだろうか。
時間の流れが同じだとすれば、今頃心配されていることは間違いないだろうな。
まあ、今は余計なことを考えても仕方がない。
無事に帰るためには、ひたすら強くなるしかないのだから。
――――――――――――――――――――――――――
これにて第一章完結です!
明日は小説家になろう/カクヨムにてそれぞれSSを投稿し、明後日から第二章を始める予定です。
※アルファポリスでは明日はお休みになります。
引き続き楽しんでいただけると幸いです。
「まずは、アールスライドを目指すというのはどうでしょうか」
「アールスライド?」
「はい。ここはエアルディア王国の中では一番魔物が強いエリアです。いきなり魔物が強くなるというわけではなく、近づくにつれ強くなっていくので、まずはここを目指すのが良いと思います」
「なるほど」
確かに、俺たちは強敵といわれるエンシェント・ドラゴンを倒せる実力は身につけられたが、まだまだ力任せ感は否めない。
シーナとアリアの成長はもちろん、俺ももっと戦い方を覚える必要がある。
段階的に魔物が強くなっていくのは、環境として良いといえる。
ただ、シーナの言葉の中に一つ気になることがあった。
「まずは……となると、最終的には別の場所を目指した方がいいのか?」
「そうですね。西の魔大陸に近づけば近づくほどに魔物は強くなる傾向にあるので、敵の強さを求めるなら大陸の西端——リーシェル帝国を目指すことになると思います。ただ」
シーナは悩まし気な表情で言葉を続けた。
「冒険者が他の国に越境して活動するには、Cランク以上の冒険者じゃないとダメなんです。なので、強い魔物がたくさんいて依頼がたくさんあるアールスライドでまずはランクを上げるのが良いのかなと思います」
「そういうルールもあるのか」
「そうなんです。冒険者は、ランクの上ではCランクから一人前と認められるので……」
俺たちは実力でいえば確実にCランクより上の力があるが、客観的に証明するにはランクが必要。こればかりは仕方がない。
ランクごとにランクアップに求められる必要ポイントは上昇していく。Cランクへのランクアップには時間がかかるし、シーナが言う通りまずはここを目指すのが良さそうだ。
「シーナ、めちゃくちゃ助かったよ。ありがとな」
「い、いえ! とんでもないです!」
お礼を伝えると、シーナは嬉しそうに微笑んだ。
「よし、明日にはここを出てアールスライドを目指そうと思う。アリアは問題ないか?」
「うん。良いと思う。海もあるし」
「……そうだな」
とりあえずの目的地であるアールスライドは海に面しているということで、ラッシュの希望だった海への散骨も問題なくできるだろう。
さて、次の目的地も決まったことだし、そろそろ今日は休むとしよう。
この一週間を思い出すと、様々なことが起こった。
突然、朝のホームルーム中に変な場所に転移したかと思えば『神』を名乗る男から異世界に勇者として送り込まれた。
転移先の森では《白銀の狼》によりクラスはほぼ壊滅してしまい、そこから本性を出した稲本に振り回され、なんやかんやあって今に至る。
今となってはその稲本も死んでしまったわけだから、目が回るような状況の変化である。
『神』を名乗る男は、成長すれば自然と日本へ帰る術は手に入ると説明していた。
まだ全く手がかりが掴めない状況ではあるが、ステータスが上がることで使えるスキルや魔法の規模が大きくなり、できることが増えた今なら、苦し紛れの嘘というわけでもないとは感じる。
父さんや母さんはどうしているのだろうか。
時間の流れが同じだとすれば、今頃心配されていることは間違いないだろうな。
まあ、今は余計なことを考えても仕方がない。
無事に帰るためには、ひたすら強くなるしかないのだから。
――――――――――――――――――――――――――
これにて第一章完結です!
明日は小説家になろう/カクヨムにてそれぞれSSを投稿し、明後日から第二章を始める予定です。
※アルファポリスでは明日はお休みになります。
引き続き楽しんでいただけると幸いです。
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