癖 20 完

asabato

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形あるものも開放される 2

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 その後トイレから戻る岡本が「俺さ最近、尿が出切らないんだよな」

下ネタとは違うが、俺が言いたかった部分でもあったので「それは絞るとすっきりするよ」

「ほぉ」やはり同僚との下ネタの話は盛り上がる。

「後で試して見るかな」 

「試すといえば、さっきの話なんだけど、岡はさぁ右か、それとも左寄りか?・・」


「右か左って?ああ・・さっきから聞いてるけど?そういうことか。どうかな意識してないけど、真ん中かな?いや左かな?ん」と、立ち上がって確認する。そんなことを真剣に考えている2人の会話は楽しい。あの公園の井戸端会議の婆さんたち楽しそうだったのを思い出していた。

岡本が下ネタに理解してくれて良かった。現役の時は、そんな理解者とは思えなかったのは、きっと仕事に責任があったのだろう。

「俺は、意識して右寄りに変えてみたんだけどな」

「意識って(笑)なんか、生活に変化あったか?」

「生活に?ん、体には変化があったよ 」その応えで大笑いになって飲み屋に響いた。

「へー、それだけで変わるのか、EDとかの薬要らないね。もっとも使い道がないけどな」

「俺はもうダメだー、もう、そこだけ脳梗塞って感じで自分でリハビリもんだ」

「リハビリ・・?」笑えた。

考えてみると結婚して3年くらいは夢のような世界だった気がするけど、今となっては記憶にも無い「良い時は長くは続かんなぁ~」

くだらない話は実に楽しい時間でもある。飲み足らないというより話し足りないでいると、混み始めてきていた。

俺たちが来た時は空いていたので広いテーブルに案内されていたが、夕方になると客が押し寄せて来るほど混み合う。隣の席には一応 OL なのだろうか?30代から50代くらいの4人グループが座り込む。

店員がテーブルに境目にメニューを立てると、彼女らはお疲れ的な話しをしているのが聞こえてくる。

隣が近く、しかも女性となると話題を変え「俺さー、この齢になって、メタボが気になってな」

「やはり運動不足かな、岡はどうよ ?」 岡本を、岡と呼んでいる。

「何もやってないからな、段々ズボンもきつくなるよな」

「腰回りゴムにしたら・・」

「ゴムじゃ?サラリーマン長くやってたから、ジャジーなど外で穿けん」

「でも腹がきつくてな・・今度飲む時はゴムのジャージなんていいかも」と、ベルトを緩めた。

「いい考え・・形あるものも開放されるな」と、隣の女性グループに聞こえたのだろうか、視線がこちらに向いた。形あるもの・・に反応したのだろうか。つづく
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