『過ごした時間と、これから』(仮)

危機一発(^^)ゞ

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第3章 もう一つの家

『もう一つの家』

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最初のキャンプから戻ったあと、変化があった。

乾かしきれなかったテントをベランダにぶら下げ、
泥のついたペグを、洗面所の隅に置いた。
それまでの生活にはなかったものが、さりげない日常に入り込んだ。

長男は、ふと「また、あのおうちに行く?」
キャンプ場のことを、“もう一つの家”に感じているらしかった。

次男はまだ言葉にならないが、車に乗ると不思議と機嫌がよくなった。
揺れる振動と、窓の外の流れる景色が、心地よったようだ。

二度目のキャンプは、少しだけ要領がよくなった。
タープは前より早く張れたし、火もすぐについた。
それでも、失敗は沢山あった...
ランタンのホヤを壊したり、虫に刺されて目が腫れたり、便秘で緊急医にかかったことも、
うまくいかないことも、みんな思い出

天気が崩れて、テントの中でじっと雨音を聞く日もあった。
子どもたちは、狭い空間で遊び疲れて眠り、妻と私は何も話さずに外の灰色の空を眺めていた。
その静けさが、不思議と心地よかった。
旅は、どこかへ行くことより、一緒にいる時間を違う場所で過ごすことなのだと、少しずつわかってきた。

キャンプ場へ向かう道のりも、いつの間にか、家族の遊びの一部になった。
宿を予約する必要もなく、何時に着かなければならないわけでもない。
行きたいところで止まり、眠くなったら休む。

そんな自由さが、子どもたちにも、私たちにも、ちょうどよかった。

やがて地図の上に、小さな印が増えていく。
名前も覚えていないようなキャンプ場。
雨に降られた場所。
焚き火がよく燃えた夜。

それらは観光地の思い出ではなく、家族で過ごした時間のしるし
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