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発想力は想像を超えてしまう 17
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「満月かぁ~月明かり」きっと、2人もここで夜空を見上げていたかも・・けど私は1人、長時間入ってられないと、さっさと湯から出た。
・・
食事処を抜けると、まだ立ち働く若女将を見掛けたので「いい湯でした」と、声を掛けた。
「貸し切りのお風呂でしたか?先生の設計で、こちらに来ると必ずミツに入られてましたよ」
やはり!「そうですか・・とても素敵な作りで、久しぶりにゆっくりできました」
「前はもっと凝ってましたよ」何かあったのだろうか?
私が首を捻ってると「見せましょうか・・当時の設計図」
「え?あるんですか」驚きを顔に出さないで返事を返した。
「たしか?倉庫で・・見たけど、今はどうなってるのかな?子供の時、倉庫は子供の来るとこじゃないと、ずいぶん怒られた思い出があります」
・・
早朝、約束した場所に来ると倉庫を開けてくれたので中に入る。そこには新聞を広げたぐらいの黄ばんだ設計図などが置かれ、中田の名前も載っている書類も発見する。
桃子は一応助手と思わているので、それらしく見ていると創造図が分かりやすく覗くと「へー、面白いですね これ」と、見た絵図は滑り台付きだったので笑ってしまう。
流石に注意書きが・・滑走して露天風呂に入るのは可能としても、戻るのは不可能と記されていた。その考える発想力は想像を超えてしまう。
図では「直行露天風呂付き部屋」と記されていて、ウォータースライダーのように裸で貸切の湯に飛び込める図なのだ。遊び心を持つ中田には、発想が飛び抜けて現実離れしていた。
その失敗作の図面は沢山あったが、ことごとく大きく☓が付き、それを楽しんでいたようでもある。
貸切「ミツ」の露天を図面上から探す。タコの足に例えるなら1本目から3本目は水回り関係で厨房から食事処、そして貸切風呂、大浴場露天と走り書きがあった。
この近辺の土地は、緩やかな下り坂で排水も良かったのだろう。そのタコ足の末端にミツとハチの貸し切りの露天風呂の設計図も記されていて、その先は敷地外となり省かれていた。
若女将が「ごめんなさい、呼ばれてるので引き返しましょう」
「すいません、参考になりました」と、まるで建築様式を学んでるような返事をする桃子だが、部屋に戻っても図面が頭から離れず、チェックアウト後に貸切風呂の境界線に行ってみることにした。つづく
・・
食事処を抜けると、まだ立ち働く若女将を見掛けたので「いい湯でした」と、声を掛けた。
「貸し切りのお風呂でしたか?先生の設計で、こちらに来ると必ずミツに入られてましたよ」
やはり!「そうですか・・とても素敵な作りで、久しぶりにゆっくりできました」
「前はもっと凝ってましたよ」何かあったのだろうか?
私が首を捻ってると「見せましょうか・・当時の設計図」
「え?あるんですか」驚きを顔に出さないで返事を返した。
「たしか?倉庫で・・見たけど、今はどうなってるのかな?子供の時、倉庫は子供の来るとこじゃないと、ずいぶん怒られた思い出があります」
・・
早朝、約束した場所に来ると倉庫を開けてくれたので中に入る。そこには新聞を広げたぐらいの黄ばんだ設計図などが置かれ、中田の名前も載っている書類も発見する。
桃子は一応助手と思わているので、それらしく見ていると創造図が分かりやすく覗くと「へー、面白いですね これ」と、見た絵図は滑り台付きだったので笑ってしまう。
流石に注意書きが・・滑走して露天風呂に入るのは可能としても、戻るのは不可能と記されていた。その考える発想力は想像を超えてしまう。
図では「直行露天風呂付き部屋」と記されていて、ウォータースライダーのように裸で貸切の湯に飛び込める図なのだ。遊び心を持つ中田には、発想が飛び抜けて現実離れしていた。
その失敗作の図面は沢山あったが、ことごとく大きく☓が付き、それを楽しんでいたようでもある。
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若女将が「ごめんなさい、呼ばれてるので引き返しましょう」
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